空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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恋と深空を改めて考察

我ながらだいぶ大きなタイトル掲げてしまったが、セイヤの秘話流星の降る夜を読み終えてよりたびたび「深空はユダヤ神秘主義思想の宇宙観を題材としてる気がする」「生命の樹の概念から着想を得てると思う」ってなことをふわっと語ってきたわたし、もちろんその見解は大きく変わっていませんが、先日レイの伝説スト秘密の塔を履修したことで「もひとつ新約聖書的解釈をすべきかも」と考え至ってしまい、とは言え新章配信後はきっとまたいろんな考えが覆りそうなんで、このタイミングで今一度きちんと頭の中整理しておきたくて、今日はめちゃくちゃ酔っ払いテンションのままとにかく長くてつまらない記事を書き残してみようと思います←

すべてが妄想なのでうっかり見てしまった方はどうか参考にしないでね(小声

生命の樹に至った経緯

まずは流星雨でほんの少しだけ綴った「生命の樹」について、どうしてこれが深空の宇宙の「モチーフになっている」と感じたのかその理由をちょっとだけ語らせてくだせぇ。

そもそも宗教的宇宙論というのは、もちろん宇宙の起源が主題とされますが、一方で「実践神学」のような側面も持っており、たとえば宇宙は「人間」そのものに置き換えられ、反対に人間の仕組みを知ることが「宇宙の謎」を知ることに通じていると考えられたり、ことユダヤ神秘主義思想においてはユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神学的考察に「ピタゴラス学派の宇宙論」が結び付いて発展してきたものだとも言われていて、「宇宙は数的な調和によって秩序付けられている」という「テトラクテュス」に基いた「数秘術」や「占星術」も存在しています。

生命の樹における宇宙観

厳密に言えば細かく枝分かれはしてますが、生命の樹はユダヤ文化に「ピタゴラス学派の宇宙論」が溶け込んだものです。念のため前置きしておくとピタゴラスは古代ギリシャの「数学者」でありわたしは数学が大の苦手であります。なのでこの辺ぶっちゃけめちゃくちゃ理解が甘いです。でも語ります←

まず、ピタゴラスは「万物は数から成る」という思想のもと、点は1で広がりを持ち、線は2、面は3、立体は4、全部合わせて10となることから「点と線」「面」「立体」すべてを含む完全な数が「10」であると唱えました。
そして宇宙も同じ原理によってまずは「点と線」から始まり、さらに「面」、そして「立体」で構成され、そこに「時間」という動きが加わることで「無限に繰り返す世界」であるという理論を展開します。

世界の始まりは「点と線」だけで形をなす唯一無二の図形「円」。円は直径と円周の比が「3.141592…」と決して辿り着くことができず、哲学においては「視覚化できないが明確に定義できる概念」として「正百万角形」なんてものもあるらしいが、どんなに大きな数字を当てはめても「正○角形」は決して円と同一にはなりません。

生命の樹においてはこれが宇宙の始まりであり原理であり神のいるところ「至高世界」の象徴とみなされ、ここに「角度(Angle)」が加わり二次元の「面」が生み出され形作られるのが「天使(Angel)」の世界、さらに「量的」が加わり「物質同士」で均衡を保ち形をなす調和の世界が「マルクト=地球」と位置付けられます。

生命の樹はピタゴラスの提唱する完全な数字「10」の球から成り立ち、それぞれが「天動説」に基いた順番で惑星を象徴(天動説なので恒星は地球で太陽は惑星という理解)、なにやら複雑に線で繋がれていますよね。これは「霊的なエネルギー」が神聖な世界から物質的な世界に降り立つための、また神に戻るための「通り道」を表しています。
ユダヤ神秘主義者たちは「神との本来の一体性の状態」に立ち返ることを目標とし、それは「流れるエネルギーによって宇宙を維持する」という万物の相互接続性に対する信念でもあって、旧約聖書の秘儀的解釈による宇宙真理の追求でもあります。

神に戻る方法

それは古代ギリシャ哲学(エンペドクレス)に由来しています。平たく言えば「東西南北」の四方向、「地風水火」の四大元素、これが交わるところに現れる「乾湿温冷」の四事象など調和する何かがが等しい力で揃うことにより「次なる世界への目」が開き「霊視」や「霊的合一」に到達する、みたいな思想。

神秘学における東西南北は「地上」、地風水火は地上の「物質」、たとえば「冷」と「湿」の性質を持つ「水」を温めれば「温」と「乾」の性質を持つ「水蒸気」に変わるといった四元素の相互性は「繰り返し」を象徴するものであり、ギリシャ哲学はもちろんそういう自然界に生じる多彩な物質変化の体系的な解説でありながら、いわゆるスピリチュアルな側面を持つ思想とも相性が良かったわけです。

神秘学におけるエーテル

そして「アリストテレス」という哲学者が天上界(月から上の世界)を構成する「地上にはない仮想物質」として「第五元素エーテル」というものを想定したことにより、神秘学の世界における「五元素の世界観」が完成しました。

科学におけるエーテルの定義や歴史についてはまじでわけ分からんちんのためわたしはずっと「エーテルコア」をこの位置付けで解釈しており、イメージとしては主人公ちゃんは四大元素で形作られる地球そのものを司り星の代表者として神聖な世界から霊を受け取る人、これが流星雨で「エーテルコアのエネルギーは霊的なもの」であり「人が手を加えてはならないもの」であると語ってしまった理由です。

今回「あれなんかちょっとニュアンス違うかも」と考え直すに至ったのは、秘密の塔で彼女の心臓に「蘇生のコア」が入れ込まれたシーンを見たとき、ひょっとしてエーテルだけじゃなく四元素もその代表物としての「コア」がどこかに存在してるのか? と感じたためです。

約束の塔「水晶玉」とは

蘇生のコアが心臓に入る瞬間、どういうわけかそれは「色とりどりの光が流れる水晶玉」のような姿に変わっていた、みたいな描写があった気がするのだけど、もしかしたら「神聖幾何学」にも由来するのかなって思ったのでこれも覚え書き。ただし例によって理解はあいまいである(殴

神聖幾何学は「数や図形の中に宇宙の真理を表す意味が隠されている」みたいなことを探究する学問なのだけど、ある熱心な神秘主義者「プラトン」は、世界が「点と線」から始まり「多面体」に至るというピタゴラス学派の宇宙論を尊重しつつ、「地風水火」の四大元素をそれぞれ「正多面体」に結び付けることで「乾湿温冷」の四事象を「幾何学によって読み解く」という独特な空間理論を提唱しました。

正多面体は「各面がすべて同じ正多角形」且つ「各頂点で出会う正多角形の個数が等しい」立体で、これがどうがんばっても4、6、8、12、20の5種類しかないことから「根の物質」だって定義付けたんだと。しかも、たとえば土は手を離せば落下するし水は低い方へと流れる、一方で焚き火をすれば空気や炎は上昇する、みたいな「重さ」によって割り当てられているとかいないとか(理解できてない

4つの元素からなる4つの事象の拮抗状態で「物質」が形作られるというならなぜ「エーテル」はこの位置でしかも「正十二面体」なの? って思うんやが、それは正十二面体が「ピタゴラスの定理を巧みに用いた複雑な手順を踏まなければ描けないもの」であり、また唯一「黄金比が顕現している多面体」であることから、「正十二面体を使って神は宇宙の設計図を引いた」とかって結論されてるんだって。

ちなみに「黄金比」ってのはたまに見かけるこれですね。円周率と同じように「1:1.618…」と続くため「5:8」で描いてみました。これが正十二面体のどこにどう顕現しているのかわたしは分かっていません(逆に分かってることはあるのかレベル

なんでも、四元素が互いに混合することで事象の「生成」が起こり分離することで「消滅」が起こるその現象の広がる「範囲」というのが、この「黄金螺旋」ってのをぐるっと12本、さらに反転させてもう12本描いたときに現れる「円の中」って決まってるらしいんですよ(どゆこと

そういう意味でも正十二面体は「万物を包み込む宇宙の器」なんて言われているらしい。
うーんごめんよく分かってないけどやってみたら確かに円になったし薄目で見るとあの目玉のようにも見えるな…

蘇生のコアがなんらかの理由で「色とりどりの光が流れる水晶玉」に見えていたのだとすれば、それはエネルギーとエネルギーが混合することで事象の生成が起こっていた、ただしそれは神の設計する「円」の中で起こっていた、だから「玉」に見えた、みたいなことだったんじゃないかって気がするよ。

と言うか、そもそもコアの形もこのプラトンの空間理論がモチーフになっているのかも知れない…?

↑正多面体の全ての面の中点を繋ぐと特定の立体で双対性が見えるというのでやってみたらホントにもうひとつ中に対になる正多面体が描けたしなんか一段とコアっぽくもなったぁ(アホの子

元素のコアは揃えていいのか

仮にエーテルの他に四元素のコアが存在するならたとえば流星雨セイヤの「特別なコア」も忘却の海の夢の中ホムラの手で炎の中心にあった「水晶」もなんかそれぞれがそれぞれに所持してるっぽいし、なんなら合わせてみる? 合わせてみない? どうする? って葛藤や駆け引きがそれぞれとの物語の主軸であるかのようにも見えてくるよな。

と言うか、個人的には4人目の攻略キャラが彼だと知ってしまった時点でそりゃ最後のひとつはあなたが持ってるに決まってるよねって腑に落ちちゃったまであるんやが、どうやら秘密の塔に関しては「神」がそれをさせないようにしているし、金砂の海でもお付きの長老が、指間の流星では星の王室がむしろエネルギーを吸い取らんとして働いてくる不思議。

うーん本当にこの宇宙を「生命の樹」で捉えてていいなら調和させることで神の世界への経路が開かれるみたいなニュアンスだし、なんとなく「いいこと」のように思えるが。
本編セイヤも恐らくシンの所持する「最後の元素コア」を探していたのだろうし、8章では「その時が来るまで誰も彼女には近付くな」なんて言ってたんで、全部揃ったタイミングを見計らって共鳴や何かで混合させるイメージなのかとも思えていたのだがな。

ぶっちゃけ彼女を発見したことがもはや過去にやって来てすべきことがおおむね完了したようなここ5年間のキノアやセイヤの口ぶりにはずっと釈然としないものを感じていたし、長らく謎に包まれていた「ロールバック任務」がそれなら個人的にはとてもスッキリするのだけど。

いずれにしろセイヤに言われた通りに動いてれば間違いないんだよな? セイヤのすることがたぶんすべて正しいし(暴論

となると、そうやって見えない力を使って神がそれを邪魔するのも最終的に全部整うことを見越しての「ご計画のうち」であり「わざと」なんだろうか。

セイヤは星を救うことが「間に合わない」と言ってこっちに来たが、結局こっちにも裂空災変は起こりワンダラーが現れてエーテルコアは散逸しおまけにリモリアまでめちゃくちゃになってるとこじぃっと眺めていたあの赤い目玉がたとえば「もう片方のアスタの目」なのだとしたら、どの時空でもだいぶ本気で「阻止」しにかかってる気もするけども。

冗談のつもりで書いてしまった悪魔アスタロト説はワンチャンあり寄りのありなのか…? いやそうなってくると確かに「アモン」も悪魔側の名前ではある…(ゴクリ

α-P0159の正体

これ、すっかり忘れてましたw

ありましたよね「α-P0159」って。本編8章そこかしこで流れてくるラジオ放送の内容で、「巡航艦隊」なるものが深空トンネル内のエネルギー値を計測してたら発見しちゃったある恒星の「核」、すでにエネルギー反応はないが生命の痕跡は存在する、深空でもっとも鮮やかな色彩であろう位置にあるので「愛」を意味する「フィロス」と名付けられた、的なやつ。

こちらも神秘学における宇宙観に矛盾しないなら恐らく深空では恒星である地球の周りを惑星たちが回ってるっていう設定なんじゃないかな。
つまりα-P0159は「地球」なのだろう。
プレイ当初は科学的整合性を最重要視する超ハードサイエンスフィクションに見えてたためこの辺だいぶ混乱していたなw

もちろん生命の樹に「天王星」や「海王星」が割り当てられたのは星が発見されて以降のことで元来そこは「恒星天」「至高天」と呼ばれる「神の領域」「階層」のような理解だったりするんやが、星の来処セイヤは「宇宙誕生のビッグバンさえ見える無数の時空の光が集まる場所」に想い馳せたりしてたんで、深空における「万物を見る目を持つ神」はなんかこうもっとすごめの場所にいるようなイメージでいいんじゃないかと。

この辺りもこれまではただなんとなく「古代の神秘学っぽい」「古代の神話っぽい」「古代の哲学っぽい」とポイントポイントで感じていたものが秘密の塔を履修したことにより「この世界あまりにも新約聖書みを帯びている」と感じるようになり、今は中世盛期「スコラ哲学の思想」や「ルネサンス文芸」の方に繋がるようになりました。

スコラ哲学は平たく言えばキリスト教と自然科学の矛盾を解決し調和を図っていく学問スタイルであり、ルネサンスはローマ神話など古典古代文化の復興を目指す文化運動の総称、そういう思想や風潮を受けて生まれた文学の代表作と言えば、「天動説」と「聖書」と「古代ギリシャ神話」をひたすら全部盛りにした夢小説ポエム、かの有名なダンテの「神曲」ですね。

と言うか、深空は宇宙観だけじゃなく登場人物やシンボルやスケール感ありとあらゆる側面においてむしろダンテ「神曲」にこそインスパイアされているのではなかろうか。
ホムラくんが太陽に焦がれるのも「天へ帰らんとする焔」から着想を得てるのかも知れないし、何よりわたしぶっちゃけ深空の主人公ちゃんがあまりにも無邪気ゆえにときどき無配慮なこと言い放ってしまうような場面にひやっとすることたまにあるんだけど、乙女ゲー主人公に据え置かれるにはやや高姿勢な彼女のスタンス、ダンテの想い人ベアトリーチェに激似じゃね? (やめとけ

フィロス星核の空洞も上下ひっくり返るような描写があったし、そこ周辺「神曲」の地獄と煉獄から考察してみるのも面白いかも知れませんね。

ちなみにわたしダンテは聖書を半年学んでから挑みましたが途中で投げました。人生でいちばん読みにくい作品だったな。翻訳のせいかな(お前のせい

多元宇宙論

これについては改めて読み返すと本編冒頭からかなり匂わせてくれていたんですねぇ。

神秘学の宇宙なら思想上「物質的な生命の痕跡がある恒星」は「地球ただひとつ」ですから、これがトンネルの向こうにもうひとつあるらしいところ含め深空は元より「多元宇宙」の設定なのだと思います。

これも秘密の塔を履修したことで考え至りました。それまでは伝説含むすべてのストがきっちり時系列順に並んでいるように見えていたのに急に辻褄合わなくなっちゃったし、「見渡す限り一面のジャスミンの蕾」も記憶量として膨大過ぎる。

ただしわたしは「多元宇宙」が何たるかをいまいち理解しておりません。
昔流行ったSF映画で「インターステラー」が結構分かりやすく深掘りしてくれたがもひとつ分からんかったし、なんやインフレーションがどうのこうので宇宙が複数ある説や、バルクだのブレインだのがなんたらで宇宙が複数ある説、複数のブラックホールの中にそれぞれ別の宇宙が存在する説などそれっぽい解説記事や解説動画を読んだり見たりしたことはあるんですが、じゃぁそのうちのどれに該当するのかと言われればよく分かんないし、と言うかぶっちゃけわたし原子とか粒子とか重力とかってセイヤ先生のお話も実は半分以上分かってないんですよね。
最後は決まって全部あんたの好きなように解釈すればいいって言われるが、もうアホ相手に説明するの嫌になってるやん←

頭の中に映像が浮かばないので見解の余地もないんですが、なんとなく本編臨空市に「突如出現」したらしい深空トンネルは「別宇宙同士」を持続的に繋いでいるもののように見えており、セイヤやキノアの深空トンネルはロールバック2号が生成するワームホールとして通行し終えたら消えるもの、似て非なるもののようには見えるかな、くらい。

ロールバック2号のワームホールが時間軸だけでなく「別宇宙間」を移動できるかどうかは分からんが、本編8章セイヤとキノアの会話「不介入原則はもういいのか」「先に破ったのはあいつらだ」なんて下りからは恐らく彼らは他のロールバッカーたちに「不介入原則」を設け「史実が変わるほど過去に介入しないこと」を取り決めていたのではないかって気がしてるんで、セイヤ伝説指間の流星に関しては本編と同じ宇宙における「本来の未来」「書き換わる前の未来」の認識でよいのではないかなぁ。
そもそも別宇宙間を移動しちゃったらもうひとりの自分に出会ってしまいそうではないか? とかごめん発想が赤ちゃんで(しろめ
なんしか分からないんだ多元宇宙がw

海神ホムラのいた宇宙

逆に、少なくとも金砂の海に関しては深空トンネルの向こうから受信されたパルス信号を文字に起こしたらしい「深空伝説金砂の海第1巻」であることが明記されてるんで、海神伝説のフィロス星はそれこそ本編の地球の未来とは「別宇宙の物語」なのだろうと思います。

すると本編時間軸ホムラが彼女に思い出して欲しいのはシンプル指切りげんまんであり、葛藤しているように見えるのは奪われた故郷を復興させるのに彼女の力が必要だから、花束と挽歌タンレイの結婚式で彼らが「海神の心」を一切気に掛けていないように見えたのはそもそもこの宇宙におけるリモリアの歴史には起こっていない出来事だったから、てことでいいのかも知れません。

今のところトンネルの向こうにあることが分かっているのはすっかり死んでしまっているらしい「α-P0159」ってことなんで、海神はα-P0159で生贄の少女と出会い、一度は「預言者レイが蘇生のコアをそうしたように」本当に自分の持つ「海神の心」を彼女の心臓に注ぎ込んでしまったが、後世で彼女に「逆鱗」を捧げた潜行者ホムラが「心臓をえぐり出して欲しい」の願いに逆えずそれをしてしまったことで星核も死に至ってしまった、みたいな物語だったのかも。

潜行者ホムラの炎のEvolが黒いことが、仮に預言者レイの氷晶が黒くなるのと同じ理由なら、海が枯れて砂漠化が進むこともかつて彼が「彼女を死なせないように」働いてしまったことへの「最高神」からの「警告」や「罰」なのかも知れませんね。
枯れた海は一度は蘇ったのかも知れないが、「侍女サナ」が言ったように「洪水が起こってみんな死んでしまう」ってなことが本当に起こったのかも分からんし、するとたとえば長らく海がない星のもとに「ウロコ」こそあれど「尾ひれ」をすっかり失ってしまっていたリモリア人たちもまた抗う術を持っていなかったのかも分からんです。

ぶっちゃけわたしも「海神が純粋で敬虔な信仰を手に入れることはこんなにも難しい」世界を嘆いて「人間は本当に傲慢で愚かだ」とか語ってしまったし、リモリア人が贈り物にされることにも憤り「世界の上層たちが利益や恩恵の多くを享受するという定則は変わらないみたい」だとか言ってたし、最高神はさぞかし嫌気がさして箱舟さえ作ってくださらなかったのかも知れん。

もしかしたら預言者レイのいたフィロス星も、神の決定を覆すことなく運命のままに彼女を蘇生のコアのエネルギー源にしてしまっていたら、星そのものが氷雪に覆われて破滅へ向かうことになっていたのかな。

とは言え、他にも発見されていないたくさんの宇宙(=生命の樹)にひとつずつの地球(=マルクト=物質的命ある恒星)が存在するのなら、必ずしもα-P0159がそれだとは断定できないかも知れませんね。

ホムラ伝説読了直後はまさか別宇宙の話だなんて考えつきもしなかったし、「ホムラくんて海神だったんだ」「じゃあきっと長寿種なんだ」「24歳って年齢も人間で言うところの何歳に当たるのか分からんぞ」なんて思っちゃったんで、夜遊びの章「800年君を待つ間に魚は進化し肺を得た」なる発言がまんま芸術家ホムラの幼少期が800年前なのかも? なんて推断してしまったのだけど、仮に秘話セイレーンの歌5話回想の中で描かれる岩礁で挽歌を手向けていた「少年」が幼少期のホムラなら人間である主人公ちゃんとほとんど同じ速度で成長してるように見えるもんな。
ただし忘却の海クジラの歌など「ほんの数ヶ月」「ほんの数年」であろう期間が「遠い昔」「記憶が薄れるほど長い時間」と表現されるような場面もあるんで、ワンチャン海底と地上の時間の進み方には差異があるのかも?

となると、ふたりがあの指切りを交わしたのはUnicorn実験の少し前、たとえば「遠足で帽子島を訪れた際」など幼い彼女がたまたま浜辺付近で不思議な少年と出会うもその後の波動実験で記憶が消滅し今に至る、みたいなことなんだろう。「800年待った」発言は改めて彼の「センス」だったということ&彼は本当にただただ一途なだけの男の子だったということになるのではなかろうか(萌

時系列を考察

せっかくいろいろ改めたのでこちらも書き直しておこうと思い、現時点での読了ストを整理配列、分かってること分からないこと書き連ねてみました。

恋と深空-時系列を考察

恐らく本編臨空市の数百年後の世界であるまだ見ぬ黎明のレイに「夢の中で触れることができてしまった」主人公ちゃんは「アスタの力を手に入れた」ために「万物を見る」ことができるようになったのだろうという解釈のもと、レイ伝説秘密の塔もまた別の宇宙におけるお話なのではないかと考え至りました。
アスタの力はきっと「すべての時空の光の集まるところ」に座す神の力なので、別宇宙間の別時間軸に存在するすべての主人公ちゃんに影響するのではないかという見解です。

本編時間軸の地球がある宇宙における時系列の始まりは、いったんセイヤ秘話流星の降る夜「地核が解体した地球のバラバラになった陸のプレートを人工星核により繋ぎ止めたことでフィロス星が誕生した」地点にしときましょう。

預言者レイが神の啓示によって知り得た事実「氷裂症の原因がコアとの共鳴であること」までクラスメイトのセイヤは理解していなかったように見えましたが、恐らく再誕した妹弟子である彼女が心臓に疾患を抱えていなかったことから、実はあの天鏡塩湖の桟橋で最期を迎える瞬間、これまた「預言者レイが蘇生のコアをそうしたように」彼女の心臓に「特別なコア」を接触させることができていたのではないかな。

ロールバック隊が本編時間軸へやって来た2034年より200年前地点は完全に「書き換わった後」の方ではなく敢えて真ん中にしてみました。
ロールバック隊実質解散となったキノアの脱退は秘話世を過ぎゆくの方でもちらっと描かれており、ぶっちゃけ2033年セイヤが013小隊で偽装殉職をする頃にはハンチングはとっくに原則を破ってEVERに接触してたんだとは思うのですが、ここでうっかり「初めての痕跡を残してしまった」と言ってたセイヤはまだ原則を厳守している状態なんだと思うので、彼の気持ちを考えたらいったんここに置いときたいなってw

最後に…

まさかこんなに長くてつまらない記事をここまで読んでくださる方がいるとは思えないのだけど、最後までお付き合いくださったお優しい方がもしいらっしゃるのなら心からお礼を言わせてください…
本当にありがとうございました!!!(クソデカ