6章 果てなき夜
極地から臨空に戻った主人公は早速「暗点」や「N109区」についてデータベースを検索、しかし利用できる全ての閲覧権限を協会に申請済みであるにも関わらず、暗点に関しては関連項目0件、N109区についても中身の薄い概要的な解説記事しか見付けることができなかった。
先日ミナミが暗点や改造コアについて詳しく説明してくれていたところを見ると決して機密情報というわけではなさそうなのにおかしいなって感じだったけど、これは単にいちハンターが資料として参照できるような管理体制にはなってないってだけの話よね?
ミナミは恐らく始めから共鳴のEvolが彼らの改造コアを追うのに役立つことを期待して自分の元に主人公を配属させたのだと思うし、1章では会長さんがEvol測定をして「だからミナミくんが君を欲しがってるんだ」と納得してたような描写もあったんで、敢えて主人公だけがデータを閲覧できないようにするメリットが協会にはないもの。
手掛かりになるような情報を得られず落胆する様子の主人公に、その手元を覗き込んできたモモコが「N109区を調べてるの?」と軽い調子で声を掛け、最近その地区で起こったというある噂話を聞かせてくれる。
月影ハンター
2034年「裂空災変」と呼ばれるワンダラー初襲来の渦中に突如として現れ、当時の武装勢力では一切歯が立たなかった危険度の高い強力なワンダラーをほとんどひとりで掃討、多くの臨空市民を救出し災変を終息へ導くも、今はどこかで非情なダークハンターになってるらしいと囁かれている謎の人物。
モモコによれば、1ヶ月程前、違法な産業チェーンが薬剤開発や武器改造に利用する目的でコアの取引や売買をするというN109区の怪しい闇市に月影ハンターが乱入、全てのコアを持ち去りこれをめちゃくちゃにしてしまった、なんてことがあったらしい。
一応主人公も「ワンダラーを最初に倒した伝説の人物」として月影ハンターという名前は知ってるようですが「都市伝説のひとつ」という認識みたいですね。闇市の話もきっと根拠のないあいまいな噂話だろうと。
しかし、これを単なる噂話じゃないとどうしても訴えたい分析隊シアンが興奮気味に話に割って入り、「彼は闇市を出た後ビルの屋上で盗んだコアを花火のように弾けさせて遊んでいた」「そんな風にN109区を挑発できるのは月影ハンターしか居ない」と速射砲のようにぺらぺらと弁ずるのを聞きながら、「コアを弾けさせる?」「誰かさんみたいだなぁ」なんて思ったりも、してる。
まぁ、誰かさんなんでしょうな←
と言うか、セイヤはすでに暗点の拠点付近を出入りしてるし場合によっては直接攻めたりもしてるのか。
ちなみに主人公ちゃんには14年前の災変で「赤錆色の雨が降る中誰かの放った光が巨大なワンダラーから自分を守ってくれた」記憶が薄ぼんやりと残ってるんだって言うんだけど、まじ? (興奮
きっとセイヤの方は何も覚えてないんだろうけど、これはなかなかに胸アツである…
花園西通り
1日調べるもこれといった収穫は得られず肩を落として帰りの地下鉄に乗り込むと、同じ車両の座席にはどういうわけかセイヤの姿が。
なんかもう彼が地下鉄移動なわけ絶対ないし、セイヤあるところに事件ありって思ってるからどうしても構えちゃうよねw
会うのは1ヶ月振りだって言ってたけど、いや実家に帰って爆発に巻き込まれて入院して心臓の手術を受け退院して仕事に没頭して極地に行って帰ってくるまでが1ヶ月、だと…?
4章でレイ先生「本来なら3ヶ月は入院すべきところ特別に退院を許可した」って言ってたけど、入院期間まじで1ヶ月もなかったんだ(震
暗点に迫る糸口が見えない主人公はさてどうするべきか考え込んでいたら「花園西通り駅」で電車を何本も見送ってしまい結局終電になっちゃったらしいんですが、「なんでこんなに危ない場所でこんな時間になるまでぼんやりしてたんだ」「午前0時になると無人車両が現れて乗客を深淵へと連れていくんだぞ」ってセイヤ。
毎日通勤に使う地下鉄の何が危ない場所なのか主人公はこれをただの作り話として始めは聞き流すのだけど、そのうち本当に車内の様子がおかしくなり始め、地下鉄が何度も同じ花園西通り駅をぐるぐるとループするという謎の怪現象に見舞われるふたり。言われてみれば確かに他に誰も乗ってない。
セイヤがこういうしらこい顔して怪談話を始めたら何故か本当に言ったことが起こるってのも深空都市伝説のひとつ、なのか…?←

3章でも同じことがあったけど、稲川淳二より怖いんで、何が起こるか分かってるってことならできれば普通に伝えて欲しいな(ビビり
鏡霊
探査器が反応したことでこの怪現象の原因がワンダラーであることを悟る主人公。なんだけど、斬り込まれたのかそうでないのかも分からないほどあまりにも高速で物から物へと移動するそれを、討つどころか目で追うことさえできず身動きが取れなくなってしまう。
セイヤによればこれはガラスや鏡を行き来できる「鏡霊」というワンダラーであり、このままでは閉じ込められた2枚の鏡から抜けられない、永遠にループし続けることになると言う。
どうすればいいのかと問われたセイヤは光と共に現れた剣を構え、「逃げ道を全て壊す」って答えると同時に車両のガラス窓を1枚残らず一瞬で粉々にしてしまうのだけど、あの、これ、まじでこの世のものとは思えないくらいかっこよかったです←
秘話のノブやエツジはこれを見ちゃったのね。
そりゃ「騙された」って言いたくもなる(深頷
その後ふたりは帰り道にあるコンビニのイートインスペースで食事をしてから帰宅する流れになるのだけど、そこで改めて鏡霊について調べてみたら、やっぱり14年前の裂空災変で激甚被害をもたらした最高危険レベルのワンダラーのうちの一体ってことみたいでした。宙龍は間に合ったけど鏡霊は復活しちゃったのか。
どうやら鏡霊について記されたその同じ資料には「14年前に月影ハンターに倒されて以降出現していない」とも書いてあったようで、「だけど今回はあなたが倒したよね?」って聞かれたセイヤは一瞬ギクっとして、鼻をこしこし…(かわいい

主人公は現時点ではもちろん14年前にはまだ子どもだったはずのセイヤがまさか月影ハンター本人なわけないとは思いつつ、本人しか倒したことないはずの鏡霊の倒し方を知ってるし、倒せるし、なんならコアを集めて握って壊したりおかしな共通点までありそうだってことで「何らかの繋がりがあるはずだ」とは踏んでいて、またN109区を自由に出入りできる月影ハンターにもし接触できたなら、この何もできない今の状況を打開できるかも知れないと感じているみたいです。
N109区
かつてはテクノロジーの中心地としてもっとも栄えていた都市のひとつだったが、14年前の裂空災変で深刻な被害を受け、現在は磁場の乱れた禁猟区に囲まれていることから外界と隔絶された無法地帯と化しており、コアの違法取引や違法改造、危険な研究や人体実験などあらゆる犯罪や暴力が横行するというやばい区域。
セイヤは主人公がやたらN109区に行きたがるのを序盤は恐らくミナミに命じられた改造コア追跡のためだろうと判断して「そんな場所に入らなくたって暗点は追えるだろ」って反応なんだけど、一方主人公は彼がやたらN109区に詳しくて「中で油断すれば死ぬ」「悪人も善人もいるが勢力ははっきり分かれてる」「強行突破する力がないなら適当な身分を借りて紛れ込まないと」なんて口にするのをますます興味深そうに聞いてる。
行かせたくない人と行きたい人は互いにその理由を打ち明けられないので探り合いのような会話が続くのだけど、ついにセイヤが、あの7号禁猟区で回収したコアの改造された赤い磁線の源がなんなのか知ってるか? って尋ねてくる。
これに答えられればセイヤの方にもこちらに開示できる情報がさらにあるはずだと考えた主人公は意を決し「エーテルコア」だと返答するのだけど、彼女の口からそれを聞いた一瞬セイヤの目には「何かがよぎった」ように見えたって書いてありました。
なんか、もしかしたらファンよりもレイよりも誰よりも主人公のことを何もかも全部知ってるのはセイヤなんじゃないかって気がしてきた。
これを受けてセイヤは「あんたの家のことと関係してるのか」って聞いてくるんだけど、ワンチャン彼女がエーテルコアの存在そのものを知ってしまっただけなのか、自分の心臓の中にあるのもその一部だってことまで知っちゃったのか、見極めようとしてるみたいにも見えちゃったよね。
しかも、セイヤはとにかく「俺はあんたの敵じゃない」ってことを訴えたい。
主人公がそれでも何も話してくれないセイヤに心の中で謝りながらも「私もあなたも目的が同じエーテルコアなら今後敵対する可能性があるね」って固い姿勢を見せると「これで俺を信じてくれるか」って言ってついに機密レベルSのデータベース閲覧権限ほか全てのツールのフルパスを探査器に同期してくれるんだけど、これもエーテルコア云々より「ここで彼女に敵認定されたらまずい」ってことで決断してくれたこと、のように見えました。
最初は単純に暗点に悪さをさせないためにひとり奮闘する人に見えてたけど、それだけじゃなさそうですねぇ。
でも、嘘つくときのしらこい顔や鼻こしこしはもう分かったのでとにかく敵じゃないってことだけは充分伝わりました。
半年前
割愛しちゃったけどふたりの会話は日を跨いで翌日セイヤの部屋に招かれても繰り広げられるのだけど、なんとセイヤは主人公の住む同じマンションの直ぐ上の階に住んでいた、ってことが判明します。
どうやら「半年前に引っ越して来た」らしいんやが、また半年前…?
いや、これも割愛したけど2章赤い海の絵の作者が分かったとき、霊空のオフィスでモモコがホムラの情報についてめちゃくちゃいろいろと教えてくれるシーンがあるのだけど、彼もまた「半年前に帰国」して活動拠点を海外からこっちに移したみたいなんだよね。
もちろん白砂湾のあのアトリエはきっともっと前から彼の別宅としてずっとそこにあったんだろうけど…
そして、レイ先生が主治医に着任したのも半年前。
ここまで揃うと主人公ちゃんを取り巻くこのイケメンたちはみな同じものに吸い寄せられるように彼女の周りに集まって来たかのようにも見える。
半年前にも何かあるのか…? (深読み