恋と深空のんびり考察プレイ録

恋と深空のんびり考察プレイ録 - 空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

ご質問を賜りまして

突然ですが本日まずはこのようなわけ分からんブログにいいねやコメントを送信してくださる皆さんにお礼を申し上げさせてください。本当に心優しくて恐れ多くて申し訳なくなるくらいありがたいたくさんのメッセージを心からありがとうございます。中にはとにかく絵文字たっぷり想いを叫んでくださる方やおもしろ一言を投げてくださる方もいらっしゃり、もちろん全部ありがたくスクショに残し家宝にさせていただいております。涙

そして2月9日に「神話を学ぶのにおすすめの書籍」についてご質問くださったハル様、わたしなんぞが生意気にあれこれお答えさせていただくのも大変おこがましいのですが、せっかくこんな風に大変貴重なお時間を割いてとっても丁寧にコメントくださったのでせめて何か少しでもお役に立てるようなことがあればと思い至り、今夜この場を借りてぜひお返事させていただければと筆を執らせていただきました。

すみません早速自分語りになってしまうのですが(やめて、大前提わたしは古代神話については思想の流れや歴史の文脈としてざっくりと教わるようなごく最低限の神話構造や地理と時代を把握しているというだけで、神の名前や性格、家系図やエピソードの順番みたいな細かい部分に関しては一般教養にも満たないレベルでございます。
学生時代を思い返してみるとたぶん比較神話あるあるなのですが、思想史は抽象思考型で神話を「物語」ではなく「概念」として理解することになるので「誰が誰の息子で誰と結婚して不倫して星になった」みたいな具体的で断片的な情報になると途端に「人名テストのようになって身に入らない」という現象が起こり、反対にあらゆる神話の家系図や細かな展開・結末を広く網羅している人ほどそれぞれが教義的に何と呼ばれる構造なのか何世紀どんな出来事を経て何民族がどの大陸に持ち込み中世や近代どの思想家の提唱する何主義に影響を与えたかそんな話は「世界史の授業みたいで気持ちよく学べない」という現象に見舞われていたりして、二分化すると対極に見える両者のうちわたしは前者の道をひた走るオタクになります←

そんなわたしが「おすすめ」と感じる書籍が果たしてせっかくいただいたご質問の意向に沿ったご提案になるのか不安に打ち震えておりますが、それでも「こやつに聞いてみよう」と一瞬でも思っていただけたことが何より嬉しくありがたいので全力でご紹介させていただければと存じます(深

神話を学ぶのにおすすめ書籍

月本昭男『旧約聖書の世界』

個人的には神話は地中海東部「メソポタミア文明」から始めるのがいちばん分かりいいと思ってます。いきなりギリシャから始めると体系が巨大すぎて迷子になりますが、メソポタミアは都市国家と神殿経済が直接神話と結び付いているため構造が明確で、さらに西にエジプト、北にヒッタイト、そして東にペルシャ帝国が、南にはアラビアがあり、四方の神話・神名・宇宙観が「輸出入される中継地点」になっているため後世の神話に繰り返し現れる「原型パターン」がこの時点でほぼ出揃っています。わたしは世界地図でざっくり位置を把握しておくとより頭に入りやすかったです。

そうしてあちこちに生まれ始めたあらゆる古代神話の断片をまずは「一冊の歴史書」として捉えるのにもっともおすすめなのが月本昭男教授の『旧約聖書の世界』です。古代オリエント世界の中で旧約聖書が成立していく様子をシュメール神話、バビロニア神話、カナン神話との関りに触れながら解説してくれているので神学に寄り過ぎず、あくまで「出来事」として「地理」と「時系列」で並べて紹介してくれているようなイメージです。

関根正雄先生の『旧約聖書思想史入門』も思想史として分かりやすいですが「契約思想」「預言者思想」「一神教の成立」とちょっと聖書に寄ってしまっているのかな。もし良ければこちらも併せてご検討くださいませ。

松村一男『世界神話学入門』

『旧約聖書の世界』をざっくり把握した状態で『世界神話学入門』に進むと今度はメソポタミア神話、カナン神話、ギリシャ神話、そして聖書神話の「構造的な部分」を「比較視点」で明確化できます。ここまできたら西はエジプト東はイラン・インドまで横に広げて学び始めても「うえっ、なんかわけ分からん」とはならなくなっているはず。ひとつの説話を全集中で徹底して解説されるより個人的には本書のように「同じ時代」「近所の話」を横断的に解説してもらえた方が理解がしやすかったです。

阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』

この先はもしご興味があれば中国神話の方へ足を延ばしてみるのもいいかなって思ったりもするのですが、あまりに漢字が多過ぎることと神話と言うよりほぼ哲学だったことにわたし自身が挫折した経験があるためまずは「有名どころ」であるギリシャ神話から深掘りしていくのもありかなと思います。

阿刀田先生はズバリ作家さんなので思想史は浅めですが、物語として主要エピソードを解説してくれていてとにかく分かりやすく読みやすいと思います。わたしはこの著書で「ギリシャ神話」と一口に言っても大きく5つ「宇宙生成からオリュンポス十二神の起源神話」「アルゴー丸遠征隊の伝説」「英雄ヘラクレスの伝説」「カドモス建国とテーバイの伝説」「パリスの審判とトロイア戦争」にチャプター分けがなされていることを知りました。

分かりやすさに振っていて本当にかいつまんだ小話の紹介になっているのでここから「ご興味のある部分」「深めたい部分」を選んでさらに調べてみるのも楽しいかなって思います。

ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』

大学時代とある難読キリスト教文学で小論文を書くことになり、ある程度のギリシャ神話の知識がなければ読み解けないと聞いて慌てて履修したのがこちらです。わたしがもっとも苦手とする「誰が誰の子で誰を殺し誰と結婚したか」みたいな具体的で断片的な情報が一瞬で分かるほぼ全神話を網羅した「ダイジェスト」となっており、系譜・出来事が超コンパクトに列挙されている神話要約集、物語性はなく心理描写も情景描写もないデータベースのような一冊になります。決して「ギリシャ神話を好きになる本」とは言えませんが、研究や参照にはとても便利。求めているもの次第ではもしかしたらこちらがベストな入り口になるのかも知れないと思い最後にご紹介させていただきました。

だいぶ偏ったラインナップになってしまいましたが、せっかくご連絡いただいたのだから「神話を学ぶのにおすすめの書籍」とググってもあるいはAIに聞いてみても恐らくは出てこないような「わたしだからこそのおすすめ」をお伝えできればと思いこのようなありさまとなってしまった次第です(余計なことをすな

改めましてわたしなんぞにご質問くださって本当にありがとうございました。何かひとつでもお役に立てるようなことがあれば幸甚至極に存じます。涙

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