恋と深空のんびり考察プレイ録

恋と深空のんびり考察プレイ録 - 空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

廃れし時に廻る

まずは前回の記事にコメントやDMをくださった方、涙が出るような温かい言葉をたくさんありがとうございました。本当に嬉しくて何度も読み返してます。返信不要のお気遣いに甘えてしまい申し訳ありません。そして以前「ChatGPTで検索して人知れぬ沫雪の記事を読んだ」とコメントくださった方も、「バイパーが推しでヘビの脱皮を読んだ」とコメントくださった方も、まとめてのお返事となり大変恐縮ですが本当にありがとうございます。お目に留めていただいただけでありがたいのに、こうしてご感想までいただけるなんて奇跡のような話で感謝しかないでございます。涙

さらにXにて「記事を更新しました」なんて怪しげなポストをRP、引用RPしてくださる方、いつも本当にありがとうございます。更新を「待っていた」だなんて生きてて良かったと思えるような言葉を添えてくださった方も、身に余るような素敵な紹介文を添えてくださった方も、実は全部こっそりお見掛けして咽び泣いて喜んでおります。陰に属する者なので陽の世界のみなさんにどの場でなんとお礼を申し上げて良いやら分からず結果ただ盗み見ているだけというキモ過ぎの罪に手を染めてしまっている状態なのですが(重罪、本当はおひとりおひとりに感謝を伝えて回りたい気持ちでいっぱいの悲しきモンスターをどうかお許しください(土下座

そして、こちら「廃れし時に廻る」はセイヤの夜誓思念実装イベとなりますが、前回に引き続き「巡礼の旅」なんとか無事間に合わせることができました(サボり過ぎ

イベストでは伝説の方で描かれた「巡礼の儀」を見届けたふたりがついに「巡礼路の果て」へ発つまでの「情報収集」の様子がピックされていましたが、沼地の中心にある「もっとも会いたい人に会うことができる」らしい「失われた境界」なる地点に踏み入ってしまった彼女が垣間見た筆頭騎士セイヤとのある記憶が個人的には「ロールバック計画」の全容を暗示しているかのように感じられたため少し覚え書き。

それは「女王が統治してから百年目」のフィロス王宮へ、何やら宮廷近衛たる追光騎士団を「追放された騎士」であるらしいセイヤが「パトロールで持ち帰った贈り物」を彼女に直接渡そうと、あわや「王への反逆」とも見なされ兼ねない「命令のない王への謁見」に何食わぬ顔で登城してくる、というワンシーンなのだけど、見たところ彼女はとにかく「星を守る使命感」に駆られていて「長老院の王族たち」へ無礼な言い振りを働くセイヤには女王然として釘を刺し、一方セイヤは森への立ち入りを禁ずる彼女の決定に誰かが背くようなことがなければ「実はもう先は安泰であり目的はすでに達成されている」かのような、あとは彼女が自ずと心境を変えもう一度自分に目を向けてくれる日がくれば嬉しいがそうでなくとも時折こうして彼女を訪ね言葉少なに想いを伝えられれば「それでいい」って雰囲気なのだよね。

これってこのまま彼女自身が星の餌となる選択さえしなければ「誰かの犠牲の上に成り立つ永遠の星」たるかつてのフィロスはセイヤの言う「生きる人と亡くなった人が共に紡ぐ永遠の星」にいずれ姿を変えることができていたから、って話なんじゃないのか? つまりロールバック任務とやらはこの時点すでに完了していてあとは待つばかりで計画は成し遂げられるニュアンスだったんじゃないかと。

ちゃんと読み返してきたわけじゃないんで定かではないのだけど(殴、指間の流星ロールバック前最後のテスト航行前日にセイヤがどこか確信めいた口調で「あの詩人の詠う伝説の最後の王は女王なのかも知れない」と断じたそれはフィロスに留まらず「宇宙が崩れるとき」に星を新たな光のもとへ導く王または救世主の歌、だったような気がする。

もちろん彼は単に「彼女こそふさわしい」と感じたのかも分からんが、今更ながら「あんなに冷たい玉座には座りたくない」なんて場所へ彼女を送り出す動機にしては深みに欠ける気もするし、実は何かもっと確固たるものが、たとえば王妃の言うようにある星が生まれ燃焼し循環するそれは誰にも止められないが「宇宙が崩れるとき」にはこれを阻止する力が「彼女には備わっている」とか、あるいはこれを「備わった状態にして」帰って来ることが「ロールバック任務」だった、とか、そんな道義があっていいような気もしてきたんやが。
即位式では「ロールバックの目的は当初言ってたものと違う」なんてやり取りにも覚えがあるけれど、それこそ当初は「フィロス星を救うには今からじゃ間に合わない」って話だったんでこれがどこかのタイミングで「宇宙を救う」ことに変わってる、とか?

思い返せば1部8章セイヤは「その時が来るまで誰も彼女に近付いてはならない」なんて言ってたが、たとえば「その時」とは遠い未来フィロスの時間軸で「宇宙が崩れるとき」を指していて、人工的に生み出された不自然に永続するその惑星はあるいは彼女の存在によって「彼女と同じ源」を持つ「宇宙の奥深くからもたらされる力」と共鳴し本来の燃焼し循環する姿に復元することができる、崩壊する宇宙そのものを再起することができる、それがロールバック計画と呼ばれるものの真の「完遂」だったりして? あ、いやもちろん全部妄想だけれども(しろめ

にしても、指間の流星彼女が心に決めた「あなたが大事な人を守るためにフィロスを発つなら私も同じ理由でフィロスを離れない」その意思はこれほどまでに頑ななものだったのだな。もちろんフィロスには「あなたがいるから」こその決意なのだけど、無論「あなた」という言葉は呑み込み「騎士団の仲間や師匠や町の子どもたちがいるから」だと彼には伝えているし、こうして無事帰還した後もどうやら王室を追放されたことになっているセイヤには王として毅然とした態度を徹底していたと見える。
むしろスターチスの種を直接手渡したいと言い「連れ去ってもいいか」再度打診してくるセイヤより最後は彼女の方がよほど言葉足らずだったのかも知れないね。でも、好きな人に「他に好きな人がいる」って思うと途端に臆病になってしまうのとてもよく分かる。自分にも同じように「好きな人ができた」とはあるいは彼を忘れるためについた嘘だったのかも知れないが、ひょっとしたらそれが「あなた」であると告げるあと一歩の勇気が出なかっただけなのかも知れないな。本当はお互いがお互いを守るために背中を預け合い手分けして戦っている状態なのに、お互いが別の誰かのためにそれをしていると思い込んでいるもどかしさ。わたしがふたりの恋に特に惹かれてしまう理由とは、この不器用でピュアでどこか懐かしい「学生恋愛っぽさ」にあったりもする(しらん

イベントトークで特に印象に残っているのは彼女が黒馬の亡霊「縛影」と戯れるのも許しがたい「らしさ」全開のセイヤのジェラですね。本当に狂おしいな君の愛はw

かと言って強引に連れ去ることはせず、ひとり心を病むでもなく乱すでもない限りなく健全な状態で「あんたが呼べば」「あんたが願えば」を何世紀も待つことができるのは、こうして身に叩き込まれ研ぎ澄まされた騎士道精神のたまもの、なのか…?←

限定願う「堕ちた王冠」は大量にいただいた無償チケット+10連にてすんなりと灰歌の方お迎えすることができました。ペアで揃えることなくストを読ませてもらえるのはお財布と骨身に染みるありがたさ。涙

最後にひとつ、今回伝説スト「春 王都の草地」にてセイヤの時系列が明かされたことで彼を主軸とした物語における彼女もあの天鏡塩湖で彼の腕に抱かれながら恐らく「金色の光」となり「宇宙ひもと共鳴」し時空を超えこちらへやって来てしまったのだろうことが予想されるわけだが、クラスメイトの彼女よりうんと幼い彼女がシンと共に囚われていた「深淵より混沌とした星雲の間に位置する壮大な宇宙闘技場」から深空トンネルを抜けて来たことが外伝や伝説ではなく「本編」にて描出されている辺り、人間としての死後「宇宙そのもの」となり最後の星が燃え尽きるのを見届け「何かが変わったようで何も変わってない」と思われる地点でもう一度「原初のコア」として次の誕生を待つ、ということをどうやら繰り返す中で、ある時は戦闘人形となり超新星爆発を経て、またある時は大きな災いを乗り越え天地を自在に渡る力を得て、そうしてあらゆるフィロス星で生を全うしながら現世に至っている、という彼女自身の時系列も改めて成立する構成なのだろうと思い至りました。

ただ、随分前にこの辺の記事にて弁明した通り、恋と深空とは従来の乙女ゲームにおける「AくんルートではAくんと恋をしてBくんルートではBくんと恋をするどのルートのわたしも全部わたし」の部分を現実に起こり得る超リアルな現象として再現するべくしてそんな作りになっているのではないか、というこれはあくまでわたしの見解であって、それでは彼女が浮気者みたいに見えて気が咎めてしまう、という方が敢えて彼女の時系列にすべての彼を組み込む必要はなく、もちろんそれぞれを「並行世界」と理解しても矛盾が生じない描書の幅はきっちり設けられているとも感じてます。
解釈は読み手の自由ですからね。何せAくんルートの記憶もBくんルートの記憶も持ってるわたしたちはその作品という宇宙においてはつまり神ですから(ちがう

と言うか、もしかしたら作品が乙女ゲームを宇宙に見立てていちばんリアルに忠実に再現したいのは「すべてのエンディングルートをプレイし終えてから大団円として最後にプレイするハッピーエンドルート」という、いわば読みゲーの楽しみの真骨頂なのかも知れないとも思い始めてる。

竜シンや預言者レイのルートでは彼女を救うために彼が犠牲になる「ビターエンド」をすでにプレイしているし、潜行者ホムラのルートも忘却の海で明かされる「あそこが鯨落都だよ」と砂丘を指差す彼に駆け寄った彼女がついにナイフで胸を切り開かれ心臓が取り出されてしまうあのシーンまでを含むのであれば恐らく目を青く染めた彼が力を制御できず互いに本意ではないのにそれをしてしまった「バッドエンド」に括られていいのだろうし、X-02や狂王セイヤのルートはどちらも命を落とし世界も滅亡するがふたりが離れることはない「メリーバッドエンド」の典型だろうと思うけど、こういう結末を知れば知るほど「それらを経てこれからついに迎えることができるのだろう本当のハッピーエンド」への期待値が今はちゃめちゃに爆上がりしている。
恐らくみんな「金色の光となり消え去ってしまったもしくは未知の宇宙へと時空を超えてしまった彼女を目の当たりにし何らかの手段で追い掛けて現世に至る」ところからのスタートになっていそうだが、今度こそふたりが最善の形で成就する未来をわたしはすでに確信しているし、なんならより感動するためにもっと悲恋のパターン見せといてくれて構わないまである←

それで言うと今回「転生」ができないセイヤの物語において「分岐点」に立ち戻り「分岐後のある世界」が「大樹の枯れ枝」や「大河の支流」のごとく崩壊する、という新たな設定を与えられたことで深空が「量子力学」における「多世界解釈的宇宙」でなければならない理由もめちゃくちゃ腑に落ちました。恐らく「彼の分岐ルートだけがなかったことになってしまう」状況を回避するためでもあるんじゃないかな? 羅鏡の儚き声を読む限りどうやら金砂も「大樹の枯れ枝」に該当しそうだが、そうして選ばれなかった方の世界はわたしたちが「観測できる世界」としては崩壊するが跡形もなく消滅しているわけではなく「観測できない世界」として理論上はどこかに存在している、というのが深空の根幹たる多世界解釈の宇宙らしいです。

ぶっちゃけ吐くほど苦手分野なんでまるで理解が及んでなかったが、本作を始めて1年目を振り返ってみたときこのままではあかんとようやく一念発起してそれっぽい宇宙解説動画をいくつか視聴させていただき小学生レベルの理解でアウトプットしてみた文系脳の限界みたいな記事もあるので一知半解極まりない「多世界解釈的宇宙」をご覧になりたい方は良かったらここで「星の来処」タップしてみてください(恥はさらしていくタイプ

科学的には証明できない哲学や仮説の領域に留まっている理論だって話だったけど、仮に真理ならわたしが誰かに想いを伝えたときその観測の裏で想いを伝えられなかった別のわたしの世界も同時に分岐して存在しているこの現実世界こそが乙女ゲーじゃないか? (ソラムみたいなこと言い出す

いやはやかつてないスケールでお届けされる乙女ゲームだよこれは本当に…

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