空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

ページのトップへ

5部1章 でたらめな幕開け

「新生」や「幕開け」のタイトルに相応しく次の序開きとしてまさに「新たな種」があちこちに蒔かれたかのようなストでした。

恐らく次章以降これらが少しずつ芽吹いていくはずなのでぶっちゃけ1章読了時点ではあらゆることがまだまだ茫漠としており早急に次の章を読み進めたい気持ちでいっぱいなのだけど、初期に比べて章当たりのスト量がボリュームアップしてるのか、あるいは物語が進むにつれ複雑化しているためなのか今章読み終えるのにすでに2時間以上溶かしているためだいぶ気合いを入れ時間を確保しておかなければ「一気読み」は叶いそうにないのがもどかしい。もちろん少しずつ読み進めてもいいものなのだけど、わたしはどうしてもひとつのタイトルは全話一気に読み終えたその勢いで感想を綴ってしまいたいのよな。でないと全部忘れてしまう(アホ

逸る気持ちを抑えつつ取り敢えずの覚え書き。

襲撃

今更ながら2036年天行計画の発足以降「天行市」はその大成に携わった人たちを中心に今は臨空政府を関与させない完全自治区になっているようなイメージなんだな。前章天行に厳戒態勢を敷き「とある打ち捨てられた実験棟」周辺区域を封鎖して「元は人間であった実験体」の大量殺処分「掃討作戦」を秘密裏に完遂させた遠空艦隊はその後も特に詳細を公表しないまま1ヶ月間同じような動きを繰り返していたようで、どうやら普段は遠方の空域で防空に従事しているらしい艦隊がそうして大規模な帰還と再出航を何度も行うことから市民の間には「艦隊は何らかの異常なワンダラーを掃討して回っているのでは」なんて噂が広まり始めていると言うが、するといよいよ「結晶感染」や「異化」をうっかり目撃し「人間がワンダラーになること」をなんとなく悟ってしまった一般市民も一定数いそうな雰囲気、だよな? もちろん災変以来ワンダラーは常に同形態ではなく協会も「ワンダラーの進化と異変に関する報告」なるものをこれまでに何度か発表したことがあるとは言ってるが。

EVERグループによる「アーテーの泉プロジェクト始動宣言」はそうした不安の声が高まるさなかに打ち出されたことで見渡す間に世界中の議論の的となり、かつてコアテクノロジーの活用によるワンダラーやコア介入症がもたらすリスクを主張していた「回帰派」の思想活動が再び活発化、コアエネルギーに依存している天行市や不審な動きをする艦隊だけでなく公的にコアを回収するハンター協会も大きくは非難の対象となり、エーテル特別司令チームは過激な回帰派による襲撃対策の一環として取り急ぎ本部に保管されている「次元コア」を内密にどこか別の場所へと移動させておくことに。

アーテーの泉始動宣言については「40秒間の予告」であることしか語られてないが、当然「人間の心臓へコアを移植する一方でワンダラーに人間の意識を植え付ける実験」であることは伏せられ体裁よく「既存の治療法では完治が見込めない難病もコアエネルギーの医療応用で全快するよ」的な内容になっているのだろう。

EVERの白しさには失笑噴飯であるがどちらかと言えば「コア派」寄りなノゾミ先輩、そして暴力的な手段こそ許容できないものの「回帰派」擁護気味のゼルリーダーとは通信機越しに何やら随分と建設的な世間話を交わしつつ深夜コア輸送車を走らせていると、突然後方から「強大な特異エネルギー」を帯びた火の玉のようなトラックが突っ込んで輸送車は横転し炎上、エネルギー粒子と煙の舞う中から恐らく「結晶感染ワンダラー」数体を引き連れた見知らぬ女性が現れて唐突に喉首を引っ掴んでくるんやが、掴まれたところからは「針で刺されたような痛みが走る」と言うんでこれはどさくさに何か注射されてしまったようなニュアンスなのかな?

窒息感と激しい動悸に襲われて額からは血が流れ意識は朦朧、燃え上がる輸送車からは次元コアの入った試験管がおもむろに転がり出て「何かが割れるような音」を立て強烈な光を炸裂させたかと思うと「これまでに感じたことのない力が血管を駆け巡る」ような感覚に見舞われたという彼女、自身ではこれを「無意識のうちに身体が勝手に反応し次元コアを吸収してしまった」のだと振り返っていたが、個人的には注入された薬剤により何らかの覚醒が起こりエネルギーを取り込んでしまったかのようにも見えている。

訳のわからぬまま「あなたは誰か」と尋ねれば「私が誰なのかなんてどうでもいい」と女性は返答するが、「スエは私達がガイア研究センターで過ごしたあの日について話したことがなかったみたい」だと独り言つ辺りまず間違いなく元Unicorn研究チームのひとりなのだろう。それにしてはだいぶとお若いので当時相当な新米研究員だったのか、はたまた人為的なコア介入によりすでに歳を取らない人間なのかあるいは人体改造が施されているのかいろいろと定かではない。

それよりも聞くべきなのは自分が誰なのかということ、深空で誕生したあなたは私達のものであるはずだった唯一無二の原石であり「鍵」の持ち主でありその鍵が開くことのできる封じられた秘密もまたあなただけに関わるものだ、と言い残し女性は直ぐに立ち去るが、今回の接触の目的は一旦主人公に次元コアを吸収させること、だったのかな? すると艦隊がモリトから回収した最後の一欠片もルイは彼女に吸収させるつもりで所持しているのか。

後から語られるがこの女性は彼女に「あなたはUnicorn研究チームの実験中にガイア研究センターに現れた」、なんて言い回しもしてたらしい。
単純に「被験体としてある日あなたが与えられた」って言いたいのかも分からんが、この言い振りだと「あなた」とはUnicorn研究チームのUnicorn生態実験中にUnicornの心臓の中に「現れた」まるで「エーテルコアそのもの」を指しているようにも聞こえてしまうよな。仮にそうなら「深空で誕生した」なんて表現も腑に落ちる。
彼女という「鍵」がなければ「アーテーの泉」さえ稚拙な「模倣品」だそうなので、改めて人間へのコア接触やワンダラーへの意識移植は「彼女のような人間」を生成するためにしてること、みたいな理解でいいのかも?

いずれにしろ機密任務中に起こったこの襲撃は内に処理され負傷した彼女は休養中全ての任務の中断としばらくの「休職」を命ぜられる。協会は輸送ルートの漏洩から内部にスパイが潜伏している可能性を鑑みて「保護」だけでなく「諜報行為の制限や妨害」の目的でも彼女を一時戦線から撤退させることにしたのだそう。

とは言え彼女が大人しく身を隠しているわけもなく、見知らぬ女性に告げられた「訳の分からない話」の真相を暴くべく今はN109区のどこかで廃施設となっているであろう渦中の地「ガイア研究センター」を捜索してみようと思い立つ。おおやけになっているマップは災変以前のものなので正確な場所は分からないみたいだがこの時点彼女はかつておばあちゃんの元でエーテルコアのモニタリングをしていたことを打ち明けてくれたあの工房の店主を訪ねれば何か分かるだろうという算段なのかな?

N109区は臨空市の「南部地区」に位置する「62-65号禁猟帯」を抜けたところにあるらしく、激しく磁場の乱れた禁猟区は本来なら危険なエリアだがシンにもらった「干渉妨害チップ」なるものをハンターバイクに装着することで安全に行き来することができるもよう。特に重要な設定ではないのかも分からんがなんとなく目に留まったので念のため、シンと初めて出会った廃墟と化した礼拝堂はその禁猟帯に入る「手前」にあるんだと。

闘獣ゲーム

N109区では現在「カロン」という取引市場地区において3年に1度の「闘獣ゲーム」なるリアルサバイバルデスゲームのようなものが開催されており、街の上空には巨大なホログラムスクリーンが参加者たちの生存状態を感知してリストアップ、四方に向け各所組み討ちの様子が実況中継なんぞされている。もしかして悪ふざけで双子が潜入したあの裏闘技場のようなボクシングジムはこのゲームの練習場みたいな施設だったのかな?

カロンは「狩猟エリア」としてオレンジ色のレーザー光線で間仕切られ一歩中へ踏み入れば偵察ドローンの複眼に捕捉され自動的に参加者としてカウントされてしまうらしいのだが、「冥河を渡ろうというただの通りすがり」を名乗る小奇麗な老紳士が現れて自身の装備する「隠蔽型IDコード」なるものが「生体情報を隠すことができるステルス器機」であることを説明、器機から3歩以内の範囲を出なければドローンのセンサーにも探知されないことから「カロンの向こうへ渡りたいなら案内役になる」と申し出てくれる。

ギリシャ神話のカロンはまさに「冥府の河の渡し守」として「みすぼらしい身なりの老人」の姿で描かれることが多いけど、逆にこの紳士が「混沌としたこの街にそぐわない品位ある雰囲気」をまとっていることが強調されているようなところにも何か含みがあったりするのかな。

道中Elysiumに立ち寄りエシュリーンとも言葉を交わしたことで彼女はこの老紳士が「カロンの主」と呼ばれる「ヨミ」という名の男性で「闘獣ゲームの主催者」であることを知るんやが、いやそんなことよりわたしはElysiumがギリギリ狩猟エリア内に区分されてしまっていることにめちゃくちゃ驚いた。店内数名の客がゲーム参加者の生死に「賭け」をして盛り上がっているような描写も入るんやが、彼らはどうやってこの店にやって来たの? ここに入ったら全員が勝手にエントリーされてしまうのではないの?←

改めてヨミにこのゲームの詳細を尋ねると、参加者はEvol武器やコア武器の他にワンダラーをも狩りの手段としながら互いに生き残りを懸けて殺し合い一枚の「コイン」を奪い合っているのだそう。そしてコインを手に中央の「闘技場」で最後に立っていた者が勝者としてカロンの主にひとつ要求を聞き入れてもらえる、という建前らしいんだが、そんなものに命を懸けられるとはまじで理解に苦しむな…

後から聞いた話によればこの「闘技場」こそがもう何年も誰もが欲してやまない「縄張り」であり、かねてからこれを虎視眈と狙ってきた「ハゲタカども」が参加者の実質3割弱、残りはシンプルに資金繰りのためかスリルを求めて危険に身を投じる変人かあるいは「己の忠誠を証明する手段」として強要されてる人ってことみたいなんだけど、それにしたってねぇ(引

ヨミは一体何がしたくてそんな物騒なゲームを開催してるのか、彼女は「人が争い殺し合う姿を見るのが趣味なのか」なんて吹っ掛けるが個人的にはそういう過酷な生存競争を勝ち抜ける誰かを次の領主として選出したいのかな、くらいの第一印象。N109区の血なまぐささにもだいぶ慣れてきたなw

客人

そうして無事カロンを通り抜けレーザー光の外に一歩出たところでメフィちゃんがお迎えに来てくれてようやく暗点の基地へと辿り着く主人公、双子と共にVRシューティングゲームに興じていたところを強引に叩き出されたシンは彼女の顔を見るなり「いいものを食ってきたな」「誰に食わせてもらった」と詰め寄るが、その口ぶりから一旦「次元コアを吸収してしまったこと」が何かめちゃくちゃまずいことでもなさそうなんでホッとした←

遅ればせながらシンが彼女を前にしょっちゅう酒を呷るのは目の中のコアが彼女の心臓を喰らえ喰らえと煽るのを治めるための行為だったんだな。記憶が定かではないが確かに竜も少女が欲深くなるにつれ「強い酒の匂いを放っている」と言っていたような?

彼女は事の経緯を打ち明けながら聞いた話の真偽を確かめるべくガイア研究センターを調べ「自分が何者なのか知りたい」と訴えるが、シンは「じっと動かないことがいちばん賢明な場合もある」と助言。この辺ふたりは「テーブルの上の終局に近いチェスの盤面」をいじりながらやり取りしてるんやが、恐らく駒の種類やボード上での戦略がすべて会話にかかっているというオシャレ極まりない演出になっているのだろう。チェスが分からないため何も分からない(しろめ

そもそも「お前が何者なのか」あれだけしつこく「思い出させてやる」と躍起になっていたのはシンの方じゃないか、という言葉に説得されたか彼はガイア跡地が「カロン闘技場」の地下にあるらしいこと、目算通りであればあと2日ほどでゲームは終了し闘技場もろとも取り壊される手筈になっていることまでは教えてくれたりするのだが、であれば早にゲームに参加して一刻も早くそこへ潜入したい、一緒に参加して欲しいという提案には応じない。

それよりも「客人」を招待してるからそっちを「見に行こうぜ」なんて言い出すが、今思えばシンはわざわざ戦場と化したそこへ彼女を立ち入らせることなく最後の最後になってひとりゲームに参入しカロンを自分の領地にしてから好きなだけ捜索させてやるつもりだったのだろう。ここに「縄張り」としての価値があるらしいのはやはり地下にガイア跡地が隠されているためなのかな? すると「カロンの主」であるヨミとは何者なのだろうな。

客人とは「割のいい商売話がある」なんてもはや欺く気もない適当な口実でシンを誘き出そうと計らったEVERの手のものたちでありすでにアキラやカゲトが部下たちと共に「一網打尽」にしていると言うんやが、どうやらシンはEVERがいよいよ自分と対峙するに足る何か「切り札」を隠し立てているのではと考え至っているらしい。

反物質武器

すでに「掃除」が済んでいるらしい取引場所に赴くと、そこには乱れたエネルギーの波動が空気中に充満しているとは言え決して「強くはない」と言い、用意された手段がその程度だったとは思い難い、どういうつもりだったのかなんぞ考えあぐねている隙に、ふたりはどうやらそちらが「真の切り札」だったのだろう「武器を備えた大勢の黒い人影」にいつの間に囲まれており、人影の身体には僅かな「電流の光」が見られ顔の下半分は「機械でできた仮面と一体化している」と言うんで恐らくこれも「メカスーツ」や「戦闘人間」の前身のような個体なのではと思われる。

仮面人間たちが一斉に「青い光線」をこちらへ差し向ければ突として周囲のエネルギー波動は変化してシンは「赤黒い霧」で網を張りその放たれた灼光を迎え撃つがどういうわけかEvolは相殺し霧散、思いがけず弾が掠めた首元に血が流れたのを拭いながら彼はそれが自分のEvolを消滅させることができる「反物質武器」なるものであることを悟り面白がってさらに強大なEvolを繰り出そうと手の平にエネルギーを凝縮させ始めるのだけど、このままではシンが無駄に消耗させられるだけであると判断した彼女は乗り捨てられていたバイクに跨りシンを乗せ一時退避を計る。

背後に銃声を浴びながらバイクを走らせる彼女と背中合わせに後部シートに座っているらしいシンは「射撃ゲームを楽しむように」追っ手に応戦しているが、ちらり振り向けば仮面人間は結局「シンのEvolに貫かれ」倒れたりもしており、彼が言うにはその反物質武器は「偽物」だってことみたいなのだけど、偽物があるからには当然本物も存在するのだろうし、シンやマヒルのEvolがあまりに天下無双なんで辛うじて「張り合えるもの」としてこの「反物質武器」は今後もたびたび登場するものなのだろうと思う。

運転を任された彼女はまかり間違って狩猟エリアに侵入しないようちゃんと前を見て角を曲がってくれだなんて彼の盛大なフリに応えるかのように「うっかり」を装い規制線の向こうカロンへ突っ込むと、止む無くゲームに参加せざるを得なくなったその状況に「でもおかげで追っ手を撒くことができた」「今度はあなたが私を助ける番」「闘技場の地下へ行くのを手伝ってもらう」のだとしたり顔、対するシンは「初めて参加することになった」という闘獣ゲームの中継モニターに大的に顔が映し出され熱狂を浴びながら「命の恩人の言葉には従うしかないな」とやれやれ顔、取り敢えず一帯の敵を消し飛ばし「猫を捕まえたように」彼女を片手で持ち運びながら一時避難場所として実験施設のようにも病院のようにも見える建物のドアを蹴破り中へ入ると「しばらくは安全」だろうその場所でまずは一息つくことに。

21g

ところでこの闘獣ゲームの「賭けランキング」とは一体どういう仕組みで自分に賭けられた金額の順位が本人の元へ送られてくるのだろうな。生体情報を探知されたらスマホの連絡先も駄洩れなんだろうか。

ランキング速報を受信したふたりが「どうせ参加するならひと稼ぎしよう」と互いに高額ベットし合っているその会話を恐らく終始盗み聞いていた老人が不意に「Evolをまとった短剣」を構えながら怯えた様子で現れるのだが、同時に周囲の特異エネルギーが膨らみワンダラーと化して老人に襲い掛かるのを目の当たりにした彼女はハンター然として咄嗟に老人を庇ったことで逆に老人から右下腹部を刺されてしまったりして、これもこの老人が資金繰りのために高配当である彼女を仕留めようとしてきたという話なの? それともこの怯えよう「忠誠を証明する手段として強制的に参加させられていた人」だったってこと?

彼女はシンに怪我の応急処置を受け痛みを堪えながらもどこか上の空な様子で「あの老人だけじゃなくここに居る人たちはみなどうしてそんな風になってしまったのか」とぽつり嘆くのだが、シンは「奴らは今の状況を悪いと思ってないかも知れない」「誰かの目に映る地獄は誰かの目には楽園に映る」と意味ありげな発言。これはタルタロス城と白城について想い馳せているわけでなく単にカロンにエリュシオンがあるN109区そのものを解説しているのかな。

ここに居る連中は宇宙が人間に与えた「魂」という宝を生まれ持っていることに気付かず欲のままに目先のものを奪い合う愚か者だ、なんて続けざまに語りながら「魂」のタイミングで「指先をそっと自分の目に当てている」あたり、現世シンも竜シンと同じ自分たちの「魂」が恐らく「黒い霧」や「金の光」として視認できるエーテルコアエネルギーに宿っているものだと定義付けているように見えてるし、それらが「たった21g」だと言うからには「絶品メニュー」のレシピにある「10.5gの魂」がこれを「半分にして交換したことがある」かつて見た別の世界のふたりを匂わせているんだよなって気はしてるんだけど、ワンチャン彼も彼女と同じように断片的に「魂の記憶」的なものを蘇らせているだけで現時点「前世の記憶を現世の記憶と隔たりのない地続きの記憶として持っている」わけではないのかも知れないとも感じ始めている(ブレブレ

彼女が負傷したことで「今は外に出るべきじゃない」と暫時建物内に身を隠す判断をするも実は彼女の腕の内側には何者かによって「追跡装置」が仕込まれており、どうやらそれを辿って来たであろう規制線の手前で撒いたはずの「仮面人間」数体に嗅ぎつけられてしまったふたりは路地に出ての応戦を余儀なくされるのだが、これってやっぱりヨミさんのしわざなの…? てことは仮面人間も彼の差し金で狙いはシンのEvol無効化、最終的には彼女を手中に収めようとしている彼もEVERの人間だってこと? カロンの主でありながら…? (混乱

ヘビの脱皮ルイの言い振りから「Unicornチームは実はN109区を密かに移転しどこかに新たな施設を構えまだ彼女を欲してるんじゃないか」なんて感想綴ってしまったが、スト冒頭の見知らぬ女性といい、もしかして闘技場地下は「跡地」なんかでなくまだ研究所として動いてる? チューリング・サイバネティックス・センターとガイア研究センターが対立関係にあるわけでなしに、Unicornチームの残党からすれば「アーテーの泉はもともと自分たちの研究成果物だったのに」って話なのかな…

恐らく残りの仮面人間十数体はどこか別の場所で次の襲撃を図りながら身を潜めているだろうことを悟りふたりは早急にこの場を離れ闘技場からそう遠くない「疾駆クラシックカー販売店」を次の一時拠点とし、体力の回復と戦略を練る時間を確保することに。

探索者

勝手知ったる様子で店内を物色し遊び心あるインテリアやこだわりの販売ラインナップに「店主のセンス」を褒めたりもするシンはやはりこの店舗の所有者でもあるらしい。もちろんジェフの工房もシンのものなのだろうし実は暗点の収入源とはめちゃくちゃクリーンな優良店舗不動産ビジネスなのかも知れん(ちがう

口数の増えた彼女の傷が再び痛み始めているのだろうことを悟って非常食を振る舞い鎮痛剤を飲ませてやるシン、陳列する旧車の中から目に留まった一台を選びシートで仮眠を取るようにと促すが、何やらこのくだりふたりがとっても重要なことを口に出しやり取りそのものが何かの伏線になっているような気がしてる。

食事を終えた彼女が立ち上がり黒い車に映る自分を眺めているとシンが「車に興味を持ったのか」と歩み寄りそれが60年前に製造された「ゴーストZERO」なるモデルで「白昼夢が大好きなガキのいちばんのお気に入り」だと解説してくるんやが、「お前も好きか」と尋ね「確かにカッコいい」と彼女が返答すれば「白昼夢は俺もよく見る」だなんて独り言つ。

ゴーストZEROのヘッドライトを点灯すると前方には恐らく同じ自動車メーカーが「倒産する前の最後の製品」として製造した「スライフノ」というモデルが光輪の中に「舞台の中央で物語が始まるのを待っている」かのように佇んでおり、車名には「探索者」という意味があるのだと聞いた彼女はまるで「生き延びるのを諦めなかったことを伝えている」かのような名だと感想を述べるのだけど、シンは結局窮地を生き延びられなかった「途中で枯れてしまった野心があるだけ」でありこの車は瀕死の際に「最後の意地で魂とボディとを繋ぎ合わせた」ものだと感じてる。

彼女は彼の言う「最後の意地で繋ぎ合わされた魂」とはまるでシンそのもののようであり彼が時折「結末を知っているある未来へ私と一緒に辿り着こうとしている」ように見えることがあるのだと打ち明けるのだけど、これについてはマヒル伝説デコヒーレンスでも「魂」が時空のトンネルを抜け恐らく分岐した別の世界になっているのだろう過去の地球へと辿り着くかのような描出があるためままそうであるとして、前半部分シンの名車紹介は深読みすると自分という「探索者」は「彼らのいちばんのお気に入り」たる彼女と「同じ製造元」による「最後の製造モデル」だと言っているみたいじゃないか…? 改めて彼らのエーテルコアとは「生まれつき」ではなく「人為的」なもの、なのかなぁ。この流れだと「最後の意地で魂とボディとを繋ぎ合わせた」記憶もやっぱり「白昼夢」のような感覚なのかも知れないな。

「俺の結末にお前がいることを確信してるのか」と思わせる彼女の見解に大満足らしいシンは「座り心地の良いシートと広い後部座席を備えている」という「ゴーストZERO」の方に彼女を寝かせ、自分は「スライフノ」へ乗り込み「ドアにかけた足をぶらつかせている」というのだがこれはどういう体勢? ツーシーターのオープンカーみたいなイメージなのかな。

反物質武器を携えた仮面人間たちはみな攻撃信号を受信した操り人形のような動きであり「信号の中枢機能を持ったリーダー」のような個体がどこかに存在するはずだ、との彼の推測に「それらしい特殊な特異エネルギーの波動に心当たりがある」という彼女は自分がその波動を辿り信号源を回収してくる間シンには波動が混乱しないよう周辺ワンダラーの掃討と他の参加者たちを片付けてコインを入手する役割を担って欲しいと申し出る。

シンはもちろん従うつもりなのだろうが怪我を負った彼女と二手に分かれることに賛同し兼ねていたのかな? 是か否かは即答せずおもむろに立ち上がり「ゴーストZERO」へ歩み寄ると彼女の頭を撫で入眠を促した。

信号の中枢

3時間後、どうやら先んじて動いてくれているらしいシンの暗躍もあってか彼女は無事「次元コアの力」を使った共鳴で「特殊な波動」を追跡し霧が立ち込める工場の中に身を隠していた残りの仮面人間十数体と対峙、目的の「信号の中枢」についても難なく回収することができるがその正体は恐らく生身なのだろう仮面人間たちに紛れたヒューマノイドロボットのような機体の「義眼の中」に仕込まれていた「何らかのコア」だったってことみたい。

埋め込まれていたそれを取り出せば送信源であるロボットは停止、すると「操られていた」人たちはコントロールを解かれ次に地面に倒れ苦痛の声を上げているというのだが、その働きも装着箇所もこの信号の中枢とはまるで「エーテルアイ」の模造コアじゃないか? それはシンがその目の中のコアを散逸させ「時空監獄」なる場所に囚われている間に生成されたものなのかな。すると時空監獄もまたこちら側のどこかと「繋がっている」のだろうか。

個人的には彼女が取り込んだ「次元コアの力」とは温かく馴染みがあり決して嫌な感じではないものの今回追跡のために多用すれば心臓は激しく煽り「過負担になりかけている」と感じていたような点がやや気懸かりである。

そうして目的がひとつ果たされたところで再びシンと落ち合いたい彼女は何やら「闘技場の信号が遮断された」ことにより彼と連絡を取り合う手段がなくどうすべきか考えあぐねながらElysiumを訪ねてみるのだが、これってどういうことなんだろう。闘技場の信号というのはWi-Fiみたいな5Gみたいな通信システムのことなのかな。

含みたっぷりのエシュリーンに勧められるままついに彼女は「絶品メニュー」の本日のスペシャル「甘く邪悪な罠」を注文しまるで彼を思わせるかのようなその味わいとレシピに記された「10.5gの魂」に「きっと自分を感心させるつもりでこれを準備していたのだろうシンの得意顔」を想像し溜息を溢したりするんやが、もちろんシンはいかにも食欲をそそる甘いデザートを口にした女神がハデスの住処たる「見る人によってはタルタロスでもエリュシオンでもある冥界」から抜け出せなくなる「邪悪な罠」としてこれを振る舞っているのだろう。「俺の結末にお前がいることを確信してるのか」発言といい、今章全体的にシンがとても嬉しそうでわたしも嬉しいよ(ニヤニヤ

サイドメニューの「スポンサー様」は今回彼との待ち合わせ場所を示す「5桁の数字」になっており、導かれるままひと気のない「西エリアの港」へ足を運べば程なくして「デートには手ぶらで行かない」なんぞシュッとしたモットーを掲げるシンがテイクアウトのミルクティーを手に車を走らせやって来る。

闘技場への通行証であるはずのコインには「細工」が施されていたため「別の方法で入場する」算段でシンは彼女を助手席に乗せるや否やカロン中央まで狩猟エリアを疾走するもトンネルに差し掛かるところで恐らく彼が仕留めそびれた最後のゲーム参加者なのだろうグループが無謀な運転で強襲することでまるでハードボイルド映画のワンシーンみたいなカーチェイスが繰り広げられたりするのだが、思い返せば2部2章同様どうも本編N109区におけるムービーシーンはとにかく目まぐるしく場面が切り替わりテキストを追うのに慌てふためいているうちにいろいろと見逃してしまうな(鈍臭

もっとかっこいい場面はたくさんあったがあたふたしながらスクショに残せたのはこれくらいだった。とにかくふたりの息の合ったバディ感がとてもクールでした(なんだその感想は

闘技場は「青とオレンジが絡み合ったシールド」に覆われているがシンはさらにスピードを上げ車ごとこれに衝突し僅かに歪んだ障壁をEvolでこじ開けて突破するという強行手段でそこへ侵入、するとふたりを待ち構えていたかのようにワンダラーが現れて次章へと続くわけだが、コインの細工も電波の妨害もこのシールドも恐らくは主催者たるヨミの計略なのだろう前提で、今回狙われているのは彼女ではなくむしろシンの方なのかなぁ。あるいはセイヤと彼女をまとめて捉えようとするロールバッカーのようにシンにも彼女にも用がある、みたいな?

フラクタル図書館

めちゃくちゃびっくりしたんやが、今章序盤ちらっとだけ「フラクタル図書館」が登場するのですよね。それも臨空市からは8千kmも離れた極地の雪山に「幾何学模様のように整然とした外観の建物」としてぽつり佇んでいるという設定。いやめちゃくちゃ不自然やないか。確実に預言者レイのあの塔の書架と繋がっとるやないか。

近日マヒルを主軸とした超ハードSFな世界観の中に浸っていたためすっかり忘れかけていたけれど、そうかレイ先生もホムラくんのリモリアのようなどちらかと言えばファンタジックな物語の中に生きていたのだな。図書館はその「特異点」として半神半人たるレイもしくは最高神アスタにより「どこにでも出現し得る」まさに「阿迦奢」のような仮想空間なのかも知れません。彼らは「文字」によって精神世界を築けますからね。

そして図書館の中からは「白い服を着た白い髪の少年」が「十七」と名付けられた「小さな白い獣」を連れ現れる。その風貌からどちらかと言えば人知れぬ沫雪「司令」を神に持つ「九黎」のひとりのようであり十七もあの南山の「霊獣」の一体であるかのように見えてるが、彼もまた衣鉢相伝によって類稀なる神業や奥義を身に着けた神、またはその山中にいる修験道者のような存在なのかしら?
すると世界の深層フラクタル図書館の方で「そこにあるのが本ではないこと」を早に見抜いてしまったあの「少年」がこの子でありフィロスではジャスに該当するのかな?

開口一番「七年前の約束を果たす時が来た」「神言者様を迎えに行こう」なんて言い出すが、「クラスメートとの人付き合いや論文の質疑応答をうまくこなせたのか」心配されているその「神言者」とは恐らく本編医者レイのことなのだろう。
2041年は医学部生レイが「黒い塊から生えた脈動する人間の臓器の半分」を目の当たりにし実験レポート一切の処分を断ずるちょうどその年であるが、少年が彼を「おじさん」呼ばわりすることには得心がいかん。少なくとも「臨空の時を刻んでいた」レイは当時今の君とさほど年齢変わらなかったはずだと思うが?←

いずれにしろレイの物語についても今回大きく盤面が動きそうですな。楽しみ。めっちゃ楽しみ。

Comment