空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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世を過ぎゆく

こちらの秘話はまだ見ぬ黎明のように本編の進行度に応じて開放されるわけでなく、星4思念の所持数に合わせて読めるようになるサイドストーリーです。
なので、たぶん定められた数量分の思念ストの内容をなんとなく把握してる状態で本来なら読むべきものなんだと思われる。

ただ、星4思念って収録ストが読み物ではなく音声ドラマになってるんですよね。バックグラウンド再生もできる仕様らしいんやが、わたしは声優オタクとしてシチュCDには敬意を払い礼節をもって接して参りましたので、なんや隙間時間に片手間に聴くようなそんな冒涜は絶対にできません。静かなところで全神経を耳に集中させリリックやスチルも確認しながらその世界に没入したいのです(きも

時間が作れたときにって思いながら、結局全部後回しにしちゃってるんだよな。「NEW」のマークも溢れ返り過ぎてもう誰のいつの何のNEWなのか←

そんな状態でこちらを先に読んでしまったためか、正直まだ咀嚼し切れてはいなくて、思念ストを履修してから改めてもう一度じっくりと読み直したいと思っているところではあるのだけど、いったん以下覚え書きです。

特殊部隊013小隊

この物語はワンダラーが出現する以前の臨空市で「特殊部隊」といういわゆる警察官のような職に就いていた頃のセイヤの、2032年初頭からの約2年間について描かれています。

支局からは「落ちこぼれ」の烙印を押され、街外れの古い建物に追いやられ、ほとんど資料管理のような仕事しか回ってこない「013小隊」という小さな支部に「5年振りの新人」としてやって来たセイヤは、熱意が空回り気味の隊長「ジョウ」のもと、士気が低くまとまりのない2人の先輩隊員たちと共に、日中は大量の紙資料の仕分け作業をしたり、夜の街のパトロールでは光のEvolを懐中電灯代わりに使ったり、してる。

かと言って特殊部隊らしい仕事が全くないわけではなく、実は臨空市と天行市の一部歓楽街に出回ってるらしい「Evol幻覚剤」という違法薬物の取り締まりや密売ルートを追ったりもしているのだけど、これまでに何度も犯人を取り逃してきたことから、あるとき本部より「次に失敗したらこの案件は別の隊に引き継ぐ」と、遠回しな解散通告をされてしまった。
この時点でコアエネルギーにより臨空市上空に浮遊する天行市が存在してるってことは「コア」ってやっぱ5章で見解した通りってことでいいんだよな? (しつこい

隊の存続を懸け、これが最後の任務となるかも知れないという想いで挑んだ潜入捜査では、いざアジトに突入すると、「セイジロウ」という偽名で「おとり」として先に紛れ込んでいたはずのセイヤが拘束された主犯と気絶する取り巻きたちの真ん中にひとり立ち、「何故かみんなが俺の警棒に勝手にぶつかってきた」のだと証言。

これ以降も隊員たちはどういうわけか目を閉じたまま猫パンチを繰り出していたらいつのまにか犯人をやっつけていたり、狡猾な詐欺師が突然泣きながら罪を自白し出したり、セイヤが暗がりを照らすとそこにはすでに怪しい男が倒れていたり、おかしな幸運が次と舞い込んで、「落ちこぼれ」だったはずの小隊はついに本部から認められ表彰されるまでに至った。

そうして1年が過ぎた頃、保管庫の中の書類がひとつ足りないことに気が付いてしまうジョウ。何十年も前に調査を打ち切られたような瑣末なものではあるが、何の気なしに調べてみると、人物照合資料庫には「すらりとした銀髪の青年の姿」が映った古い写真が1枚残されていた。

経歴を調べても絶対に存在するはずのない場所に今のままの姿のセイヤが居たなんておかしい、セイヤにはきっと何か大きな秘密があるはすだ、とジョウは悟ってしまうのだけど、その真面目な仕事ぶりであんなにまとまりのなかった013小隊をこうして再びひとつにしてくれた彼と、いつまでも共に邁進していきたいと強く望んでいたジョウは、「これについては深く触れない」ことをセイヤに約束する。

一方セイヤはこれを「離れ時」であると判断し、ある廃工場の爆発事故現場に気絶させた指名手配犯と自分の身分証を残してEvolで目くらましをした後、夜行バスに乗って忽然と姿を消した。
こうして特殊部隊013小隊員としてのセイヤは、表向きには2033年の冬に「犯人逮捕に単独で赴き殉職した」こととなった。

小さな痕跡

エピローグでは、2045年大晦日の前日、11年前の裂空災変で幸運にも被害を免れたという街郊外にある墓地を訪れたセイヤが、2033年没と刻まれた「特殊部隊セイヤ」の墓石の前に立ち、あれこれと想いを馳せるシーンが描かれる。

ここには何度か来たことがあるらしいセイヤ。墓の前にはいつも必ず季節の花が供えられていて、かつて自分の葬儀で抱き合って号泣していた先輩隊員たちの姿や、背を向けて目尻を拭っていたジョウの姿がぼんやりと思い起こされる。

セイヤはこうして必ず「終わり」を迎える多くの道を長年に渡り歩んできたため、それぞれの道に「大した違いはない」と感じるようになってはいたが、そうやって自分の去った場所を誰かがずっと見つめ続けているのを目の当たりにすると、何もないはずの墓石の下にはまるで「自分の人生の一部が埋められている」ような不思議な感覚を抱いたりもする。

ふと老人の乗った車椅子を押しながら通り掛かった若い女性とすれ違うセイヤ。「こっちがミチであっちがゴン、そっちがセイヤでしょ」「何度も聞いたよ、ジョウおじいちゃん」なんて話し声がして思わず振り返ると、老人は「セイヤはそこに居るじゃないか」と自分を指差していた。

女性は高齢の祖父がよくそうして「人違いをしてしまうこと」を申し訳なさそうに説明した後、もしあなたも同じ特殊部隊の家族の方なら昔小隊で隊長をしていた祖父と写真を撮らせてもらえないか、と提案してくる。

そうして墓地の端にある松の木の下に並んで立つセイヤと老人は、向けられたカメラのレンズに目をやりながら、「久し振りだな」「お久し振りです」と声を掛け合う。

なんかここむっちゃ涙出ました…

わたしにも認知症の祖母が居たんですけど下の子が生まれたとき突然全てを思い出して名前呼んでくれたんですよね。
本来熱血漢だったジョウが何もかも諦めて腐りかけていたところに突然現れてもう一度自分を熱い隊長たらしめてくれたセイヤと共に任務に励んだあの日が、人生の中でひときわ鮮やかな記憶としてジョウには刻まれていたのかなぁと。涙

少し離れたところでカメラを構える孫娘がアングルを確認しシャッターを切るまでの僅かな間、はっきりと記憶が戻ったように見えたジョウは、「こうしてお前のことを覚えていられる時間も長くないだろう」「だから心配しなくていい」と小声で告げた。

この時セイヤは「初めて他の人の物語の中に小さな痕跡を残した」って締め括りなんですが、前回の秘話ではノブの父エツジにも痕跡が残ってる状態だったような…?

セイヤの目的

まず、どうして今回セイヤは特殊部隊として働くことを選んだのか、1話後半「なぜ小隊に配属希望を申請したのか」ジョウに問われたセイヤは「ここには臨空市の古い文献がもっとも多く保管されている」「この世の全ての文献を読破するのが夢」だと答えてますが、3話ラストで保管庫の書類を拝借しているところを見るとこれが目的だったのだと思います。

4話では「Noah」というコードネームでセイヤとメッセージのやり取りをする「旧友」がセイヤからその書類を受け取り、「これを使い身分を変えてこの時空で一般人になることにした」と打ち明ける場面も描かれますが、セイヤはごく親しい調子で「ここの気候や食べ物は合わないと言いながらここの人間に惚れたじゃないか」なんて冷やかすようなメッセージを返したりしてる。

恐らくNoahもセイヤもどこかのタイミングで同じように時空を超えて2032年の臨空市にやって来た仲間であり、Noahの方は元居た時空には帰らずここに留まることを決めた、ってことなんだろうと思う。
もしかしてエツジもこのパターン、なのか…?

セイヤの年齢

こうして友人Noahの身分詐称と恋の成就のために特殊部隊を約2年間も続けていたうえ、以前から何度も何度もこういうことを繰り返してきたと言うわりに、セイヤは全く歳を取っていません。
本人が時間軸を移動しているだけならどこの時代に居たって生きてる限り歳は取るだろうし、逆に過去に戻るたび身体も若返るなら知識や記憶や経験も消滅するだろうし。

伝説の月影ハンターが霊空ハンターセイヤになるまでの一見空白の14年間も彼はこんな風に「いろんなセイヤの人生」を転としながら普通に臨空で過ごしてたんだろうか。

いや、思い返せばスト外でのやり取りにおいてセイヤはよく「何百回もやったことがある」「何万体も倒したことがある」なんて言葉を分かりやすく口にしていた気がします。
前回の秘話から完全に彼をタイムトラベラーだと思い込んでいたせいでわたしはそこに何の違和感も感じていませんでしたが。思考ロックって怖い(震

実は昨日「ネットニュースをアプリ内でカレにシェアする」っていう一生やり方分からなくて放置してた絆ミッションをついに達成することができたんですけど(右下に共有ボタンがありました、たまたま最上部にあったのが「EVERグループ公式チャンネル」による「永遠の命は夢じゃない」ってタイトルの記事だったんですよね。

1度死亡したマウスをコアを用いて蘇生したっていうまだまだ道のりの長そうな内容ではあったけど、杉徳といいEVERといい、2048年現在とにかく世の中「不老不死」や「永遠の命」の研究がむちゃくちゃ熱気を帯びてきてるんで、もしかしたら未来の世界ではこれが実現されてたりするのかも知れません。

セイヤの正体

友人Noahとのやり取りから多くのことが読み取れる4話において、彼らがこの時空にやってきたのはどうやら「船に乗って」「深空トンネルを抜けて」いるらしいことが語られます。
同じ下りで「100年経っても弁当の味が変わらない地球の人間は怠け者だ」なんて発言もあることから、ワンチャン「地球以外の惑星」からやって来た可能性まである。
まぁ地球上の命の総量を保つための「死」でもあるので、永遠に生きられる人が一定数居る世界なら別の惑星への移住は必然ではあるが…

彼らがいったい何者なのかと考えたとき、いちばん肝になりそうなのが、今スト5話に登場する、セイヤと同じ銀髪の青年「イズミ」とのやり取りです。

会話の内容から察するに、イズミはかつてセイヤと共に同じ学校に通っていたことがあり、教師がセイヤばかりに技や知識を習得させようとしていたことを逆恨みのように憎しく思っていて、今回は「俺を殺すか俺に殺されるか」と挑発したりもすることから、「いつかセイヤと殺し合いをして決着をつけたい」なんてまるでサイヤ人のような想いを抱いている人物であることが伺えます。

Noahもイズミとは浅からぬ仲であり、「ずいぶん長いことセイヤを追いかけていた」らしいことも明言されているため、今のところ「セイヤ」「Noah」「イズミ」の3人に「歳を取らない」「船で深空トンネルを抜けてこの時空にやって来た」という共通点が見て取れるんじゃないかと。

そんなイズミが今まさに特殊部隊から痕跡を消して行方をくらませようとするセイヤに対し、「また脱走兵となるのか」「ロールバック隊に居た時と同じように」って声を掛けたりするんで、たぶんイズミもセイヤも元「ロールバック隊」という部隊に居て、さらにセイヤはその部隊の「脱走兵」ってことなのだと思う。

すると同じところで同じようなことをしているNoahも同じくその隊の脱走兵なんだとは思うのだけど、イズミはセイヤに対して特別劣等感や執着心を持っているようなので「Noahはいいけどセイヤはダメ」ってことで追っかけて来てるのかも知れませんね。
なにやら物騒に見えたが結局「早く一緒にロールバック隊に戻ろうぜ」ってことが言いたいツンデレくんか。

ちなみにイズミは「行方をくらませて痕跡を消す」というセイヤの選択を「らしくない」「お前なら全員殺すのかと思った」なんて言うんやが、まじ…?
ロールバック隊のセイヤはわたしのよく知るあのキョトン顔のきゃわいいセイヤとは全くの別人なんだなって思ったらなんか泣きたくなった←

主人公との関係性

わたしの脳内ではぶんぶんに船を乗り回しガンガンにトンネルを抜けまくる未来のとある惑星からやって来た不老の銀髪イケメン集団「ロールバック隊」ですが、そんな彼らと恐らく主人公との関係についても今スト少し匂わせがあり、今のところこれがわたしの中では最大級「咀嚼し切れてないポイント」になっています。

4話メッセージのやり取りの中で、「ワープポイントにミスがあったせいで深空トンネルの波動が船の許容範囲を超えてしまった」ために「エーテルコアも彼女も行方不明になってしまった」が、「まだ粘るつもりなのか?」とNoahはセイヤに尋ねたりするんですよね。これは主人公もその船に同乗していたうえ投げ出されて時空迷子になってる、って意味でいいんだよな…?

じゃあ、セイヤがこうして脱走兵となり今あらゆる時空でさまざまな人生を歩んでいる目的は行方不明になってしまった主人公を捜索するためなんやな? って話なんだけど、ぶっちゃけ主人公には「おばあちゃんに引き取られる以前の記憶がないんじゃないか」とは前から感じていたため、確かに彼女は本来セイヤたちの居た時空から誤ってここへ来てしまった存在なのかも知れない、ってとこまではなんとなく見当がつく。

そもそもどうして彼らが「エーテルコアを持つ少女」を船で輸送していたのかと考えたとき、たとえば未来ではコアはワンダラーからでなく人間から摘出されるものになっていて、さらにエーテルコアは「永遠の命」にも応用できる貴重なものであり、そうして近命を失うことが約束されてしまった少女を哀れんだセイヤたちが、こっそりと別の時空に逃がしてあげようとしてたのかな? とかも思う。

なんだけど、本当に少女を逃がしてあげたかっただけなら今臨空で楽しく暮らしてる主人公の姿を見ればなんだ良かったと安心するだろうし、セイヤにはさらにその先もなんやかんやと傍に居て「暗点の手に渡ってしまったエーテルコアの一部」を探し出そうと奔走したり結局命が狙われることになる彼女の一生を守り続けなきゃならんような道を選ぶほどの「強い動機」みたいなものがないよな?
自分の立場を捨てて何十年探し回って見付けたらずっと傍で守って本人には正体も明かさないって、並大抵の動機じゃないと思うが…

実はこの秘話の5話で小さな女の子に「好きな人がいるの?」と尋ねられたときセイヤは意味ありげに「ああ」って答えたりもするのだけど、2033年時点でセイヤの中の主人公って、ロールバック隊として船に乗せてあげてた「7歳くらいの女の子」だよね?

そう考えるとセイヤが恋をしてるのは少なくとも現時点では主人公ちゃんではなくエーテルコアの方なのか、とも思えてくる。となると、始めから「逃がそうとして」たんじゃなく「自分たちのものにしようとして」輸送していたのか、とも(震

6章で「あんたの敵じゃない」って言ってくれたセイヤを信じたいけど、今回イズミの発言によって「どっちがホントのセイヤなのか」分からなくなっちゃったってのもあって、しばらくは迷宮入りだぜ…