空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

ページのトップへ

4章 夕闇の下

特異エネルギーの爆発は昼夜を問わず各所で頻発するようになり、これによる負傷者はすでに22人にものぼるということで、外出時の注意喚起がますます呼び掛けられるようになったある休日、主人公は兄マヒルと市内中心部からほど近い閑静な住宅地「花浦区」を訪れる。
ここにはふたりの実家でもあるおばあちゃんの暮らす一軒家があり、しばらくぶりに集った家族は温かい食事を囲みながら互いの近況を報告し合ったり、他愛のない話に花を咲かせたり。主人公もハンターから孫らしい顔に戻り、束の間の休息を満喫。
なんだけど、自宅前通り付近で突如として勃発した爆発及び爆風に巻き込まれ、主人公は負傷者として幾日かの入院、家屋は全焼、路面は陥没、そしておばあちゃんとマヒルは、この相次ぐ爆発事故による最初の死者となった。

本当に、衝撃でした。
一人称視点のこんなにリアルなグラフィックで見ちゃったら軽いトラウマになりそうなんやが…

退院後も日に日に憔悴し弱っていく主人公がそれでも自分を奮い立たせてこれまで以上に任務に没頭するようになる痛しい様子とか、これを支えようにも手立てがなくもどかしげな同僚たち、妹想いで過保護な兄と主人公の微笑ましい回想シーンなんか、もう泣いちゃって無理読めなかった…

とは言え今章でなんとなく明かされた秘密や気になるところはいくつかあったので以下覚え書きです。

波動の源

爆発事故が起こる少し前、家族団らんの最中に突然探査器が波動を検知したことで「少し様子を見て来る」と主人公は付近の巡視に出掛けてしまうんですが、途切れ途切れになる波動をEvolで補いつつその源を辿っていくと、周囲の目から逃れるように帽子をまぶかにかぶり、ひっそりと路地裏に入っていく一人の男性の姿が目に留まります。
不審に思い慌てて本部に現在地を送信しようと器機を構えるも、どこからともなく鋭利な刃物のようなEvolが掠め飛んできて阻まれ、不意を突かれたその一瞬で男を見失ってしまう。

男は尾行を撒くことに長けており、Evolverであり、恐らく特異エネルギーを放つ何かを所持してる。改造コアを密売する暗点の関係者…?

ぶっちゃけわたし、爆発事故は引力錨周辺で起こるもんなんだって思ってたんですよ。
でも花浦区の周りにはそれらしい基地跡や森や廃墟なんか一切なさそうだし、もしかしたら暗点の構成員はどんな場所でも意図的に特異エネルギーを爆発させることができる、今回の爆発もこの男によるものだった、ってことなんだろうか。

いやさすがにそれは安直過ぎるよなぁ。そもそも名前が「暗点」なんだから彼らは夜の隠密部隊に決まってる。白昼堂ブツを持って街をうろついてるなんてそんなやつ暗点じゃない。暗点だったらクビ←

天行市

コアのエネルギーにより臨空市上空に浮遊する空中都市。最先端の研究センターや科学技術企業ほか、マヒルの母校でもある「航空アカデミー」って大学まであるらしい。これ自然に浮いてるわけじゃなく人工的な浮遊島よな? そんなにあれこれ建設して重みで落ちやしないか怖くないのか(アホの発想

進学が決まったマヒルを天行市へ見送る日、彼は主人公がこっそり準備して隠し持っていたお祝いのプレゼントを渡す前に見付けて先にお礼を言ってしまう、なんていたずらを仕掛け可愛い妹をからかいたくて仕方ないのだけど、きっと本当は兄が家を出ることに反対で、寂しくて、落ち込んでいて、照れもある、そんな複雑な思春期の女の子が意地を張ってそれを渡しそびれることがないよう、おふざけを演じてくれていたんだよね。
このシーン、どうやら彼は物を浮かせて運ぶことができるEvolverってことみたいでした。

そうして無事渡すことができたプレゼントのネックレスは、以来マヒルが肌身離さず身に着けていたものであり、今回は爆発事故現場に残されていたもの、今は最愛の兄の形見として主人公が所持しているみたい。

ちなみに事故直前、いつまでも兄に心配を掛け頼っていては良くないと感じた主人公は、怪しい男に遭遇した際に負った手首の切り傷を「猫に引っ掻かれたもの」だとごまかしてマヒルに叱られてしまうのだけど、この時のマヒルはただの過保護ってより何か見えないところでずっとこっそり何者かから彼女を守り続けてきたかのような、そしてこれからもそれができるのは自分だけなんだというようなニュアンスの言葉を言いかけて飲み込んだように見えました。「オレが守らなきゃ誰がお前を、」「いや言わない」「言っても分からない」って。

主人公のEvolはコアを巡ってひしめく暗点やダークハンターのような悪しきものだけに留まらず、怪しげな医療機関や「ハンター協会」のような権威あるもの、宇宙研究や海洋研究の分野でもいいように使われたり利用されたりする可能性がある、ってことを懸念していたのかも知れませんね。
物質エネルギーをコピーしたり増幅させたりできるなんて、特に科学者や研究者からしたら欲しくてたまらないだろうし、技術革新と引き換えに彼女の身体に悪いものが溜まっていくような副作用があったとてその程度なら上手いこと言いくるめて使わせていただこうってことになるんじゃないか。

どうやらマヒルは天行市内で働く戦闘機パイロットだったようで、思い返せば1章終盤「飛行任務」や「パトロール」について少しだけ話してくれていましたがあまり多くは語られず、「これ以上は話せない」「本当に秘密の多い職業だね」なんてやり取りもありました。一般の人は知ることのない漏らしてはならない機密情報をたくさん抱えていたのかな。

しかし、天空には空飛ぶ都市があり深海にはかつて栄えた都市国家がある、すごい世界だよ深空は…

Akso病院

レイの勤め先は「Akso病院」て名前だったのね。彼の肩書は主任医師であり心臓外科センター副統括であり、経歴は2年前に「摘星医学賞」と「杉徳賞」を受賞ってとこまで載ってました。

うわ、杉徳だ←
経歴に載る規模のアワードを主催するほど大きな組織であり、またレイも賞を授与されるくらい何らかの形で彼らに貢献はしたんでしょうね。

あとはだいぶ見切れてるけど副統括に就任したのは2048年って書かれてるんじゃないか。「コア介入症治療のエキスパート」とも書いてあるらしい。

事故の後、主人公はこの病院にしばらく入院してたみたいなんですが、どうもそれは爆発で怪我をしてその処置やリハビリをしてたってことじゃなく、特異エネルギーの影響で心機能に異変があり、心臓のエネルギー分解手術を受けていた、ってことのようです。

あの事故の真実が知りたいと言ってほとんど眠らず調査に没頭するあまり恐らく術後の注意事項や自宅安静をひとつも守っていないであろう主人公、ミナミやモモコの目から見ても明らかに「弱ってる」「やつれてる」状態で術後検査に行くと、案の定めちゃくちゃ怒った様子のレイ先生。医者然として言葉は厳しく淡としてるのだけど、声色から「心配」が痛いほど伝わるよ…

本来なら3ヶ月は入院すべきところ、きっと動けないとますます心を病んじゃうだろうからってことで特別に退院を許可してくれたみたいなんだけど、「今のお前を見て後悔している」って言うんですよね。その一言にめちゃくちゃ気持ち込もっててなんか泣いてしまった。涙

相次ぐ事故の影響で緊急オペに忙しく付きっ切りでいてあげられないことに物凄く歯痒さや無力感を覚えているんだろうけど、何をしてくれるでなくても今の主人公ちゃんにはレイ先生の「存在」がとっても大きな支えになってるんじゃないかな。だからいいんだよ、担当医としてでなく大切な女の子として守ってあげたい想いが勝っても(だまれ

特異エネルギー安定装置

変換されたEvolのエネルギーを放出させることで周囲の特異エネルギーが聚合しないようエネルギーの均衡を保つための特別な装置。公共的な機関や施設内に備え付けられているらしい。
なるほどワンダラーは必ずしもハンター頼みってわけじゃなくこうやって出現を防いだりもしてるんですね。だから病院にはワンダラーが出ないんだ。

って思ったら、検査を終え結果を聞いた深夜まもなく病院を出ようというところで突然ワンダラーが出現、レイとふたり共闘して無事倒すことはできましたが、これは今まで対峙した中で「いちばん強いワンダラー」であり、こんなところに現れるなんて「病院の安定装置が壊れてしまったのではないか」と主人公。暗点が動き出したことでこれまでの方法では対処し切れないほどエネルギーの乱れが大きくなってしまってる、ってことなんだろうか。

ただ、これが起こったのが「レイの執務室」だったってのも少し気になります。レイの専門は「コア介入症」っていうコアエネルギーの影響による身体症状の治療みたいなので、もしかしたらそういうのが関係してそうな、してなさそうな←

ちなみにこのシーン、何もないただの空気から特異エネルギーが集まって膨らんでワンダラーになる瞬間ってものを初めて見ました。
キレイかったです(ぉぃ

レイのEvol

戦いの後、レイは自分のEvolを最後までコントロールし切れずに腕をのまれそうになってる、ように見えました。呼吸を整えしばらくじっとしているとおさまるもののようですが。

わたし悲しいかなレイとはホントにご縁がなくて、恒常ガチャでも一切呼べず個ストもまったく読めてないんですが、恋と深空は未所持の思念でもデモプレイのようなショートムービーをチラ見できるという親切設計になっているため、ぶっちゃけたびたびこうして彼が自分のEvolを制御できず苦しそうな顔をしてる場面は目にしているのですよね。
Evolは時に持ち主の力を凌駕したり手に負えなくなることがあるもんなんでしょうか?
それともレイのEvolは特別扱いにくい種類のものだったりする?
Evolに関する理解が甘くて前作をプレイしていないことが非常に悔やまれる…

スエ

7歳の主人公と兄マヒルを引き取り愛情たっぷりに今日まで育ててくれたふたりの養親であり、おばあちゃん。なんだけど、どうやら主人公とマヒルは本当の兄妹ではないらしく、となるとこのおばあちゃんも実際血縁関係にある人なのか分からなくなってくる。そんな話どこかにあったっけ?←

頭痛の症状に悩まされ入退院を繰り返していたが最近ようやく落ち着いて服薬と通院で経過を見ていたらしいおばあちゃん。ただ、レイの回想では彼の患者としてすでに余命宣告を受けており、「もう充分だ」「ついにこの日がやって来た」と延命の中止を決断しているようでした。

ちょっと引っ掛かるのが、おばあちゃんはその流れで最後にレイに「最悪の状況になったらくれぐれもあの子を助けてね」ってお願いするんだけど、今章ラスト、レイはそのやり取りを思い出しながら「最悪の状況なんて必要なかったはずだ」って苦しく独り言つんですよね。
「必要なかった」ってことは「そうじゃない選択をする余地もあった」ってことなんだろうけど、仮に今のこの状況がその「最悪の状況」なんだとすると、この一連の出来事はまるでおばあちゃんの采配によって引き起こされたもののようにも聞こえてしまうよな…
あるいはレイもおばあちゃんもよく知る誰かによって、その誰かが遠からず「最悪な状況」をもたらすであろうことをおばあちゃんは予見していて、レイは「必要ないはずだ」と抗っていた、とも取れる。

実はおかしなところは他にもあって、そもそも今回の事故、感覚的には恐らく家の前の「通り」を中心に起こってる爆発なんですよね。
「花浦区夕照通り502号」って住所で言われるとワンチャン敷地内だったのか、庭や駐車スペースだったのか、正直その辺は定かじゃないんだけど…

タイミング的には外出していた主人公をひとり家の外に残してマヒルだけが玄関に入ろうとした瞬間で、爆発痕がこの位置にあって主人公がこの程度の負傷で済んでいるなら家の中に居たはずのふたりはもっと軽傷でもいいくらいなんだよ。

家の中がこれだけ燃えているのでひょっとしたら一酸化炭素中毒とかそっちなのかもだけど、でも家の外で起きたその程度の爆発の爆風や火の粉を喰らってから家の中がこんなにも轟と燃え上がるまでにかかる時間が逃げる隙もないくらい一瞬だとは思えないんだよなぁ。
に火が回るのをじっと眺めていたか、実は家の中ではもっとやばい大爆発が起こってて、救出しようとあれこれ動いてたマヒルが炎の中に飛び込んで、結果ふたりとも煙に巻かれてしまった、くらいじゃないとおかしいと思う。

主人公が術後検査を受けに行く日に霊空のオフィスで流れてたテレビニュースでは爆発による負傷者が22人から35人に増えていて、「3ヶ月待たず退院を許可した」という後の会話から推測するに恐らく1ヶ月2ヶ月経たないうちに新たに13人も負傷してる、でも死者は依然としてこの2人だけってのも不思議。
花浦区の事故だけなんか違うよな?

ついでに言うと、おばあちゃんとレイの関係性もちょっと気になってる。
もちろん彼が医者として自分の病状をよく知る人物だったからおばあちゃんは時が来たら主人公に渡すよう何か大切っぽいデータ端末を本人ではなくレイに託してるんだろうし、「孫娘のことを助けて欲しい」ってお願いも「昔馴染みの息子さんだから」って言われたらそりゃそうなんだけど、続けざまに「あの子を助けることはあなたを助けることにも繋がる」なんて意味深な発言もあり、よくよく考えたら主人公を引き取ったのはおばあちゃんの意向だし、その後レイ家族と交流を始めたのもおばあちゃん、まるで何か思惑があってレイと主人公を「敢えてひとところに引き合わせた」「昔馴染みになるよう仕向けた」ようにも見えるよな。
今のところこれが何を意味するのかはまだ分からないけど、少なくとも主人公の知らないレイをおばあちゃんはよく知っている、ということはなんとなく分かる。

いずれにしても彼女が遺したこのデータ端末の中にあらゆる疑問の答えやヒントが記録されてるはずなんで、開かれるのを楽しみに待ちましょう。

一瞬お弁当箱に見えてしまったことは内緒な(殴