空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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2部2章 破られた霧

いやぁ前章さんざっぱらサタン呼ばわりしてしまったこと謝りたいですね。なんていい男なんだシン←

個人的にはいろんな点と点が線で繋がってものっそスッキリした部分と逆にドデカ宇宙に飛び出してもっと遠のいてしまった部分がちょうど半くらいの気持ちいい読み応えのストでした。

めっちゃ泣いて、めっちゃわろた(疲労

Elysium

N109区内にある雀荘のようなボドゲカフェのようなオシャレな酒場。たむろってる男女はきっと後ろ暗い賭博なんぞしてるんだろうがオーナーが割と上品なママだったり小さな女の子が出入りしてたりと比較的治安は良さげ。

そんな盛り場で「実はもうどこかで死んでいるんじゃないか」と噂されるほどシンは長らくこの地区から行方をくらませていたらしく、彼の不在中に暗点はすっかりEVERと手を携え今は「コウジ」という男を筆頭に動いているみたい。少なくとも「アーテーの泉」に加担してる直近の暗点はシンとは敵対勢力だって認識でいいのかな。

シンは彼女をひとり酒場に差し向けてまんまと押し入ってきた謀反者らをその場で粛清にかかるのだが、どうやら付近で起動しているらしい引力錨により無限に出現するワンダラーは根を絶たなければならないと判断、彼女には「オークションに参加するための試験」だなんて言ってその場を任せ、特別なEvolがなければ開かないはずの石の錨に「無数の糸」のようになった「赤黒い霧」を流し込み内部から粉に爆破させるシン。

一方彼女は電気制御盤を破壊された真っ暗な店の中でひとり無数のワンダラーと対峙することになるのだが、通信機越しでのシンのサポートもあり、引力錨が停止され事が収まるまでの5分間を無事持ち堪えることができました。

ただこの場に出たワンダラー、恐らく起動装置なんだろう引力錨が壊された後も靄になって消えたりせず「硬直して赤ん坊のように縮こまる」だけ、主人公は戦いながら「不死身なのではないか」と違和感を覚えていたみたいだし、よく見れば結晶が付着し腐食した皮膚と微かに見て取れる人間のような顔、傷口からは血ではなく油膜混合物のような粘液が流れており、胸にはタトゥーのような模様があった、って言うんですよね。

深空で胸にタトゥーがあるの、逆鱗を捧げたリモリア人の他に心当たりがないが…

いやいやそんなことない絶対そうであって欲しくない、もしそうだったらわたしもうその先読めないかも知れないんだけど、でもEVERは彼らを「研究サンプル」と呼ぶし、血を抜くし、逆鱗を抜き取られちゃったらきっと逆らうこともできないのだろうし、あ、これ以上はだめだまた泣きそう(情緒不安定

主人公ちゃんはたまたま弾丸が酒樽に当たって火がついちゃったからこれが薄ぼんやりと見えてしまったが、「時間稼ぎのため」だとか言って真っ先に灯りを消したシンはたぶん彼女にそれを見せたくなかったんじゃないのか。

あの雪山で結晶が無数のナイフのように身体中に突き刺さり肉を引き裂かれ激痛にうめき声を上げながら「殺してくれ」と懇願するトオヤの描写とか、レイの悲痛な「できません」とか、「これさえ見なければ彼はまだ仕事から帰って来ていないだけなのだと自分に嘘をつき続けることができる」と彼の殉職の勲章をレイに預けに来た婚約者のシーンとか、ほんまいろんなもんがぶわっと蘇って泣けてくるもんでしばらくこの画面からタップできなかったよ。
花束と挽歌プルメリアの女の子のときもそうだったんだけど、わたしだめなのよこういうの。読み終えた後もしばらく引きずってしまうんだから。涙

同時にめちゃくちゃ怒りが湧いてむっちゃ心臓煽ってたから一瞬自分がシンにガチ恋してしまったのかとも思った。これが吊り橋効果ってやつか(ちがう

やっとEVERと長恒山が繋がりました。
拮抗薬の研究だけが小さな小さな希望だな…

メフィスト

シンのお供のメカニックなカラス。サタンをモチーフにしたゲーテ「ファウスト」のメフィストフェレスから名付けられたのではないかなんて言わないよ。わたしはもうシンをサタン呼ばわりしないと決めたのだから←

彼女が暗闇でひとりワンダラーと戦う間メフィストは赤く光る目で敵位置の特定をお手伝いしてくれていたのだけど、うっかり弾が当たって怪我をしてしまったらしく、不満げにカァカァ騒いで抗議してくる描写がなんともかわいらしい(萌

同類

オークションに参加するための試験だなんて適当言って「自分をおとりにして裏切者を一掃したかっただけじゃないか」と不服げな彼女はシンにあれこれ文句をぶつけたり皮肉を言って煽ったりするんやが、シンはべらぼうに優しく笑っておでこをコツンと小突くだけ。なんだこれめちゃくちゃドキッとしてしまったぞ(ちょろい

いつになく取っ付きやすい彼の雰囲気に主人公はシンの言う「俺たちは同類だ」という言葉の真意について「シンの身体の中にもエーテルコアがあるのではないか」「自分のコアは心臓にあるがシンのコアは目の中ではないか」と尋ねたりするのだけど、シンは「お前がそう思いたいなら」と返答。まじ…?

確かに1部5章ファンは「哲学における第五元素エーテル」を引き合いに出してコアの見解を述べてたし、それで言うとニュアンスとしては天上界(月から上の世界)に「無数に充満してる」仮想物質ってことにはなるけども、すると階層(宇宙)によってはエーテルコアって「世界にひとつしかない」なんて言われてる流星雨特別なコアや蘇生のコアなんかよりよっぽど希少性高くなさそうジャン←

やっぱりふたりは別の宇宙から「堕天」してるようなイメージなのか…?

するとそれぞれエーテルコア+共鳴=生命蘇生、エーテルコア+エネルギーコントロール=治癒だったりするのかな。

カラスのブローチ

めちゃくちゃ割愛されてたがなんかピックされてるなぁと感じたので覚え書き。

主人公はオークションで自分は最後まで安全にエーテルコアを取り戻すため、シンは彼女をおとりになお潜んでいるであろう裏切者をあぶり出すため、当日は「協力」「共闘」しないかと最終交渉をシンに持ち掛ける。

報酬として必ず「共鳴」に尽力することを約束すると言う彼女にシンは「チップが足りない」と主張、「さらに24時間以内にこれを俺から奪うことができたら」と「カラスのブローチ」をチラつかせるんやが、エネルギーコントロールなる無双Evolを持つ彼がもし本気でそれを申し出ていたのだとしたらこんなにあっさり奪い取れちゃうわけがないんで、元彼女に贈るためのものだったのか、あるいはオークション会場でこれを身に付けていれば「バックにシンが付いている」と分かるようなシロモノで護身のために持たせたかったのか、いずれにしろこれが「一体何なのか」今は有耶無耶にしておきたい意図があるのかなぁと感じてしまいましたねぇ。

コアオークション

ここめちゃくちゃ心躍ってしまったなw
主人公ちゃんは当初の予定通り暗点のボスに可愛がられてる「謎めいた極道ファミリー次期当主」のテイで「高飛車な女」を演じつつオークション会場に潜入、シンのカードを使って「ここからここまで全部いただくわ」的なことやってるの。ちゃんとセイヤのレクチャー通りにできてる。えらい。めちゃくちゃかわいい。これこれ、これが見たかったw

一方シンはついにコウジと対峙、始めはシンに媚び諂い油断させてしれっと計画を進めてしまおうと目論んでいるような調子だったが締め上げられれば苦し紛れに暴言を吐き付けるコウジにシンも容赦なく、赤い右目を光らせて顔を覗き込めばまるですべてを悟ったように「なるほど」「奴らの手段は変わっていないということか」なんてひとり納得してる様子でもあったんやが、これは「思考を読んでいる」かのようにも見えたし「万物を見る」「運命を見る」力であるかのようにも見えてしまったな。

結局オークション会場は暗点がシンを暗殺し彼女を手に入れるために用意された舞台だったみたいで、とは言えふたりは先手を打って現場は騒然となりコウジもその取り巻きたちも一掃されてしまったが、「最後の切り札」としてEVERが用意していたのは屋上の基地跡に据え置かれている引力錨に仕込まれたエーテルコア、そしてこれに呼び寄せられたかのように上空に浮かぶ巨大な深空トンネル、コアを取り出して無効化を計るもギリ間に合わなかったみたいで、現れたのは「裁きのハヤブサ」なる超激やばワンダラー。

あまりに目まぐるしく場面が切り替わるためテキストを追うことができず何が起こったのか詳しく把握し切れてないんやが(殴
宇宙弱いんで「深空トンネル」ってぶっちゃけずっと絵が浮かんでなかったんだけど、こういう感じだったのね。もっと真っ黒なの想像しちゃってた。

共鳴

裁きのハヤブサとのバトルは恐らく負けイベントになっており、主人公はついに倒れ込んで何やら幻覚のようなものを見てしまうのだけれど、恐らくこれが「シンが彼女に思い出して欲しい記憶」の一部であり、流れてくる声のやり取りから察するにたぶん命が危うい彼女にシンが「ここで倒れるな」「お前が倒れたらもう後戻りできない」って呼び掛けているようなイメージ。
映像はボヤボヤで正直よく見えなかったが個人的には相手は黒いドラゴンで彼女はそのドラゴンの手を握っていたかのように見えちゃったなぁ。
ただわたしはもう彼をサタン呼ばわりしないと決めたので、ひょっとしたら「不死鳥」とかそういう…

↑噂によれば角も生えてるらしいがな。どうしても寄ってしまうなサタンにw

現実の方のシンはというと、やはり同じように「ここで倒れるな」と手を差し伸べてきて、さらに「俺から借りた命をまだ返すときじゃない」なんて言ってくる。
彼女にはシンの「上」にもうひとつ別の「影」があるかのように見えたりもしたらしい。

この辺も理解し切れてないが、いったんコアうんぬん置いといてきっと彼はどこかで命と引き換えに彼女を守ってくれたのだろうと認識しておくことにしようかな?

そして差し出された手を取ると彼女はようやく彼と共鳴することができたみたいで、絡めた指の間に力が集まった、心臓の奥が震え身体中に何かが流れ込んでくるのを感じた、とかって書いてありましたね。

そのタイミングでワンダラーも磁場もトンネルも消失しエーテルコアから「無数の金色の光が胸に入っていった」ってことなんで、全てが彼との共鳴を切っ掛けにおさまったように見えてしまったな。

ちなみにふたりは共鳴すると手首を「チェーン回路」で繋がれてしまうらしい。シンが言うには「どちらかのエーテルコアを壊すか腕を切り落とすか」すれば即解消、ただし今のところ「この程度の共鳴強度ならそのうち消えるもの」ってことみたい。

ひとつ気になったのが、エーテルコアは金色の光を全て彼女の胸に注ぎ込んだ直後ひび割れて壊れてしまうんですよね。
プラトン空間理論においては「宇宙の器」と呼ばれる正十二面体で表現されるエーテルだからこそ文字通り「器」のような役割を果たしているのか、あるいはエーテルに限らずコアってみんなそうなのか、いずれにしろアジトへ戻るとアキラとカゲトが「エーテルコアを壊したんだって?」「やるなぁ」なんぞ褒め上げてくれたりするのだ。

コアはすべからく回収し提出すべきものとして刷り込まれてきたが確かにセイヤはせっせと壊しているし、思い返せば星の来処キノアも「コアを壊さなくちゃ」って言っていたのだよな。
コアって本来壊すべきものだったのかな?

別の世界

シンと共鳴してから燻り始めた彼女の記憶の中の世界。シンとの記憶なのでかつて彼と居た世界におけるものなのだろうとは思うんやが、これ「裁きのハヤブサ」が展開した磁場に全く同じものがあったように見えたんだよなぁ。

わたしこの辺いまいち咀嚼できてないんだけど、引力錨で呼び寄せられたトンネルやワンダラーってのは、ある宇宙(世界)と繋がったその先から「やって来てる」って理解でいいのかな。
それとも14年前にこの宇宙(世界)に蔓延しちゃったらしい特異エネルギー(セイヤが言うには人間が星核エネルギーに変換されるときに生じるエネルギー)が、何かの切っ掛けで集まって集まってポンッて生まれるの?
仮に前者ならシンも主人公ちゃんも裁きのハヤブサくんもみんな「同じ世界に居たことがある」「そこからやって来てる」ってことになる?

てか、ワンダラーの磁場って何を元に展開されるんだっけと気になって久アプリ用語集的なとこ開いたらめちゃくちゃ激似モニュメントがそびえ立ってたんやが、こんなの前からあったっけ?←

もしかして災変で臨空にやって来たワンダラーもそれ以後各所に現れるワンダラーもみんな同じとこから来てるのかな。よーく見ると星の磁場って床も引力錨の菱形模様の先に大きな目玉がくっついたようなデザインになってるのだけど…

じゃあEVERは始めから彼女とシンがかつて居たっぽいその時空を狙って引力錨を造りトンネルを生成してその時空のワンダラーを呼び寄せてたってこと?

裁きの天秤

「裁きのハヤブサ」にだいぶ引っ張られてはいるが、彼女の燻る記憶の中でもひときわハッキリしているあの秤風モニュメントは大天使ミカエル「裁きの天秤」がモチーフなのかなぁと。

聖書と言うより西洋絵画の方になっちゃうが、神が裁き主である「最後の審判」は過去現在未来生きてる人死んでる人全員の魂の「善」の重さを計る、みたいな場面としてしばしば「天秤」が描かれたりするのだよね。
なんとなく「全部見える」らしいアスタには通じるものがある気がするし、真ん中にあるちょっと「目玉」っぽいものもなんかそれっぽいし(無理やりこじつけていくスタイル

神秘学においては善悪の「バランス」の象徴として天秤が用いられることもあるけども、すると「目玉」を善悪の真ん中に据え置いたようなこの天秤、均衡が保たれていれば色は白く秤のパーツは見えないが、悪に傾けば黒くなる、あるいは最高神が死神に「堕ちた」ことを暗示する意図があったり…?
そう言えばコウジがシンとの面会に用意した部屋に飾られていた絵画には「天使」「悪魔」「死神」が描かれていたような(深読み

と言うか、そもそも彼女の記憶の中のシン「ここで倒れるな」「お前が倒れたらもう後戻りできない」ってセリフもちょっと不自然よな? 倒れたら「もうおしまい」か「もう進めない」と結論すると思うが、「後戻り」ができなくなるってどういう…

たとえば悪によって破滅に向かってしまう何かを「ここで食い止める」「お前さえ倒れなかったらまだ取り返しがきく」という状況下においてふたりは「善」の側だったのかな。
無意識下にあるその「兆し」のようなものを必死に手繰り寄せようとするとそれを察したように「シンと繋がったチェーン回路が僅かに光る」なんて言ってたりするんで、「エーテルコア」や「共鳴」に関わる「何か」が起こっていたのだとは思うのだけれども…

記憶が刺激されるたびに恐らく深空トンネルの中で「止まった時間が動き出す」「星が目覚める」ような描写が入ったりするんで、ワンチャン「α-P0159」が主人公ちゃんとめちゃくちゃ密接にかかわっている星なのかも知れないな。結局「後戻り」はできなかったのかも。

読み終えて…

次章未実装なのにどうしてNEWマークが消えないんだろうとあちこち探し回ったら世界の深層の方が開放されてましたw

シンの秘話も早く読まなきゃだし思念ストも読みたいし、子どもたちは夏休みだしどうしよう。また時間見付けてどこかでまとめて読もう。しばらくインのみ勢になりそうですがフレさんに見捨てられませんように(切実