空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

ページのトップへ

暖かい夜の章

ある週末、同僚を部屋に招いてパーティーゲームをしていた主人公は、上の階にセイヤが住んでいることをついに知ってしまったモモコの企てにより、彼の部屋から私物をひとつ借りてくる、という挑戦をさせられることになる。
部屋を訪ね、なんやかんやで結局セイヤも一緒に遊ぶ流れになると、深夜0時まで時間を忘れてみんなでわいわい過ごしていたらしい。
いやなんかもう下宿中の大学生みたいで全てがかわいいな君たち(癒

この先ストは分岐して、モモコ帰宅後セイヤとふたり夜の散歩に出掛ける方を選ぶと、星を眺めながらなんてことないお喋りに興じる、という微笑ましいシーンに展開するんですが、個人的にはセイヤが過去一主人公ちゃんに自分の置かれた立場や彼女に対するスタンスみたいなものを口に出して伝えてくれているような気がするので少しだけ覚え書きです。

ちなみに前回の秘話でどうやらセイヤは友人Noahと共に船に乗り深空トンネルを抜けて別の惑星からここへやって来た歳を取らない男の子であり、またワープポイントにミスがあったせいで「エーテルコアと彼女が行方不明になってしまった」ってとこまでは明言されてたんで、ここから先は「じゃあ主人公は本来セイヤたちの居た時空から誤ってここへ来てしまった存在なのかも知れない」って前提で妄想してこうと思うよ←

ぶっちゃけ秘話では恐らく当時7歳の女の子だったはずの主人公にどうしてセイヤがそこまで固執するのか、彼には「よっぽどエーテルコアが必要なんだろうな」って半分くらい結論しちゃってたんですが、このストを読んだらセイヤはむしろエーテルコア云全部差し置いて「とにかく主人公と居たいんだ」「それが大前提なんだ」って思えてきました。

主人公がセイヤについて「始めの印象とは違った」って漏らすと彼は珍しく真剣な表情で「どう違った?」「始めはどう思った?」って質問してくるんですが、もちろん最初は「謎人物」で、そのうち「頼れる人」だと気付いて、ただ同時に時「遠い星のように距離を感じることもある」って答えると、セイヤは夜空に目をやって、「星は月よりも遠く、訪れる者もなく、孤独だ」って呟くんですよね。

自分の故郷である惑星について想いを馳せているのかとも思ったけど、会話の流れから恐らく自分自身のことをそう捉えているんじゃないかなぁと。

この時点で主人公は寝落ち寸前だったので、寝ぼけながら「そっか、じゃあ星を摘みに行こうか、」みたいなわけ分からんことを言いかけて眠ってしまうんですが、セイヤはそんな彼女に向かって、まるで小さな女の子に言うみたいに、「星は自分から落ちてきて、あんたの傍に来てくれる」なんて語り掛けてる。

歳の差を考えたら不自然じゃないか? なんてわたしの勝手な固定観念であって、セイヤはセイヤでちゃんと彼女自身のことを愛おしく想ってるんだよな。「会いに来たよ」「やっと見付けたよ」って意味で、こっそりそう言い聞かせてあげてたんだろうと思うので。

そうして朝を迎え、ベッドで目覚めた主人公が床で寝ているセイヤに気付き慌てて声を掛けると、彼は「夢を見ていた」「遠くの星に着陸した宇宙飛行士の夢だった」ってねむねむしながら応えてくれるんですが、これも主人公を迎えに来て故郷に連れ帰ろうとしていると言うより「あんたの居るところにやって来た」「ここが終着点だ」ってのがやっぱり彼の本音なんじゃないかなって感じました。

立場的には幼い主人公に「忘れられてしまっている」ホムラくんと似てるのかもだけど、「覚えていて欲しかった」「思い出して欲しい」がめちゃくちゃ前面に出ている彼に比べると、セイヤは「思い出さなくていい」むしろ「忘れたままでいて欲しい」まで伝わってくるんだよなぁ。不思議。