空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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砂に沈む遺跡

こちらは本編8章「蟻の巣」で行われた「狩猟日」の前日、たぶん主人公ちゃんがPhiloでセイヤやキノアと偽の身分証明書を作ったり演技指導を受けたりしてわいきゃい過ごしていた一方その頃のホムラくんのお話ですね。

いやぁ今回わたしは改めて自分の視野の狭さを痛感しましたよ。正直7章くらいまではとにかく諸悪の根源は暗点なのだと決めてかかってたし、彼らに殺害されたバスローブの男性がEVERグループの子会社で研究員をしていたことから逆にEVERは時に被害者のようなポジなのだと思い込んでいました。本当にやばいのはEVERの方なのね。

アプリの用語集で確認してみるとEVERグループはバイオテクノロジーの分野からスタートし現在は宇宙科学や新Evolエネルギーなど幅広い分野でトップをひた走る国際的な大企業であると解説されているのだけど、恐らくこれは「裏」や「闇」の付く実験や研究で立てた殊勲であり、また彼らはそういう「知られてはならないもの」を徹底的に隠蔽するために汚れ仕事だけを請け負う工作員を「ホワイトグローブ」として雇い自分たちの手を汚さずに「知り過ぎた人を抹殺」しているもよう。

EVER上層部はこの知り過ぎた人たちや功績を挙げるのに邪魔な人物を「執行リスト」として優先順に並べており、ホワイトグローブ工作員は定期的に「ある人」から誰かの暗殺を命じられるのだけど、今回レインウェアを着たある工作員にホムラが接触、「執行リストを管理する上層」と翌夜に蟻の巣で落ち合えるよう取り計らってもらってるんで、8章ラストに登場したあのEVERの社章を付けてた男性がそれで間違いないのでしょう。

ちなみにこのレインウェアは恐らく何人かいる他の工作員たちよりもやや「キレ者」ですね。
このストでは最近臨空市で注目を浴びている新進気鋭の映画監督「イーサン」の所持するスマホ内データを削除し端末を海に投げ捨ててから持ち主を始末するという仕事依頼を受け、眠らせたイーサンをロープで縛り車のトランクに詰めてひと気のない港にやって来るのだけど、「本来であれば一般人には手を出したくない」「そうすることで長年リスクを回避してきた」といいます。

削除するよう命じられていたデータも突然現れたホムラがスマホをEvolで燃やしてしまう前に抜かりなく全て中身を確認しているし、また確認中は誰かが近付けば直ぐに気付けるよう海に背を向けて立ち港そのものを視界に入れていたのに陸から海に突き出した細い埠頭の先から不意に近付いてくる人の気配と潮の香りでそれが「海から来た」であろうことを瞬時に理解し「ホムラか」って呟いたりもする。

「汚れ仕事をし過ぎると手袋は捨てなきゃいけなくなる」「僕と組んで逃げ道を確保するのはどう?」というホムラの提案には、確かにこのイーサンよりもはるかにEVERの内部事情に詳しい自分はいつか彼らに始末されるし聞いておいて損はないと判断、ホムラの要求が「EVERの執行リストにとある女性の名前があったら彼女に関する一切を僕に処理させて欲しい」というものだったので、じゃあいっそ仲介しちゃおう、同じくリストに名前が載ってるホムラを紹介できればEVERにとっても有益だろう、って決断も賢明だと思います。

何より「あなたもリストの6番目に載っていますが」と伝えたときの「なんだそんなに後ろなのか」「いちばん上だと思ってた」なんて心底どうでも良さそうなホムラの反応を見ただけで過去に他の都市で騒がれた「セイレーン殺人」の噂や最近奇妙な死に方をした人がやっぱり彼の手によるものなのだと確信し、またEVERグループが「研究サンプル」と呼ぶ「リモリア人」を以前自分も「処理」したことがあることから「あなたも執行リストを持っていますよね」「私は何番目ですか」って尋ねる危機管理っぷり。

恐らくいちばん話が早いだろうってことでこの工作員を目掛けてやって来たと思われるホムラはEVERの組織図や役員名簿だけじゃなく全キーパーソンの動きや思惑をなんとなく把握しているし、こうやって自分のリストを消化するのは秘話で明らかになったあの「リモリアの事件」の復讐なんかじゃなく、こうしてる間にもEVERの手によって一族の生存者は次研究サンプルになり故郷である海底都市は荒らされ続けている、取り敢えずそっちを先になんとかしないと海神の心とか言ってる場合じゃないってことなんだな?

深空学会

映画監督イーサンのスマホに残されていた録音データはすべて彼が次回作として構想中だった「リモリアを舞台にしたファンタジー映画」の題材収集に行なった各取材の記録だった。
始めはなんの気なしに「最近リモリア遺跡の調査に赴いた」という深空学会考古学チームを訪ね実際に海中はどんな様子だったのかそれを見てどんなことを感じたのか学者たちにインタビューをして着想を得ようと考えていたのだと思う。

ところが実際チームメンバーとして「調査船」で現地へ赴き「ずっと船の上で書類整理をしていた」らしい助手にアポを取り話を聞いてみると、「潜水艇」で海に潜った学者たちはなぜか全員調査記録をひた隠し、改ざんや削除が「規定違反」とされているはずの映像データまで丸ごと消されていたうえ、最終的に全員が学会を退くか失踪してしまった、と言うのである。

潜水艇で海底遺跡の調査をしたのは深空学会幹部を含む4人のメンバーであり、海中では考古学チームが建設した基地に滞在できることから水中作業は約2週間の予定でスタート、船上では潜水艇からの連絡信号を常に受信していたため彼らが順調に調査を進めているであろうことを誰も疑わなかったが、最終日に突然連絡が途絶え丸1週間も消息不明となったのちようやく浮上してきた、ということで、恐らくその間に「何か起こったのだろう」と推断する助手。

これについてイーサンは「リモリアをモチーフとした映画ならファンタジーではなくサスペンスにするのがいいのかも知れない」というようなメモを残し、潜水艇メンバーの中で唯一連絡が取れた「ヨウ」という元教授に取材アポを取る。

青い魚の群れ

ヨウによれば潜水艇は海中に潜った直後強い乱流に遭遇しナビと通信機が故障、進む方向も勇気も見失いただ広い海を漂っていたそうで、「連絡信号を常に受信していた」という調査船側の話とは大きく食い違っている。

ただ、全てを諦めてようとしたとき突然奇跡のように青い魚の群れが目の前に現れ船を遺跡の方へと導いたと言い、それはたとえばリモリア文明のテクノロジーだというような無機的な冷たいものではなく自身の感情や考えを持つ本物の魚の群れであり、ヨウは本能的にこれが「リモリアの使者」であり「助けに来てくれたに違いない」と感じたそう。

魚の群れは調査中もずっと船に寄り添い、ヨウにとって彼ら海底の生命は道しるべであり、灯台であり、仲間であり、精神的な支えでもあったと言うが、やはり思い返すと幻のようでどこまでが夢で現実なのか分からない、と困惑したような様子。

そこからは記憶が曖昧なのか秘めておきたいのかとにかく「覚えていない」と言い、ただぼんやりと考古学者の仲間ではない、でも自分たちと同じ服を着た誰かが遺跡の中に居たような気がする、と述べている。
これ「同じ服」ってのは考古学チームの制服とか作業服とかそういうことなのかな。

コア武器

ここまでくると乗りかかった舟でありついに真相が知りたくなってしまったらしいイーサン。あれこれとメモを残しながら「削除されていた」という海底の映像データを復元しようと奔走したり、失踪したメンバー同士のやり取りが残された各種ログを収集したりしている。

映像に関してはIT企業に勤めるサラリーマンである友人に協力を仰ぎなんとか「画像1枚だけ」抽出することができたようで、「これがヨウ教授の言っていた彼らと同じ服を着ていた人物なのか」「これは骸骨ではないか」「手にはコア武器のようなものを持っているが今から10年ほど前に誕生したものがなぜ古代リモリア文明の遺跡にあるのだろう」的なメモが残されてる。

最後に「深空学会とは距離を置いて2度とリモリア関連のものには触れないようにしよう」「海底でもずっと監視されてたじゃないか」「ヨウ教授は純粋だからリモリアの神様だとか言ってたが背後にいるのはEVERグループだ」「うちらはコア武器とは無関係なのに」「命が危ない」というようなメンバー同士のやり取りを確認し、イーサンは「失踪した人たちは本当にEVERグループに始末されてしまったのか」って結論したみたいです。

これらのメモや取材時の録音データを全部確認し終えたレインウェアは「確かにここまで知ってしまったら執行リストに載ってしまうのも頷ける」って言うんやが、そうなん…? いやわたしがイーサンだったら正直「EVERグループに始末されてしまったのか」って結論には辿り着けないしなにがなんだかよく分かんないんだけど(アホ

要は考古学者たちが学問活動において遺跡の内容を記録するために潜水艇で海底に潜ったら「自分たちと同じ服を着た骸骨」がその手に「コア武器」を持った状態で遺跡の中をうろうろしてた、みたいなことなんだよな?
いや人間が生身のまま水底うろついて骸骨になってることがいちばん怖いし謎だけど、そもそもなんでコア武器を持ってたら「背後にいるのはEVERグループだ」ってことになるんだっけ?←

確かにEVERはリモリア人を研究サンプルにしているしワンチャン深空学会の理事や役員の中にも何やらEVERの息がかかった人たちがいそうなので、たとえば本編7章ホムラくんが言ってた「珍奇な宝物」を乱獲するために遺跡を占拠してるのかも知れないし潜水艇メンバーの言う「ずっと監視されてた」ってのは事実なんだろうが。
「絶対にEVERだ」って何かを確信してるような人が居る一方で「同じ服の人がもうひとりそこに居たような気がする」なんてぼんやりしてる人が居るのもなんか不思議。

この骸骨は研究サンプルから遺伝子操作とかされて「人間がリモリア人になれるのか」実験でおかしくなってしまった考古学者の成れの果てだったりして…(そんなわけ
単純に「あのリモリア事件」に関わっていたのが実は学会でその痕跡を見付けちゃった、みたいな話なのかな?