恋と深空のんびり考察プレイ録

恋と深空のんびり考察プレイ録 - 空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

6部3章 徘徊者からの返信

今章ざっくり言えばセイヤの物語の回収とホムラの物語の事前説明になっているのだがテーマは一本で通っていると感じる。たぶん五感で認識できる具体的な実体や現象として描かれるロールバック隊の物語の着地を根拠にしなければそれらが全て観念や象徴に置き換わるリモリアの物語の着地があまりに難解だからなんじゃないかって気がしてきてるのだけど、現時点すでに分からないことの方が多い「鯨落都」が今回さらに次元、時間、祈りや儀式のような神秘主義を桁外れのスケールであちこちに撒き散らしながら早速暴れ始めているよ?←

次章この延長線上で一気に回収が起こるならまじでめちゃくちゃ難読なんだろう予感に打ち震えているけども、せめて読み解けるうちに読み解けるものをと必死の覚え書きです。

母校凱旋

スリープモードに入ったロールバックⅡ号からコア動力源「Echo」を取り外したふたりが39号禁猟区へ戻ると隔離帯の外にはすでにハンター協会の駐屯所が仮設され、女神の聖剣碑は霊空行動部の見知った顔ぶれによって包囲されていた。

モモコのデータ分析によれば聖剣碑の後ろにある「磁場バリア」は単に地球のエネルギーで構築された壁ではなくまるで「空間が切り取られている」かのような構造であると言い、ただしエネルギー分布には「弱くなっている箇所」が見られるためまずは「電磁砲」で突破を試みる応急策が取られたようであるが、どうやら普段ミナミには「火力は安全範囲内で」と厳命されているらしい開発者ノゾミは今回に限り特別に最大出力値の超過を許可されて「ふさわしいエネルギー源さえあれば石ころを月まで飛ばすほど引き上げられる」などと有頂天である(かわいい

彼女は「ふさわしいエネルギー源」としてノゾミに「Echo」を受け渡し、さらに「磁場安定装置」の波動を用いればより正確な弱点が「一瞬だけ露出する」ことをセイヤが改めて申し合わせているところへ今度は「間に合った」と安堵の声を上げながらPhilo花店のトラックまでやって来て、わーすごいこんな風に全員が集結してるのなんだかグッときちゃう。もう街中の引力錨を撤去したの? はちゃめちゃに仕事が早いな。

バリア内部は「無害な空間ではない」ため霊空ハンターは入り口を確保したら引き続き外部からの援護に徹し、ロールバック隊は突入したらとにかく中の引力錨を破壊して「フィロスの断片を移送すること」が最優先、もっとも一歩踏み入れば「RMFMA」によりランダムにどこかへ飛ばされて連絡も取れなくなる可能性が高いことからはぐれた場合は「天極通りを目印に学校の左側にいるなら時計塔」「右側にいるなら騎士礼拝堂」での合流をあらかじめ取り決めて、いざ電磁砲の発射と突撃敢行の瞬間は場面がアストライアー側に切り替わり中では「ゲンの計画を支持するロールバッカーたち」がいよいよ彼の不審な動きを疑い始めたところで突然バリアが破られ「空間に裂け目が」生じたことに「澄んだ声のロールバッカー」がとっても悲痛な声を上げる描出なのだけど、なんだろう彼らの側に立ってもまたちょっぴり胸が痛んでしまうな…

案の定あちこちに飛ばされた一行は差し当ってそれぞれに行動することとなり、個人的にはこんなとき一騎当千のまま臆さず先手を打ってしまうようなタイプなのかと思っていたイズミがとても用心深く「何ヶ所にも及ぶ空間波動」を警戒し誰よりも慎重に前進してるのさすがだなって思ったし、逆に先んじて礼拝堂へ急行するスロヴィはもちろん合理的だけど意外と躊躇しない胆力があるんだなと感心してしまったり、アーチ状の巨大な石柱の近くに飛ばされたらしいキノアが跳ね上がって街道へと走り出しあの指輪をぎゅっと握り締めながら「見てくれ」「ここがオレの家だ」なんてベッキーに語り掛けているのにはそうか彼の中ではまだ全然色褪せてないんだなって改めて切なくなってしまったよ。

彼女が「逐月寮」セイヤが「訓練場」に飛ばされているあたり「RMFMA」は前回のように精神の磁場領域みたいなところにも多少影響してたりするのかな? なんとなく各自かつて長い時間を過ごしていた場所へ振り分けられているような印象。

彼女は広い教室や講壇のような石の階段の両側に屹立する大剣を構えた騎士の像など目に映るさまざまな景色を「なぜか懐かしい」と感じながら建物の中を偵察、程なくして窓の外のそう遠くない位置に「時計塔」を発見し一旦そちらを目指すことにするも、EVERの協力者と見える「腹部に複数の銃口を備えた飛行物」が数機どこからともなく現れて止むを得ずこれに応戦、足止めを喰らっているところへ加勢に現れたセイヤが一瞬で掬い上げるようにして彼女を時計塔の上へと運んでくれたりするのだが、なんと今回ここがムービーシーンになっていたんですねぇ。

実は電磁砲発射の直前に現れたPhiloのトラックには「オレたちロールバック隊が100年ぶりに再び一緒に行動するようになった祝福に」とキノアが新たに縫製したらしい戦力強化特別仕様の「追光騎士団の制服」が積んであり、セイヤと彼女は無言の期待を向けられて内心しぶしぶながらもこの衣装チェンジを受け入れることになるそんな一幕があったのだけれど、なるほど全てはこの演出のためだったんやな。

かつて「ここに居ればあんたから会いに来てくれる」と分かった顔で潜んでいるセイヤを嬉しくも仕方なくしょっちゅう迎えに行ってやってたその場所を今もう一度騎士服を着たふたりが待ち合わせ場所にしてるんだ、って思ったら絶対スクショに収めたかったんだけどまじでどんくさ過ぎてひたすら事故写真のようなものしか残せませんでした(絶望

EVERだけでなくロールバッカーが相手になることやこの場所が彼を騎士たらしめるのかセイヤは自分が敵を引き付けて迎え撃つなんて言い出すも「磁場の融合」とやらの影響でEvol消費が激しく首の制御装置が点滅するたびにちらほらと苦しそうな表情、すると彼女は「戦いにこだわらなくていい」なんて言ってのけ牽制射撃で注意を逸らすと「ついてきて」と言わんばかりにワイヤーガンで急降下、ふたりが何度も足を運んだその特別な時計塔はなんと被弾してドッカン損壊してしまうけど、セイヤは「時計塔の思い出が増えたな」「母校凱旋記念にうってつけなのは盛大に騒ぐことみたいだ」なんて気に入ってくれたようで良かったw

アストライアーで緊急招集が掛けられるとセイヤはいつも時計塔か騎士礼拝堂のどちらかを選んでいたはずだからと両地点に謎の飛行物と強力なワンダラーを出現させる手筈を整えていたらしいゲン、とは言え繰り出された新手はどちらも二手に分かれたそれぞれが共闘のすえに掃討し、いよいよゲンと対峙するセイヤは開口一番「かつてお前が改造の過程で首の制御装置に埋め込んだ爆破システムはこういう決定的な場面で使うために組まれた段取りではないのか」「今が使うべき時じゃないのか」と尋ねるのだけど、まじ…?
こちとらロールバッカーは全員が追光騎士であり正面から衝突することはあっても卑劣な手段を用いられることはないと聞いてたが、思うよりずっと卑劣だったゲンに驚いた(引

セイヤはジンのところで得た機密データからこれを把握していたってことなんだろうけど、彼女に明かすことなく長らく内に秘めたままこれだけ落ち着いていられたのはゲンが「使うなら決定的な場面を想定しているだろうこと」もしくは「使う勇気がないだろうこと」を予見していたのかな。

ゲンは始めこそ起爆スイッチなのだろう小さなチップをつまみながら「お前に見届けさせるため俺が成功する瞬間を待っているだけ」だと息巻いて「まもなく誰もが救えなかったフィロスを救い誰もが倒せなかったセイヤを殺す」それが「俺の勝利の王冠だ」と声高に叫んでいたものの、隙を与えない間合いで「今すぐ起爆するかこの瞬間この剣の下で死ぬか選べ」と圧し剣を抜いたセイヤに低く凄まれると、気力が抜けたのかあるいは剣先に払い落とされたか神経質に震えていた指先からはチップが床へと滑り落ち、沈黙を挟んで程なくどこか覇気を失ったような自供が始まる。

彼の言い分は要約するなら大きく分けてふたつあり、ひとつはあの兄妹弟子の「師匠」をかつて心から尊敬し「貧しい学生」たる自分の学費を工面してもらった入学時には感謝と恩返しを誓い長年慕ってきたものの「そんな師匠はフィロスの罪を共に背負う庶民に目を向けず朽ち果てた王室に全てを捧げてしまった」のだという裏切り、もうひとつはロールバック隊でさえ「一度も自分を本当のメンバーとして扱うことなく最後は簡単に切り捨てた」という疎外、ぶっちゃけどうしてこれが「セイヤを倒すこと」によって満たされるのか量りかねるところではあるんやが、前章「敬意」や「信頼」とは「許し」を与えられることではなくたとえば命令を下したり肩を並べて戦ったりしながら「責任を共有すること」によって示される、なんて流れを汲むと、ゲンが彼らに求めていたのは「許し」に近いものだったって言いたいのかなとなんとなく。

セイヤは自分の未熟な構想をきっと実現できるだろう常人を超えた頭脳を持つゲンを「肩を並べて戦う仲間」として「最初に誘った」し、その時点で「敬意」と「信頼」は証明されているというのにさらに「自分が使える道具だと証明する必要はない」つまり「許可」や「承認」のようなものを求める必要はないと言うけれど、これを受けて「俺を哀れむな」という言葉が出てくるあたりゲンは「敬意」や「信頼」を「許し」もしくは「自分が勝ち取った結果」としてしか受け取ることができない自尊心を持っていて、それがいつからか「セイヤを倒すこと」に転化してしまっていたって話なのかなって。するとその自尊心とはあまりに繊細で確かに騎士イズムとは言えないね(なに

一番いい選択

間もなく騎士礼拝堂の方で飛行物とワンダラーを無事鎮圧した3人が合流し「こちらに向かう途中ついでに引力錨があると思われる場所を数ヶ所確認したが不発だった」とスロヴィ、彼女も「ここの磁場は乱れ過ぎていて特定が難しい」ため「次はキノアが推測した方向を探してみよう」などと提案するけれど、セイヤは「大量のエネルギーが光輪のようにその周囲を回っている」様子からいちばん強力な引力錨がちょうど「女神の聖剣碑」の現れた位置にあると確信し撤去には「聖剣碑を壊すしか方法がない」ものと主張、キノアに限っては割と落ち着いた様子で「ははーん最も危険な爆弾は最も安全な場所に隠されてたってわけか」なんて言ってたりもするが、それでも騎士の名誉と誇りの象徴であり何よりロールバック隊が初心を誓い合った証でもあるそれを自らの手で破壊することに一同は逡巡する。

するとセイヤは「フィロスを守る歴代の騎士たちが自分の剣と念を聖剣碑に残したのは栄光を後世に示すためだけじゃない」はずであると言い、自分たちが彼らから受け継ぐべきものは「守る意志」なのではないか、聖剣碑を破壊することは「守るため」に違いないのではないか、ここを起点にロールバック隊の剣は王でも国でもなく「自身の選択」のために振るわれるものにしよう、なんてみんなを説得するのだけど、わーんそれはかつて母上に教えられた「騎士は王のために王は国のために剣を振るが剣士は自分の選択に基づいて剣を振るうとき心に恥じることがなくなる」というあの心得じゃないの。涙

でもちょっと本当に悲しい。前章ロールバックⅡ号といい彼らは今回あまりにも大切な思い出に別れを告げ過ぎてないか? 聖剣碑が無情にも砕かれてなくなってしまったあの灰城の物語から誓いを立て新たに始めた物語なのだから、今度こそ実現できるはずのふたりの「王も騎士も必要ない」日差しと花畑が広がるあの優しく美しい世界をわたしは聖剣碑に見届けて欲しかったのに(勝手に
ただ、彼女はいざ聖剣碑を前に覚悟を決めたようなセイヤに「あなたがした選択ならきっと一番いい選択」だと伝えてくれるのだよね。

セイヤが「あんたが決めた選択」を「最善」だと言ってくれたあのときからふたりの道は今もちゃんと「常に同じ方向を向いている」と(号泣

まあ確かに王や国のために剣を振るい戦死した「フィロスを守る歴代の騎士たち」はこうして後世の騎士たちが「自分の守りたい人やもののために戦う」と決めた瞬間をこんな形でも無事見届けられることを誇らしく思ってくれるのかも知れないね。むしろ自分たちの振るった剣は「ここに辿り着くための架け橋だったのか」と安堵を覚え、ようやく意味を終えられるのかも知れない。
王の名を背負って戦った彼らが信じたその名誉は「朽ち果てた王室」を守っていたわけではなく、最終的にはこんな風に若い騎士たちが「自分の選択を貫くために剣を抜く世界」を守っていたのだなと静かに報われて、芝の上にそっと剣を置けるような瞬間になったらいいなって思ったよ。涙

ふたりが手を取り合って聖剣碑に向き直り力が共鳴する瞬間セイヤは「こいつを休ませてやろう、陛下」なんてことをぽつり呟いて(ないてる、彼女は引力錨がもろとも崩れ落ちるまさにそのときどこからともなく押し寄せてくる「想像を絶するエネルギーの嵐」が「全てを一掃するほどの爆発」を引き起こすかのではないかとにわかに躊躇するけれど、同時に「セイヤのEvol」がこれに抗っているかのようにも思われて、さらに「止めるな」「俺に任せろ」と促されたことで迷いを払拭し全力を放つと聖剣碑は完全に砕かれて磁場空間は消失、ところが目を開けるとセイヤは消耗しきった様子で青い顔をしており、まじでびっくりたまげたのだけど首元にはなんと制御装置が見当たらないと。

どうやら「星の降臨が中断されたこと」によりどんでもないエネルギーが臨空市を壊滅させてしまうところだったらしく、セイヤは「無理やり衝撃を与えるしかない」と咄嗟の判断で恐らくゲンが実行しそびれた爆破システムを用い自分で制御装置を壊してしまったってことなのだと思うけど、えっ、まず彼を倒す気まんまんだったゲンが埋め込んだ爆破システムと言うからにはわたしあわやセイヤの首が飛ぶような威力のものを想像しちゃってたし、いやそんなことより「制御装置がなければ一気にEvolを放って磁場を吹き飛ばすことができる」が「それをすれば死ぬことになる」と聞いてるんだが…?
「これだけはゲンに感謝しないとな」「あいつがいなければこんなに簡単に制御装置を外すことはできなかった」なんて言われて全然賛同できないし今もよっぽど心配が勝ってるんだけどこれっていいことなの? やばいことなの? (錯乱
取り敢えずこれからセイヤがEvolを消費するときはやり過ぎてないかより厳しく監視する必要があるということか…

ひび割れながら倒壊していくアストライアーをしばし呆然となって眺めていた面はやがてセイヤが胸元に剣を掲げるのを合図に一斉に表情を引き締めると黙祷とも荘厳な敬礼ともつかぬ同じ所作を取りながら隊長の掛け声に続き「フィロスよ永遠なれ」を唱和、少し掠れながらも力強いその声に送り出されるかのように光の粒となって漂い消えていくファロスの姿はまるで夢幻の泡沫であり、あるいは星がすべて元の場所へと還っていくかのようにも見えた。

ちなみにこうして引力錨は撤去され宇宙船のコア動力源が失われ「帰還の可能性」が潰えてしまったことから「故郷を離れて215年ロールバック計画第2プランは不可抗力により失敗」したものと見做され「範囲限定ロールバックの力を探しフィロスを地核が消えた時に戻す」という「第3プラン」が始動するらしいのだけど、まず「帰還の可能性」がない状態で実現できる「範囲限定ロールバック」ってなんなんだろうね? 自分たちの座標移動はなく星そのものの状態を巻き戻す遠隔ロールバックとか? まあ正直わたしはロールバックⅡ号のこともまだ全然諦めてないけどね。セイヤがついにウルル星に咲くスターチスの花畑を彼女に一目見せてやる瞬間まで死ぬわけにはいかん←

しかも「フィロスの地核が消えた時」ってなんか不穏だな。ぶっちゃけ前章「地球に凝縮したエーテルコア」の半分が「フィロス星核」でありもう半分は何らかのトラブルによって「クラスメイトの彼女」が「生まれ変わるときに持っていた地球の魂の半分」もとい「コア介入症の要因」だったのかなってやんわり思ってしまったのだけど、いやまさかな、そんなわけないよな(怯

伝説の王の剣

これもめちゃくちゃ気になるんだが、彼らが後日改めて「聖剣碑がエネルギーを遮断され爆発した時に受けた衝撃の痕跡」が残るその場所へ祈りと花を手向けにやって来ると、焦げた土の中から「騎土礼拝堂の壁画に描かれていた伝説の王の剣」なるものが現れるのだよね。

きっと元の時空へ還りそびれてしまった「フィロスで聖剣碑が建てられた際その下に収められていたもの」ってことなのだとは思うけど、そもそも彼らのフィロスに古くから伝わる再来した王の伝説「数百年の空位時代を経てついに現れたある王に導かれ星は再び光と栄華を取り戻す」とは空想的予言的な物語でなく実在した人物の歴史に基づく説話だったのかな? だとしたらそのモチーフとなった王の佩剣なのだろうけど、うーんまだ何も繋がってないが「優雅で厳かな女王」を思わせる「女神の聖剣碑」と言うからにはやはり女性騎士であり女王なのだろうな。

何にせよ剣はキノアが大切に保管してくれることとなり、現状キノアに見張られているはずのイズミが今後はゲンを見張ることになるという謎の見張りのマトリョーシカも爆誕し(なぜ、セイヤとスロヴィは「第3プラン」の始動に伴い今回の事件に関与していない他のロールバッカーたちの捜索を始めているようで、臨空市の異常な磁場はもちろん星の移植が阻止されたことで急速に減少するも完全に消えることはなく、引き続き「深空トンネルの影響」が疑われるものとして専門機関による調査が進められる運びとなりました。

レリーフの断片

となると、こちらも「深空トンネルの影響」によるものと理解しておいていいのかな?
近日ビロノの半人工島「追波島」周辺海域に磁場の異常が感知され、ハンター協会ビロノ支部からは「特に注意すべき部分は見当たらない報告書」が上がっているようだけど、彼女は先日「ビロノに行く」と告げたきり「世界から姿を消したかのように静か」であるらしいホムラのことが気に掛かり、その少し前にこれまた追波島の沿岸で観光客らにより発見された「謎の人物の顔が彫られたレリーフの断片」とやらが「2034年臨空市南東の遠海に確認された海中都市遺跡と同じリモリア文明の遺物である可能性が高い」ものと鑑定され話題を呼んでいたことも何か関連するのではと思われて、本部からの応援要員として早速現地視察へ向かってみることにする。

追波港に到着すると「レリーフの断片」が見付かったと噂の海岸はすでに「ガイアバイオテクノロジー」の船に囲い込まれており、ビロノのハンターによればガイアの研究員たちはレリーフの分析を行った文化財研究院考古学チームによる調査介入はおろか「津波の可能性を踏まえ正確な磁場数値を測定させて欲しい」と訴える協会の要請さえ受け入れず、何かをひた隠すかのように岸辺から沖合に至るまで海区一帯を厳重に封鎖しているため今は止むを得ずリスク対策として周囲の巡視に注力する他ない、とのこと。

磁場の干渉により時に回線は不通になるからと「何かあれば漂流瓶やカモメ便を使って連絡してくれてもいい」なんて冗談を言い残し支部へ報告に戻る同僚を見送った彼女は、確かにここへ向かう道中途切れてしまったホムラとの通話がその後も繋がらないまま「島のどこかにいるらしい」曖昧な情報だけを頼りにどう彼と落ち合うべきか「いっそカモメ便でも試してみるか」と浜辺で止まり木の真似をしてみたりするのだが、結局カモメにおちょくられひとり途方に暮れているそんな様子を離れた場所からこっそり眺めていたらしいホムラ、出会いしなのふたりのやり取りはいつもそうしてからかい半分に声を掛けられた彼女が「無事を確認できたからもう仕事に戻る」などとつむじを曲げ彼が慌てて取り繕うというこの掛け合いから始まるのだなw

仕事に戻れば間もなく訪れる日没に乗じて「ガイアの封鎖線を突破するか攪乱する方法を考える」なんて言い出す彼女に「EVERは誰の侵入も許さない」はずであり恐らく難儀するだろうが一方で「正しいかは分からないけど僕が信じている別の方法」があるためそちらに「一緒に参加しない?」というのがホムラの主張なのだけど、恐らく物凄く重要な前提をめちゃくちゃあっさりと述べているため一旦ここ整理させて欲しい←

まずはどうやら2034年臨空市南東の海底に露見したあの都市遺跡が「僕たちが暮らしていた場所」のようであり、とは言えそこは「リモリア文明の始まり」たる王都「鯨落都」とは異なる「周辺都市」の格付けで、さらに彼らの伝説によれば鯨落都はどこかのタイミングでリモリアから引き剥がされ今は「世界中どこの海にも物理的には存在しない」信仰世界のような領域であるらしい。
なぜ王都だけがリモリアから引き剥がされたのかその辺の詳しいエピソードについては「羅鏡の儚き声」のその後の物語と理解しておこうかな?

全体的にホムラの語り口や「海には秘密なんてない」などの発言から恐らく「忘却の海」やそれこそ「羅鏡の儚き声」にて描かれてきたあれこれは「海の起源神話」のようなものとして海に住む生き物たち全てに語り継がれているようなニュアンスで、海の民であるリモリア人たちも生まれながらにしてこれを信仰している、という話なのだろうと思う。

つまりホムラは今たとえるなら旧約聖書創世記「エデンの園」に登場する神や人間がまさか自分や彼女の前世であるなんてことは露ほども思わないながら現世「救世主」のような位置付けで信徒たちを導くイエス・キリストのような役割を担っているのではないかなって。ただし「エデンの園」は人間の犯した罪により元は地上と陸続きであるはずのそこが永遠に帰れない領域となってしまったため信徒たちは死後「新しい神の国」の降臨を待つことになるけれど、彼らの「鯨落都」は楽園そのものが追放される側になっているためリモリア人たちは死後「そこへ帰れる」という思想になるのだろうね。

すると一見「前世の記憶を持っている」風だったこれまでの彼の言動も全て「言い伝えに基づくものだった」と解釈し直しておいた方が良さそうな。彼女については外伝でちらり描かれた幼少期に浅瀬で座礁しているところを助けられたあの時点で「僕を呼び覚ましたのは君」だと確信し契約の象徴たるウロコを渡していたりするけども、こちらも「海神とは信者や花嫁によって力を呼び覚まされる」みたいな何らかの伝承が念頭にあって「じゃあ君が伝話にあった僕の花嫁なんだ」とうっすら理解した程度のレベルだったのかも知れない?

これらを踏まえたうえであの「レリーフの断片」は本来ならこの海底のものではない「鯨落都」にあるべきものであり、それを察したビロノのリモリア人たちはすぐに海へ潜って調べに行ったのだと言うが、そこには確かに「どの文明にも属さない建築物」が海底から現れてはいたものの近付くことも触れることもできなかった、恐らくこれはセイヤからの流れで「星の移植」に限りなく近い「鯨落都の磁場の一部が切り取られ地球に顕現し始めている」ような状況なのだろうとは思うけど、正直いつも不思議なのはどうしてガイアがずっとしつこくそれを狙い続けるのかというところなのだよね。

文明の中枢たる鯨落都ではないにしろ「周辺都市」を襲撃し「研究サンプル」を持ち帰り「遺伝子抽出比較センター」に回して細胞の培養までしておいてさらに何が必要なんだろう。ホムラの話を聞いてるとまるで「珍奇な宝物」をざくざく手に入れてお金儲けにでもしようとしているかのように聞こえるが、ガイアが求めているのはあの「深空信号解析室」にて得られた情報を元に「地球の大掃除」を生き延びる手段でしょ? もしかして今顕現し始めている鯨落都は海神祭の前夜に彼女が夢で見た「潜行者ホムラに抉り出された彼女の心臓」の中に輝いていたあの不思議な水晶がワンチャン格納されているのかも知れない砂漠の鯨落都ってことなのかな。

いずれにせよガイアの連中はもう3日もここにいて必死に鯨落都を捜索しているがもちろん全く成果はない、鯨落都へ入るには「もっと神秘的で古典的で敬虔な方法」たる「伝説に語り継がれる素晴らしい儀式」が必要なのだとホムラは言うけども、これがあらゆるサイドストーリーにて繰り返し解説されてきたあのリモリアの葬儀「海月の儀式」なのだね。

魂の帰る儀式

車で島を南へ半分ほど横断したところにある断崖でふたりを出迎えてくれた「ホムラの執事」を名乗る年配の男性はどうも彼女が「ホムラと一緒に異国の半島を訪れたある夏の日」町角の骨董屋で店主をしていた人物らしいんだが、これもカイトやイズミのパターンできっとわたしが未所持もしくは未読の思念ストのいずれかにそんな場面があったのだろうな。何も知らないわたしは「ホムラに執事がいたこと」に今たまげてる←

当時は素性を明かすことができなかったが今は本当の身分で彼女をもてなすことができるようになったので自分の経営する島の民宿で「今夜はお休みになってください」なんて言ってるが、異国で古美術商を取り回し孤島では宿泊施設を切り盛りして本人はのんびりお茶をすすっているようなこの雰囲気、アンティーク好きの娯楽が転じてベンチャービジネスを牽引するやり手実業家のようなおじいちゃんだな(愕

崖沿いの小道を辿り海岸へ降りると白い衣をまとった複数のリモリア人たちが海辺で貝殻の小舟を飾り付けており、その中に腰掛けて花に囲まれた「シャンおばちゃん」は死を前にして穏やかに笑っているのだと言うが、リモリア人にとって何より苦しい死は「陸で肉体を失ったために魂が胎い骨に閉じ込められたまま海へ帰ることができない」死であって、海月の儀式により迎えられた死は彼らの歌と祈りが肉体を海に溶かし命を別の形へと導いて「やがて魂は鯨落都で再会できる」ものと信じられているのだそう。

間もなく月は天頂に昇り、舳先に結ばれた花束にホムラが優しい炎を灯すと花びらは星のような光を帯びて一斉に開いていき、澄み渡る伸びやかな歌声が高らかに広がると呼応するようにして波が立ち船は進み始め、さらに彼が海水をすくうように手のひらへ載せた花びらから生まれた水のような光の粒が小さな魚の姿となってまるで進む先を静かに照らすように船を導いていく、と言うが、いやはや改めてリモリアってめちゃくちゃ世界観あるよねぇ。全部が神秘的だけどまずこの曲を聴くだけで彼らは神の民なんだなってなんか思わされてしまうわ(溜め息

こうして見送られた「シャンおばちゃん」は本当なら儀式まではまだ日にちがあったのだと言うが、鯨落都が海底に現れたかも知れないと聞いて待ち切れず「そこへ帰る道がまだあることを自分の手で確かめたい」と日取りを繰り上げたのだそう。
実は千年前には確かに鯨落都へ辿り着くことができたリモリア人というのが存在したはずなのだけど、長い歳月の中で今は「夢のように手の届かない慰め」に変わってしまった、というホムラの言葉がとても印象に残ってる。
それこそキリスト教の秘跡は「目に見えない神の恩寵や救済を感じるための回路」として儀式そのものに意味があるけども、彼らにとっての海月の儀式は本来「目に見えない死後の行き先を感じるための慰め」ではなくて「目に見える救済が実際に作用する場」だったのだね。
シャンおばちゃんを乗せた貝殻の船が本当に鯨落都へ辿り着くことができれば「潮が彼女の反響の声を届けてくれる」そうであるが、それを受け取ることができれば長らく「慰め」となっていた儀式はようやく現前する「効力」を取り戻すことができるのだな。

伸びた触手

翌朝「追波島のグルメランキングで常に上位にいる」らしいアンティーク調の民宿の食堂で朝食を選びあぐねていた彼女、メニューの最後のページを開いて何やら魚の干物が空を仰ぐような姿勢で丸いパイにたくさん刺さっているのだというなんとも不気味な見た目をした「リンクウゲイジー・パイ」なる一品を指差し「ここの名物だから」と勧めてくるホムラに「でもどんな味がするのか」さらに決めかねているところへ窓辺からひょっこり現れたアランが「それはやめておいた方がいい」と小さな声でアドバイスをくれたりするのだが、えっめちゃくちゃ美少年じゃないのアランくん。これで「見た目はそこそこ」だなんてビロノ市立中学校とはどれほど美男美女揃いなのだ(倒

リモリア人には潮の声が聞こえてくるらしい満潮の時刻になるまで「シャンおばちゃんの反響の声は本当に届いてくるのか」じっと待っていたら息が詰まってしまいそうだというアランに「どこかへ出掛けるなら一緒に連れて行って欲しい」と頼み込まれたふたりは一緒に食事を終えると連れ立って賑わう町を離れ海岸沿いをしばし散歩することになるのだけど、ふと観光客と思わしき人だかりが写真を撮っている「噴水」に目をやると中央にある彫刻の一部が妙に突き出した状態で複雑な模様と奇妙な造形をしており、明らかに本来の姿ではないと分かる見た目に変形しているのだろうそれが「磁場の異常によりどこかの時空から実体化した物質の一部がもともとの彫刻と重なっている」ものと訝しむ彼女、ホムラも一目見てそれが「島のものじゃない」ことに気が付いたらしい。

噴水の裏側へ回るとひとりのリモリア人彫刻師が「異形」となったその部分をパテ埋めし「元の保守的なスタイルを打ち破れるチャンス」だなんて言いながら新たに何かを彫り刻もうとしてるんやが、この人がこの噴水の作者なのかな?
ホムラは「これが鯨落都から伸びた触手だと君も気付いてるんじゃないか」とズバリ単刀直入に問うてみるけれど、そうであろうとなかろうと芸術そのものには関係ない、かつての自分は「リモリアの失われた至宝を見付けること」が「そこに辿り着けること」と信じて芸術の道をひた走っていたけども、今となってはこの「異形」の部分のごとくそういう「秩序」のような枠からはみ出すことこそが芸術であり自分という命が生き続けるための基盤だったのだと気が付いた、海の中で自由な魚として「簡単には止まれないのさ」と特大の芸術論を繰り広げられる。

するとそれらの発言がまるでかつて一族の生存のためにリモリア人たらしめられ命の最後の数日間でようやく自分自身に戻ることができた「僕のおじいちゃんみたい」だと感じられたらしいアランが「ホムラお兄ちゃん」にも彼らのように「死ぬまでに叶えたい願いはあるのか」と尋ねてくるそんな場面で今章は締め括られているけども、なるほどホムラの物語もまた彼自身の「選択」が追及されるような展開が待っているのだな。

まあ「偽りの信仰」を相手取り聖戦を貫かんとするセイヤは聖ミカエルのようであくまで「人」の立場ですからね。ホムラとはまるで旧約聖書創世記「エデンの園」に登場する神が自分自身とは知らずとも現世「救世主」のような位置付けで信徒たちを導くイエス・キリストだなんて先に述べてしまったが、そんな彼が「自分自身の選択」を「見付ける」ことすら難しいだろうに「下す」ことを迫られてしまうなど「さあ苦しみ抜け」と言われているようなもんである。

それで言うとホムラよりもっと預言者イエスに違いないレイの選択は始めから振り切れていたなってつくづく思う。秩序と法則の神として世界から「変数」を取り除きその「終焉」を見届けるというまさに聖書で言う唯一神ヤハウェのような神格でありながら人知れぬ沫雪「保護の雪」を降らせ「変数の生きられる世界」を本来の世界とは切り離された別の場所にああして創造してきてたってわけでしょ? しかも神に祝われし新章「永遠の郷」においては彼女を石で蘇生させてまでそれをしようとしていたし、その代償なのか半神半人となるも結局その鋼の意志は揺るがず今度は神の決定を覆し、人となった今は神言者という神の召命をシカトして無神論者呼ばわりまでされてるだなんてさ、まじでパンクロッカーみたいなイエス・キリストだなって拍手したくなるくらいw

ホムラがレイとも違うのは彼が同じ神でも秩序ではなく自分の民と聖地を守る「土着神」であるという点だよね。守るべき人や離れられない土地があるのに勝手にパンクロッカーにはなれないからな。アランは彼が「海神の選択」を背負っているために「自分の選択」を持てないのだろうことを心苦しく思っていたけども、ホムラの葛藤は「本当はどちらも彼自身が心から選び取りたい選択肢」だからこそ生まれるのかも知れないね。あるいは「その二択しかない」ことが彼の悲劇とも言える。羅鏡の儚き声では「いつも潔く別れを決断できないところに彼の魅力がある」だなんて語ってしまったが、魅力と言うのはあまりにも薄情だったなと猛省しているところだよ(深

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