空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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深空時代

「深空時代」ってのはこの世界における惑星科学系デジタル雑誌みたいなものなのかな? 2部2章読了でなにやら宇宙物理の先生に深空トンネルについてインタビューしてるような記事が開放されましたが、ちょっと苦手分野なもんでずっと後回しにしちゃってて、でもいざ読んでみたら意外と分かりやすかったのでいろいろと覚え書きです。

意識エネルギー

観測的宇宙論において、宇宙全体に広がり重力に反発することで宇宙そのものを絶えず加速的に膨張させている仮想エネルギーを「ダークエネルギー」というんだそう。

これが一体何なのか、そもそも本当に存在するのかまだ解明はされてないらしいが、深空においては仮説上これが「特異エネルギー」でありその正体は「生命体の意識活動によって生じるエネルギー」なのでは、という理論が有力説として提唱され始めているもよう。

脳によって生み出された意識は行動によって熱に変換されるが、一方で「記憶」「認知」「思想」のような一部の意識は死ぬまで存在し続け消失することがないため、肉体が死滅した後も「意識エネルギー」として宇宙に蓄積され、散在し、死んだ生命が増えるほど宇宙はますます大きくなっていくのではないか、ってことらしい。

本来であれば観測できないものであり、宇宙の至るところに分布してるためひとつの力場に集束することもないらしいのだが、深空トンネルの向こう側がどういうわけかこの「意識エネルギーの力場」になっているかも知れない、って話なんだと。

完璧に理解はできてないけど、理屈としては分かるし面白いと思っちゃったなぁ。
宇宙を背景に「願う」と「思念」がやってくるのもそういう概念なのかな?

すると特異エネルギーってあるとき突然変異的に生まれたものでなく人類が誕生して活動して死んだときからずっと空気中を浮遊してるもので、たとえば時空が歪んだりワンダラーが現れたりするのは「特異エネルギーそのもの」ではなく「特異エネルギーが聚合すること」に原因があるのだね。

今のところその特異エネルギーをひとつの力場に集束させるものって「引力錨」しか心当たりないが、もしかしたらこれがセイヤの元いたフィロス星における最初の「人工星核」の本体だったのかな?

仮に引力錨があらゆる時空に散在する計り知れない量の特異エネルギーを捉え一点に収縮させる装置なら、恐らく最初のワンダラーなんだろう指間の流星星降の森で空洞に送り込まれてしまった人たちは、生命エネルギーのうち熱エネルギーはダイレクトに星核エネルギーに転換され消費され、一方で肉体が死滅したタイミングでダークエネルギーとして宙に飛散していくはずの意識エネルギーも聚合するためワンダラーになっていたように見えた、みたいなイメージなのかも。

引力錨

本編時間軸地球における引力錨や改造コアは当初暗点による計略なのだと思い込んでいたけれど、結局シン不在中の暗点は「コウジ」を筆頭にEVERに肩入れしていたみたいだし、かろうじてメフィストが偵察して回ってたくらいでシンは不介入だったっぽいんで、勢力としてはEVERの認識でいいんだよな?

人間は不可逆的な「時間」という概念の中に誕生し転生するが、仮に生まれ変わるたびに宇宙にある自分の意識エネルギーを全て得ることができる人がいれば過去現在未来あらゆる時点に存在するその人が全員同じ意識を持つ同一人物となり「全知全能の神」になるのかも知れない、なんて話もあるみたいなんで、きっとEVERが目指しているものがその「全知全能の神」なのでしょう。どうやら肉体の方も惨い犠牲を払って「不老不死」を目指しているみたいだし(舌打ち

コア介入症

その理屈でいくと恐らく「意識エネルギーの結晶」である「コア」って、どうやらある程度の大きさになるまで結合しちゃったんだろう意識エネルギー(=特異エネルギー)が、最終「人体に介入する」ことで生成されていそうだよな…?

セイヤはあるコアを「かつてあなたのためだけに鼓動していた心臓」だと言い切っていたし、終わらない冬朝のない日を読む限りなにやら特異エネルギーが生き物の各臓器や器官系に入り込んでしまうことで末期には体内からコアの欠片らしきものが検知されるような状態になるみたいだし…

コア介入症は多くの場合身体を蝕まれて死に至るが、一方で主人公やシンのように臓器で結晶化してもむしろその臓器を守るような働きをするらしい「エーテルコア」が生成されるパターンもある、みたいなことなのかなぁ。
あるいは介入する特異エネルギーそのものが一般的なものとは異なってたとえば「人知を超えた領域の意識エネルギー」だから結晶化するとエーテルになる、的な…?

主人公=創造神?

このインタビュー記事は「世界最初の意識はどこから生まれたのか?」という課題提起で締め括られているのだが、対談相手の先生はこれに「もし人類が恒星レベルのエネルギーを作り出す技術を手に入れたなら、創造した恒星系の中で適した惑星に生命が誕生していくことになり、最初の意識は人類から生まれたことになる」なんて回答している。

要は宗教思想上の創造神を宇宙科学的に根拠付けるならそういうパターンもあるぞって話なんだろうが、個人的にはこれが主人公ちゃんこそ世界最初の意識であり創造神なんだよってほのめかされていると感じてしまったのだよねぇ。

と言うのも、そもそも深空は宇宙が人間に置き換えられたり逆に人間の仕組みを知ることが宇宙を知ることに通じる、みたいな宗教的宇宙論がモチーフになっている気がしてて、埃の中スエの実験記録における主人公の生命蘇生現象もなんとなく「超新星爆発」を思わせるような描かれ方をしてるじゃないですか。

主人公の身体が宇宙なら心臓は恒星であり、引力錨に該当するものが共鳴のEvolなのだとすれば蘇生は自身の意識エネルギー(記憶)や周囲の意識エネルギー(特異エネルギー)を原動力として起こるもので、また本当にエネルギー爆発を繰り返すたびに再生する速度は加速して爆発は威力を増していくと言うのなら最終的にはどちらも人間が計測できないほど高速且つ強大になり、そのたびパワーが増加していくらしいエーテルコア(化した心臓)のエネルギー値も限界突破していつか「無限」になるわけだよな?

どうやら深空に無数存在するらしいフィロス星系とはこうして全てのエネルギーを使い尽くして以前の恒星が無になることで新しい恒星系として誕生してるんじゃないかって気がしてきちゃったし、いずれにしろ全ての星系における「最初の意識」ってのが主人公ちゃんに当たるのではないかなぁと…(強引

前にこちらで「深空は多元宇宙なのではないか」と長語ってしまったが、レイやホムラの伝説は「燃焼と再生の繰り返し」の中で何度も無になってきたある星系の物語、ただし意識エネルギーだけは蓄積され今なお残り続けてる、って話なのかも知れんな。

パルス信号=預言?

仮に「世界最初の意識」が主人公のものであり生まれ変わるたび宇宙にある自分の意識エネルギーを全て得ることが「全知全能」なのだとすれば、「最新地点の主人公」はどこにいるのだろうと考えてみた。

ひとつ思い当たるのが先日突然実装されたカオスウェブ、カオスちゃんに急かされるがままなんの気構えもなく始めてみたらすっごい苦手なボンバーマンみたいなことたくさんさせられて困り果てているのだけど、ローディング画面があのつるつるビーチボールの「答え合わせ」みたいになっているのだよね。

なんかこう大きな地球が小さな地球に真っ直ぐ繋がっているようで、被さるようにぐにゃりルートを外れてしまったような軌道があったりもして、これきっとロールバック1号2号のワームホール生成シュミレーションや操縦航路を可視化したもの、みたいなことなのだとは思うんやが、仮にそうならセイヤが元いたフィロス星核「空洞」に当たる部分に「何か」が存在し、あの改造コアの赤いエネルギー軌道に激似である赤いもやもやを発生させている、かのように見える。

以前わたしはエーテルコアがプラトンの提唱する空間理論に基づいているのでは? なんて見解もこちらで述べてしまってて、それで言うとエーテルコアの最終形態は円または「正十二面体」であり、正十二面体を描くには黄金比とピタゴラスの定理を巧みに用いた複雑な手順を踏まなければならないらしく、その第一段階がなにやらこういう図形になるみたいなのだけど…

ちょっと似てるくないか? (無理やり

するとエーテルコアを中心に3つの球体が一直線上にあるようなこの図形、まるで先日裁きのハヤブサくんが展開してくれた磁場や主人公の記憶の中にあるあの天秤風モニュメント中央に据え置かれた目玉を貫いている棒がこれに当たるような気もしてくるし、先端に球体が付いているなら秘密の塔永久の預言者がアスタの啓示を読み解く際に用いた「金環日食」を示唆しているようにも見えてくる(深読み

もしかしたら最新地点の主人公はまさに空洞に投げ入れられてしまったフィロス女王の主人公で、死と復活を繰り返すたびに「全知全能」の状態に近付いており、いつか超新星爆発によって「死んだ星」になってしまうであろうフィロス星核から、ある地点の自分に向けて「パルス信号」を送ってる(意識エネルギーを共有してる)のかも知れない。
なんとなく「深空伝説」は全て「主人公の身に起こった出来事」になっているような気もするし…
宗教的解釈をするならこれが「創造神による預言」になるんだろう。

思い返せばセイヤが初めて引力錨の話をしてくれたとき、石碑のトーテムについて「見覚えがないか?」って尋ねてきたけども、仮に遠い未来セイヤのクラスメイトとして転生した主人公がフィロスの星核エネルギー装置として同じものを目にしたことがあるはずだってことならば、「もしかして宇宙にある未来の自分の意識エネルギーもちょっぴり手に入れたりしてる?」「全知全能に近付いてる?」ってことを確認しようとしてたとかそういう…?

いやぁ長と綴ってしまったが念のため、全部妄想ですぞ(殴