空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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無主の地

こちらはシンが災変後のN109区へやって来る直前どこで何をしていたのか、またどのようにしてあの「バイクに革ジャンスタイル」となったのかを描いた物語になっています(ちがう

物語の舞台となる宇宙は、個人的にはセイヤやキノアの故郷指間の流星におけるフィロスの宇宙にかなり近い印象で、たとえば星そのものが大国のような位置付けにあり星には王のようなポジに就く人がいる、星を行き来して宇宙をパトロールする追光騎士団に似た「星間刑事」なる職業がある(兄妹弟子の師匠はしょっちゅう飛び回ってたが星の来処キノアは元精鋭先遣部隊のくせにイチャイチャごっこでは「星間移動部隊」と口にしたりするのでもしかしたらそういう名前の専門部隊があったのかも)、そして最終的に船のナビゲーションにより「目的に該当する行き先」として「巨大な磁場の渦によって一帯が永遠の闇となっている場所」であるらしい「本編時間軸におけるN109区」を提示されたことでシンはここへ来ています。

つまり彼は惑星間に加え「別宇宙間も自由に移動できる」ということ。

確かにキノアが「セイヤだからこそできた」かのように語っていたのはあくまで「ロールバック」についてであり、たとえば埃の中レインウェアがロールバッカーに「俺はご先祖様だぞ」なんて吐き捨てているようにその本体は「時間軸を移動する」こと、そうやって未来から過去へやって来たのは今のところ彼らに限るのかも知れないが、「別宇宙間を移動する」のはまた別の話、少なくともシンが元いた宇宙においては「ごく当たり前の技術」だったりするのかも知れん。

いや冷静に考えたらそりゃそうだよな。全ての宇宙が同じ速度で科学や技術を発展させていくわけじゃない。深空にはたくさんの宇宙にたくさんの星系がありたくさんの人たちが暮らしているのだから、むしろ現時点でそれを知る術をまだ持ってない気付いてないのは本編の地球だけなのかも知れない、まである。

そうしてあらゆるテクノロジーが飛躍的に進歩した先進的宇宙から何か目的を持った人たちがやって来て、たとえば臨空市に秘密裏に電波塔を建設したり、それこそ天行市を空中に飛ばしたりしてたって何もおかしいことはない。

逆に何を根拠に全宇宙をこの地球基準の技術レベルでざっくり把握したつもりになって「そういうのはもっと未来の話」だと決めつけてたんだわたしはw

星間指名手配犯シン

シンは元いた宇宙において「フィロス星史上もっとも高額賞金が懸けられた星間指名手配犯」であり、過去「時空監獄」からの脱獄に成功した唯一の男として常に「星間刑事」たちに追われる身ではあるものの、恐らく一切太刀打ちできないまるで歯が立たないことから多くの刑事たちが彼の再逮捕をほとんど諦めているような雰囲気である。

とりわけ熱心な新人刑事「ロウハ」は、ベテラン刑事たちからの忠告もそこそこに、かつて彼を時空監獄へ送り込んだ者がいるなら自分にだって不可能ではないはずだと闘志を燃やし、まるで手の届かない夢であるかのような伝説の凶悪犯シンを長いこと追い掛けているのだが、どれだけ厳重に敷かれた警備も入念に仕掛けられた罠も「触れただけで壊れてしまう蜘蛛の巣」のようにあっけなく破ることができてしまうシンは、そうして「自分を捕えようとする者がいること」など気にも留めていないようだった。

シンは目も当てられないほど凄惨な数の「拷問」や「殺人」の現場に痕跡として「ブローチ」を残しており、あまりのおぞましさに共に事件の真相に近付いた刑事たちの中にはひどい精神錯乱状態に陥り離職したものまでいたほどである一方、善良な星間住民に危害が加えられるようなことはなく被害者は決まって「迫害者」や「搾取者」など裏で悪事に手を染める者、シンの犯罪によって地獄のような血だまりが生まれるその陰に実は「救済される弱者たち」がいることにもロウハは薄気付いてる。

シンが現場に残してるブローチはやっぱりあの「カラスのブローチ」なのかな?
まるで誰にも裁くことができない悪の「粛清が完了しました」ってサインのようでもあるが、「裁きのハヤブサ」とはむしろ彼の異名でもいいくらいだ。

天羽星

別名「Dri-Lar-404」。なんとなく雪まみれの階段ラストシーン「生命維持カプセル」の被験者の左胸に咲いていた黒い結晶のかたまりが思い起こされるが、恐らくそういう「反道徳的なものに侵食されてしまった何か」を連想させる目的でこの名が付けられているのではないかな?

天羽星の「惑星主」は星から毟り取った希少な資源や財産を壟断、配下に抱えた「領主」たちを動かしてはひたすらに寇略、強奪、乱妨を繰り返す薄汚い独裁者であり、搾り上げてきた富に埋もれながら「バースデーパーティー」と称してさらにせびり取らせた財を献上させる催しを計画しているのだけれど、そんな卑劣な拝金主義者たちの船の一隻をジャックして惑星主を訪ねてくるシン。

シンは惑星主が命乞いに「隠し持っている財をあれもこれも譲ろう」と口にするのを促すようにパーティーの開催までじっくりと時間を掛けて彼をいたぶっていくんやが、とは言えその下劣な男が本当に希少価値の高い宝についてはこの期に及んで「まだ口を割っていない」ことも見抜いており、言わずもがなシンの目的は「全ての横領品を持ち主の元に返すこと」なので、この容赦のない責めさいなみはしばらく続けられることとなる。

数日にわたる監禁と精神的脅迫によりまともな状態でなくなった惑星主はまるでシンの「おもちゃ」であるかのように彼に弄ばれ、それを目の当たりにした領主たちもまた同じようにシンに迎合する他ないと悟り始める。
冒頭シンが船をジャックするシーンである領主が「お前は惑星主様の能力を知らない」と負け惜しみを言ったりするのだけど、恐らくこの惑星主はもちろんシンを前に手も足も出ないのだろうが本来そこそこ脅威的なEvolverではあったんじゃないかな。

そうして懲罰房のようになったバースデーパーティーで追い詰められた領主たちは、これ以上差し出せる財産がないなら「目に見える富でなくてもいい」「貴重な情報は生き延びるチャンスをもたらす」というシンの一言にまるで堰を切ったように、「こいつはまだ財産を隠し持っている」「あいつこそ嘘をついている」と我が身可愛さに互いを貶め合い暴露大会を始めるのだけど、一通り耳を傾けた後いよいよ見切りを付けたらしいシンは、この醜い臆病者たちの結末をついに「運命」に委ねることにする。

と言うのも、惑星主は絶滅危惧種である「獣」を人工庭園に設営した要塞に捕え狩りや惨殺を繰り返していたようで、シンは「獣の行き着く場所は檻じゃない」と序盤からこの行いをことさら嫌悪している様子だったのだ。
そうして長く囚われ虐げられていた彼らにどれだけ「本能」が残っているのか気掛かりではあったものの、ゆっくりと庭園に踏み入り、こちらを捉えている双眸に「いちばん欲しがってるものを見せてくれる」というその目を合わせてみるシン。
すると獣たちの中にたちまち「自分たちを狩るもの」への「復讐の欲」が湧き上がり、あとはシンが手を加えるまでもなく惑星主領主もろとも彼らに食い殺され、一帯は血の海となり、例によって「ブローチ」だけをその場に残しシンは星を去った。

この出来事は後日天羽星「血の夜」事件として星間刑事たちの耳にも入ることになり、現場資料にブローチを見付けたロウハだけが「これはシンの仕業に違いない」と声を荒げるのだけど、「いくらシンでもたったひとりで惑星中を略奪するなんて無理がある」と結局有耶無耶になり、一方シンは「微かな青い光が流れる透明な球体」だけを自分の取り分とし、残りの財は全て本来の持ち主のところへ、何やら連絡を取り合っていた「協力者」に依頼して人知れず返還して回ったようだった。

エーテルアイズ

領主たちが命惜しさに互いにひた隠している財について暴露し合う最中、シンはある領主が「惑星主こそエーテルコアを隠し持っている」「北落山脈の地下倉庫に隠してるエーテルアイだ」と洩らすのを思いがけず耳にして、「ずっと探し回ってきたものの手掛かりが意図せぬ形で手に入るとは」「まるで冗談のような瞬間だ」と密かに高揚感を覚えているような場面がありました。

「血の夜」の後シンが実際その地下倉庫に赴きエーテルアイを入手するところまでは描かれていませんが、次の目的地へ向かう船の中でホログラムの星間地図を読む彼の目が「エーテルアイズ」と表現されることから、恐らく彼は本来エーテルコアを「両目」に持った状態であるはずが過去何かに見舞われて片方の「エーテルアイ」を散逸させてしまった、もちろんどこに行ったのか探ってはいたものの同時に「悪の粛清」のようなこともして回っていたため今回こうして在処を知れたのは思わぬ収穫だった、無事取り戻すことができたために「エーテルアイ」は「エーテルアイズ」となった、的なあらましなんじゃないかと個人的には感じてしまったな。

どういう経緯でエーテルアイが散逸してしまったのかは分からないが、なんとなくシンが「時空監獄」なる場所に囚われる切っ掛けになった何か大きな事件がこれに当たる気はしてて、「監獄」と名が付くからには「大罪」を犯してしまったのだろうが、仮に2部2章主人公ちゃんの記憶の中の一幕が絡んでいるならシンは「彼女の命を守るために」それをした、とも取れる。

惑星主に虐げられた「獣」に彼がやたらと自身を投射させていたように見えたのは、それこそ彼は「獣人」で、かつてドラゴンの姿で主人公と共に何か大きな「悪」に立ち向かったがその悪はあまりにも世界に浸透し過ぎていて覆すことができなかった、悪に屈する形で彼は片目を失い監獄へ入ることになった、「獣の行き着く場所は檻じゃない」という彼のセリフは人工庭園の獣たちにも実は彼自身にも向けられていて、そんな獣たちが失ったはずの本能を取り戻し悪に報いる姿を見ることができるのか、という意味でも、最終的に「運命の手に委ねる」ということをシンはしてみたくなったのかも知れない(全て妄想です

ちなみにこれシンがセイヤと同じく「永生」で主人公ちゃんはうんと昔彼のいた宇宙に生まれてのちいろいろあって今ここ地球に転生してるテイで読んでるけどいいのかな?

しかしエーテルコアは臓器にINがデフォなのだな。神の心、神の目とくれば次は神の手になるんだろうが、臓器じゃないと急に野暮ったくなるため却下されたのだろう←

シンの右目

本編においてシンは自分の「目」あるいは「目の中のエーテルコア」について「こいつは人がいちばん欲しがってるものを見せてくれる」「その者が認めたくない欲が剥き出しにされる」と発言しており、確かに主人公は潜在的な「空虚を満たしたい欲」に駆られているように見えていたし、今ストにおいても獣たちは「復讐という欲」が剥き出しにされたように見えました。
しかし一方で惑星主はその「目」によって欲が剥き出しどころかそれを抑えつけられているようにさえ見えていて、他の領主も「操り人形のようにされる」ことを恐れてシンと目を合わせないよう必死に目を伏せたりもしてました。

「操る」と言えば「エネルギーコントロール」に近いのかも知れないが、仮に「赤黒い霧」と表現されるものがシンのEvolなら、たとえばそれは惑星主を椅子に縛り付けるために用いられていたり、相手の意に反して強引に腕を動かせば骨がポキッと折れちゃうような場面もあったんで、単純に物理的な物体のコントロール、ただし人間が束になってかかったところでどうこうできるようなパワーではない、「心まで操る」よりむしろ「心と裏腹に身体を動かしてしまうことができるもの」って印象。

もちろん惑星主は身体だけでなく精神も「未知のエネルギー」によってなぶられており、本意ではないのにシンに服従するような返事が口をついて出てきたり、自分がいつどうやってパーティーの席に着いたのかも分からないほど混濁状態にさせられたりもしているが、これにはたとえば「赤黒い霧」が身体の中に注ぎ込まれるような描写はなく、代わりに序盤に一度だけそのタイミングでシンの右目から「かすかな光が放たれる」んですよね。

分かんないけど、とりあえずシンのEvolは赤黒い霧であり物理的な物体のコントロールができる、エーテルアイズは(エーテルアイ単体の状態でも)欲を引き出すことができる、これとはまた別に彼の右目には人の心を操る力がある、くらいの認識でいようかな?

ちなみに5話冒頭シンは「連日大量のエネルギーを使い続けたこと」により「自分が制御できるエネルギーが上限に達している」「体内で見えない枷がこれ以上のエネルギー吸収を阻止している」と感じ、結果「惑星主や領主たちを拘束している赤黒い霧」の威力が少しだけ弱まったりもする。

このくだりはなんとなく1部4章制御できなくなるレイのEvolや来たる夜明けEvol消費量に応じて警告音が鳴るセイヤの赤い首輪なんかに類似点があるようにも見えるんでおおむねEvolの話をしてるんだろうとは思うんやが、秘密の塔の「氷裂症」を思い返すと少なくとも主人公のEvol共鳴は「自分自身の生命エネルギー」を消費するもので、むしろ「吸収」しているのは「蘇生のコア」の方だったんで、彼は体内のコアで「エネルギーを吸収」、Evolでそれを「消費」、さらに「制御」してるようなイメージなのかなって考えたりもした。

ちょっと自分でも何言ってるのかさっぱり(殴

次のターゲット

天羽星での一仕事を終えたシンが船の中で「次のターゲット」を決めるシーン、読解力なさ過ぎてそこだけ3回くらい読み直して結果まだ理解できてないんだけど(アホ過ぎ、たぶん取り分として拝借してきた「青い光が流れる透明な球体」と自分の「エーテルアイズ」を使って船室に展開されたホログラムの星間地図を光のパズルのように読み解き「見えた」と呟いた、みたいなことなんじゃないかなぁ(粒子とか波動とか言われると急に分かんなくなる人

エーテルアイズだからこそ何かが見えたのかも知れないし、とは言えこの透明な球体も秘密の塔主人公ちゃんの心臓に注がれたことで「アスタの力(万物を見る力)を手に入れた」ことになる「色とりどりの光が流れる水晶玉」が連想されるシロモノではあるため、何がどう働いて「見えた」のかは判然としませんな。
もしかしたら横領品の返還こそ協力者への建前でこちらが本当の目的だったかも?

出発の直前、何やら大量の宇宙船が「巨大なネックレスのように連なって」飛び立っていくのを横目に確認していたシンは、思いがけず知ってしまったエーテルアイの在処と合わせて「運命」を信じてもいいと思えるほど「完璧なタイミング」が訪れている、なんぞ考え至っており、彼にとって一体何が運命的で完璧だったのか、そもそもこれらの船が何者でどこに向かっていたのかも気になってる。

いずれにしろ次の目的地を割り出したシンは船を自動航行モードに切り替え船室にクラシックミュージックを流しコーヒーを飲みながら優雅に「暗黒星雲」を抜け、遥か彼方にある日の当たらない街「N109区」にやって来る。

まるで平和な繁華街にでもいるかようにのんびりと路地を歩いてるだけなのにどういうわけかやたらとチンピラに絡まれるシンは、どうやら12人目までは「暇潰しに」と相手してやったが13人目いよいよ疎ましくなってきて、「なんでこんなに絡まれるんだ」「きっと服装が現地の人間に見えないんだ」と結論し、現在の「バイクに革ジャンスタイル」を確立させたもよう。

「13人目」って数字もそうだし「獣に加勢してもらう」ところもますます黙示録のサタンを感じてしまったが、彼は別に「魔王」の位置付けで描かれているわけではなく単純にサタンをモチーフとしたダークヒーローっていうキャライメージなのだろうなって思ったよ。