空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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秘密の童話

こちら随分前から所持していたもののスマホ容量パンパン問題によりだいぶ気合い入れて大掃除してからでないと音声ドラマをDLすることができないことから例に漏れず長らく放置してしまっていた思念のひとつでございます。

伝説スト人知れぬ沫雪を読み終えて、レイにとって「ジャスミン」って何やら物凄く深い意味のある花なんじゃないかと考え至り、大慌てで手持ちの思念を確認したところいちばん花が関係してそうなスチルがこれだったんで早速聴いてきたんですが、結論ジャスミンとは全くの無関係でした(しろめ

ただ、個人的にちょっぴり気になるところもあったので以下覚え書き。

まず、ざっくりストーリーとしては仲間内のパーティーに参加したつもりがどうやら合コン組まれていたらしい主人公が隙を見て2階のバルコニーに避難していたところ偶然下を通り掛かったレイがいろいろ察して会場から連れ出してくれたんでふたりは人の少ない静かな公園を訪れて日が暮れるまでのんびりとしたひと時を過ごしました、みたいな内容です。

主人公ちゃんはわちゃわちゃしてたらうっかりワインをこぼしちゃってレイはたまの休日天気も良くて外で読書するのもいいなぁなんてひとり道を歩いてたら突然頭上からワインが降ってくるのを慌てて避けなきゃならんことになるんやが、粛然とした彼の世界が突然何の前触れもなく賑やかな彼女によってめちゃめちゃにされてる感じがたまらないですねw

公園に着いてからもレイは当初の予定通り持って来た医学書を黙と読み進めているのだけど、「鳥がいるよ」「リスがいるよ」「退屈だなぁ」とお構いなしに話し掛けてくる彼女に観念し、暫し読書を中断してお喋りに付き合ってやることに。

すると彼女は「昨日こんな話を聞いた」と言って「森に住む魔女」について熱く語ってくるんやが、ようよう聞いてみるとこれが「強い力を持つ魔女の願いは森を出て外の世界を見ること」「人間が森に迷い込むたびに外に連れ出して欲しいと頼んでくる」だとかって、まるで南山の奥懐で神木により力を抑え込まれていたあの少女を連想させるかのような物語だったりする。

本人いわくそれは「掲示板で読んだ都市伝説」みたいなもののようで、ストは「この公園の奥の森にも魔女がいるかも」「探しに行ってみよう」と展開していくのだけど、もしかして彼女には本当に転生前どこかのタイミングで今度は「魔女」として森に閉じ込められていたような過去もあるんじゃないか? なんて深読みしてしまったな。

公園奥柵を越えたところにはかつて動物園のような施設だったのではと思われるような建物や観光客用に建てられたらしい古い別荘の跡地があったりして、主人公は思い立ったかのようにその錆びたフェンスの向こうに踏み入ると「私はここに住む魔女よ」「あなたは誰?」なんて唐突に「森の魔女ごっこ」を始めたりするのだけれど、「森を散歩していたらここへ迷い込んでしまったんだ」とレイが「人間役」を買って出てくれたのをいいことに、「外の世界って楽しい?」「公園で本を読むだけならつまらないよね」とかって、ごっこに乗じて彼の口から今日のプチデートの感想を聞き出そうと試みる。

レイは「確かにつまらないかも知れないが特別な人に出会えた時にその価値観は変わる」「それは通り掛かりにワインを溢してきたり読書中に隣でぺらぺら喋ってるような人だ」と彼女の思惑通りに言葉を紡いでやるのだが、最後ちょっとだけ意味ありげに「私は時自分がどんな場所にいるのか分からなくなることがある」、だから「私の世界には彼女の雑音が必要」であり「この世界のほとんどの場所は彼女が見せてくれた」なんて密かな胸の内を打ち明けてくれる。

単に粛としたレイの世界を思いがけず華やいだものに変えてくれるのはいつも彼女だって言いたいだけなのかも知れないが、「自分がどんな場所にいるのか分からなくなる」のは12歳から「雪山の死神」を夢に見ている彼の「能力」によるものなのだと思われるし、そんな彼を本来の居場所に引き戻してくれるのが主人公という存在であり、ワンチャン「天地を自在に渡る力」なのかなって気もしちゃったよな。

前世や来世の自分を夢に見ることができるのも今のところレイと主人公だけに見えてるし、黎明に至っては別の時間軸に生きてるふたりが夢の中で繋がってしまったりもするもんで、もしかしてレイの心臓にもエーテルコアに近いコアや対になるようなコアが眠っていたりするんじゃないか? とかは前から考えてしまったりしていたんだけども。

雪まみれの階段では「変えることのできない終局」に「最後の選択肢」があるって言うのがたとえば彼女の心臓が悪しき者の手によって悪用されるときこれを「阻止」するためにレイという人が存在してるってことなんかな? なんて思ったりもしたが、人知れぬ沫雪読んでみたらどうやら彼の役割は「変数」の「封印」や「保護」のようだったんで、すると時空によって「心臓に疾患があり短命」であったり「普通に長生き」であったりする主人公は前世レイとどう関わったかによって次の寿命が決まったりしてるんか? とも思えてきちゃったし、仮に今「星か彼女か」の選択を迫られているのがセイヤで「海か彼女か」の選択を迫られているのがホムラならレイは「世界か彼女か」の選択をとうに迫られたことがあり世界を選んだことも彼女を選んだこともあるってことなんかな? って気さえしてきちゃったな。

天命に従ったこともあり抗ったこともあるからこそ彼は聖書的に言う「みこころによりご計画のままをみな実現される方の目的に従ってこのようにあらかじめ定められている」ことをすべからく知っているのかも知れませんなぁ。

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