空に堕ちる
空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

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一匹狼の船出

ようやく読んで参りました。深空では割とどのストを読んでも我ながら引いてしまうほど泣いてるが、嗚咽を漏らしスマホを置いてティッシュ箱をまさぐり鼻をかんでから意を決しスト読みに戻る、ということをこんなにたくさん繰り返したのは指間の流星ぶりだったんじゃないかと思います。正直とてもくたびれた←

今回の外伝はセイヤを主軸とした物語において何か大きく事が展開するようなことはなく、これまで匂わせに匂わされ「たぶんこういうことなんだろう」とふんわり推断してきたものが改めて明確に語られた、といった印象。

ただし個人的には来たる夜明け以降長らくセイヤに感じていた「危うさ」と言うか、このまま誰に何を打ち明けるでなしにひとりすべてを把握した状態で敢えて罠にかかり危険に身を投じ自分だけが犠牲になる道を知らん間に行き切ってしまうつもりなんじゃないか、みたいな漠然とした不安感が彼自身の発言によって解消されたことがふたりにとっての大きな「進展」だったんじゃないかと思ってます。

かつて一匹狼だったセイヤが「あんたの力」を必要とし「聞かれれば隠さない」ことさえ決意してふたりが「やっと本当の意味で同じ場所に立った」ことこそがこの物語のタイトルの真に意味するところ、なのだよな?

思い返せばもはや逆からでも暗唱できるようになってしまったらしい「お前たちは常に同じ方向を向いて」というあの師匠の教えこそが彼らのテーマであり原点であり根幹なのかも知れないな。なんて書きながらまた泣けちゃうな(情緒不安定

嘉会大学

今回の調査はβ磁線の検出に伴うエーテルコアエネルギーを持つワンダラーの出現、そして襲われた数名の学生が一時行方不明となったのちなぜか記憶を失った状態で戻ってくる、という不可思議な出来事の究明に、現場となった「嘉会大学」のキャンパスに潜入しこれを追及するというもの。

特別司令任務に就いてより余程以前から秘密裏にエーテルコアを追っているはずのセイヤでさえ偽物を掴まされている現状、これだけ分かりやすく手掛かりが残されていることに違和感を覚えながらも「確かめないわけにはいかない」と奮起する主人公に対し、天文学科の学生に扮するセイヤは「まずは完璧に学生を演じることが俺たちの最初の任務だ」と言いながらこうして彼女と疑似学生生活を送れることに序盤はやや浮かれているような雰囲気。

ずり落ちたリュックの肩紐を整えてやったり、伊達眼鏡をあてがい「素敵になった」と満足げにしてみたり、何より「昔からずっと大好きで一度たりとも忘れたことのない大切な人」と授業中に何度も目が合い互いに指摘し合っていたあの「学園」での日をまるで昨日のことのように語り、スト外のイベントトークでは「セイヤは傘を持ってきた?」ってあの他愛ない手紙のやり取りについても打ち明けてくれたりするのだが、何百年という「埃かぶる歳月」の中でいまいち思い出せない「たくさんの卒業証書」を持つセイヤの改めてこればかりがひと際色濃く褪せることのない宝物のような「学生生活の記憶」なのだな、と思うとまじで込み上げるものがあり過ぎてスト読みがままならん(ないてる

大学側の計らいによりワンダラー被害に遭った数名の学生たちから話を聞く機会を設けられ無事打ち解けて聞き込みを行うも「何か」に阻害されにわかに「虚ろ」な表情を見せる彼らは恐らく証言も曖昧なようでこれといった情報は得られない。

エツジ

今ストにおいては嘉会大学物理学部助教授として登場するエツジ、秘話「特別な休暇」では深空ハンターに憧れる息子「ノブ」を夏休みの間セイヤ宅へ預けに来た彼の「旧友」であり、さらには「ハンターに飽きてまた大学生活を送りたくなったのか?」なんて声を掛けてくることからどこかのタイミングで「大学生」をしていたらしいセイヤのことをも知っており、助教授には「2年前に着任した」とのことで当時は「講師」と「生徒」の関係でもあったのではないかと思われる。

秘話を読む限り「子どもの頃」にノブがされたのと同じように「セイヤに騙されたことがある」と言うエツジだが、個人的にはロールバック隊とは無関係の本編時間軸地球上で生まれ育った一般人、ただし星の来処「幼い頃キノアに会ったことがあり彼が歳を取らないことをなんとなく知っていた」ベッキーのように「思うところはあるが敢えて突っ込まず受容してる人」のひとりなんじゃないかと踏んでいる。

主人公ちゃんは「セイヤの交友関係は掴みどころがない」として「底が知れない花屋の店主」を引き合いに出してたが、仮に「この時空で一般人になる」ことを決めたロールバッカーならセイヤとはいっそ同級生のように親しげか些細な日常スト「留めた瞬間」に登場するあの民宿のオーナーのようにかつての隊長を思わず敬称で呼んじゃうかのどちらかに当てはまると思うんだ。

何度も言っちゃうが、すると世を過ぎゆく特殊部隊ジョウ隊長の一件で「初めて他人の物語の中に小さな痕跡を残した」ってのは嘘だよな? エツジはもちろん「日没の訪れ」では古本屋の店主なんかも同じような関係に見えてるし、「休日の約束」に至っては「俺と知り合って長く付き合うとみんな俺の秘密の面白さに気付く」なんぞ得意げに語っていたりするセイヤにとって一体何が「痕跡」の基準になってるのか悩ましいところである。

とは言えこうしてセイヤの事情を察しながらも他言しない信の置ける協力者がそこかしこに居るのはありがたいことであり、今回は思うように立ち行かない捜査への手助けに「ワンダラー出現時には安定装置が反応しなかった」こと、ただし「安定装置が検知できないレベルのエネルギー波動」も「RMFMA」なる装置には「形跡が残されているかも知れない」ことなどを報告してくれるエツジ。

セイヤの認識ではそこからやや離れた場所にあるらしい「嘉会大学付属深空深測科学研究所」が管理保持するその装置は正式名称を「反射式磁場エネルギー監測分析装置」と言い、エツジによれば研究所は今年初めにキャンパス内に移転しているとのことで、ふたりは事件当時のログを解析させてもらえる流れに。

RMFMA

研究所の最上階天窓の下に据え置かれたその無骨な分析装置は、星のように光るパイロットランプや目まぐるしく切り替わるいくつものスクリーンがいかにもな「ハイテク」感を醸し出しており、過去数十年現在においても「もっとも先進的なマシン」のひとつとして「深空トンネル内の波動検知」などにも活用される「世界に数台しかない」貴重なシロモノらしい。

なんて説明に感心してる間にとっととゴーグルを装着し実験衣姿で装置の検知データやサンプリングをすべて確認し終えたセイヤは「ハンドリング資格とシステム権限を申請し使い方のレクチャーを受けて初めて操作できるそれをなぜこうも容易く捌けるのか」硬い顔で尋ねる彼女をのらりくらりかわしつつ「格納ログが何者かによって作為的に改ざんされている」ことを指摘、もちろんセキュリティ万全の研究所ではあるがここ半月で唯一装置に接触できたのは「見学会」に参加した「新入生」たちだったことが明らかになると、参加者名簿に記載のある名前の中にひとりだけワンダラー被害を免れている「ゲン」の存在が浮上する。

嘉会大学学友会の副会長ゲンは任務初日に学生たちへの聞き込み調査をサポートしてくれた内気な男子生徒であるが、RMFMAを見学した彼以外の全員が「どうやら安定装置では検知されないレベルに波動を改造されているであろう怪しいワンダラー」に襲われているところを見ると「偶然ではない何か」を感じずにはいられないということで、放課後改めて話を聞かせてもらうべく待ち合わせの約束を取り付ける。

ちなみにここセイヤとエツジの後を付いて最後に研究室を出た主人公が壁に飾られた額縁の中に恐らくRMFMAの開発チームあるいはかなり初期の研究チームが収められているであろう集合写真らしきものを発見してしまうのだけど、そこにうっかりセイヤが写っているのはかつて彼がその「過去数十年におけるもっとも先進的なマシン」に係る研究員の一員でもあったためだと理解していいのかな?

深空トンネル内の波動検知ができる装置らしいのでワンチャンロールバック2号の再起動の足掛かりにと携わっていたのかも分からんが、するとエツジは幼少期の「騙された」に限らずこうして各所に散りばめられたヒントから一方的にセイヤの秘密を察していたってことになるんだろうか。
もしかしてセイヤ自身が「痕跡を残してしまった」ことを自覚してる人物は全員ジョウ隊長以降って話で「初めて」ってのも別に嘘じゃなかったのかな(それが延気になる人

ゲン

その日の講義を終えた後は19時頃まで学生会館で学友会の会議に出席するというゲンを待つ間、セイヤに促されるままバスケットコートでシュートを打ちながら他愛のないお喋りに興じるふたり。
今この時間だけでも任務を忘れ肩の力を抜いて欲しいと自分を気遣っての誘いなのだろうと彼女は見解するが、個人的にはセイヤはかつて叶わなかったこんな何でもない放課後を単に一緒に経験してみたかっただけなんじゃないか、なんて思えちゃったよなぁ。涙

そうして過ごすうち「学生たちはなぜRMFMAの見学会について一切言及しなかったのか」なんて小さな違和感は「面倒ごとに巻き込まれたくなかっただけなのかも」「思うほど深刻な問題じゃないのかも」とさえ思えてきたりもするのだが、初日の聞き込みに応じてくれた学生のひとりが偶然そこを通り掛かり、改めてRMFMAについて尋ねてみると「実は自分を含む装置に近付いた全員が一瞬物凄く怖い場所に落ちたような感覚があった」なんぞ証言、セイヤはそれがRMFMAの作用のひとつである「空間の積み重ねと再現」に起因する現象であること、そして「その装置にそれができることを知る人間」がごく限られていることに気が付き忽然とゲンの正体を悟る。

ぶっちゃけなんとなくそう予感しながら読み進めていたところではあるが、ゲンは顔を変えEvolを隠蔽し全くの別人となって大学に潜伏していた元ロールバック隊員のひとり、それもイズミのようにセイヤに理不尽な害意を抱く星の来処キノアに言わせれば「裏切者」の立場に当たる人間であり、今回はRFチップを仕込んだRMFMAの磁場エネルギーと改造を加えたワンダラーを用い「セイヤを星の磁場に封じる」計略でこうして「分かりやすい手掛かり」をばら撒きふたりをここへ誘き寄せたもよう。

なるほどRMFMAとは地球の技術者にとってこそ先進的で真新しい科技であるがロールバッカーたちにとっては何に応用するにも造作ないありきたりなテクノロジーのひとつだったりするのだな。
装置に接触した学生たちが彼らにとって「もっとも怖い場所」を「再現」されていたことも初日の聞き込みで「虚ろ」な目をしていたのも「いずれセイヤに施すための試運用」みたいなことだったのかな?

事の真相を理解したセイヤは彼女を抱きかかえ装置のある研究室へ「瞬間移動」で駆け付けるも、見たところ彼と同じような移動手段を使うことができるらしいゲン、RMFMAの起動阻止には間に合わずふたりはセイヤの「もっとも怖い場所」が「再現」されているであろう星の磁場に呑み込まれていく。

星の磁場

そこは明らかに「普通の磁場じゃない」大小さまざまなエネルギーが混乱し波動も異常なまでに激しい「霧の濃い森の中」のような空間で、「にわか雨のように降る流れ星」に導かれるように奥懐へ踏み入ると「まるで鏡のような湖」が現れる、どっからどう見てもかつて幼いふたりが「流星雨」を見たあの「天鏡塩湖」である。

ただし直後「幻影」となって磁場の中のふたりに関与してくるゲンが「セイヤはまだこんな小さな星降の森が怖いのか」なんぞ嘲り笑うことからどうやらそこはあのフィロスの心臓部「星降の森」でもあるらしい。
改めて学園寮から終点まで列車に乗りさらに少し歩いたところにあったあの湖を囲む森がのちの星降の森だったのか。めちゃくちゃ鳥肌立った。

ゲンは「お前も彼女ももう俺に命令できない」と声高に宣し、「幻影」の姿ではセイヤの剣に「半分に削り取られる」まで「俺はお前たちを助けるために一生をかけ深空トンネルを抜けここへ来た」「結果捨てられ踏みにじられ時空の異端の存在となった」と恨み節を並べるのだけど、すると彼らはまず大前提ロールバック計画の全容をあまねく知らされていたってわけだな?

星の来処ロールバッカーには「自分が正しいと思う選択をすればいい」と彼らの意思決定に干渉しないスタンスのセイヤがそれを「ゲンの選択による報い」だと結論してるあたり恐らく「EVERと手を携える」選択により踏みにじられ時空の異端となり唯一の救済がエーテルコアであると吹き込まれているためにこうしてセイヤを封じることに躍起になるのではないかって気はするが、埃の中1部8章を読む限り恐らくゲンと「同じ選択」をしたはずの「ハンチングハット」は決別してなおEVERにセイヤは殺させまいと牙を剥いたり逆にセイヤを同じ道に引き入れようと説得を試みてたりもしてたんで「裏切者」のロールバッカー全員が「セイヤの命を狙ってる」とは言い切れないのだろうな、とも思う。

ゲンの幻影と対峙するセイヤは涼しい顔こそしているが身体の周りには制御を失ったEvolが飛び回る光となって漂い森に呑み込まれているようで、突如現れた「ハンターの彼女」の幻影に一瞬の不意を突かれ意識を侵食されてしまった彼の目は「凍りついていく湖」のように焦点を失っていき、なんとかゲンを消滅させるもセイヤの正気は戻らないまま、彼はぼんやりと彼女の幻影を追って湖へ足を踏み入れようとするんやが、ここがもう本当にやばくて。涙

「彼女は犠牲になって当然じゃない」「全てを終わらせる」「…を利用しないと存続できない星なんて救う必要はない」、そんなことを呟きながら湖に吸い寄せられていくセイヤには彼女の幻影が一体どんな姿で見えてるの…?
「フィロス星が永遠であるように」そして「稲妻が星屑をかすめる瞬間が何度あっても立ち止まれなかった」セイヤがついにハンターの彼女をも失ってしまったらこんな風になっちゃうの…?
見てられないくらい痛ましいのだが。涙

彼女の呼びかけに意識こそ取り戻すも「強いエネルギーさえ呑み込めば一時的に落ち着く」という星降の森にどうやら自分のEvolが選ばれ吸い取られているらしいことに気が付き「早く行け」「でないとあんたまで」と言葉を絞り出すセイヤ、強いエネルギーが必要ならと躊躇なく「エーテルコアエネルギー」を放つ彼女に見たこともないくらい取り乱し、なんて悲痛な声を上げるんだろう。涙

するとここはクラスメイトの彼女が「森に生命エネルギーを吸い取られ息を引き取ってしまった場所」ってことになるのだな?
そしてもう身体を支えることもできなくなってしまった彼女を抱きながら彼が「星だけじゃない山も川も太陽も月も全部一緒に見に行く」「あんたが疲れたら俺がおぶってやる」といつまでも語り続けた場所、守れなかったことをひとり悔やんだ場所、のちの世では本当に彼女をおぶって歩きながら改めて守ることを決意した場所でもある。
そんな場所で「もっとも恐れていること」が再び現実になってしまうかも知れないだなんて余程恐ろしかったんだろうが、ああ本当にこんなんなっちゃうんだセイヤって。涙

涙で全く画面見えてなかったんでかろうじて残されていたスクショを確認して改めて、そりゃ咲いとるわスターチスが(溜め息

かつて「セイヤの幻影」を追ってここに足を踏み入れてしまった彼女を救った彼はまるで「私だけの流れ星」のようだったけど、「彼女の幻影」から救われたセイヤにはこうして眩い金の閃光を走らせる彼女がどんな風に見えたのかな。実は互いに互いの「流れ星」だったりするのかな。どうであれ、きっとそれがセイヤにもう「聞かれれば隠さない」ことを決断させたのだね。

いやそれにしても2部2章散逸した心臓のコアが元に戻っていてまじで良かったな? 万が一にも取り逃してたら第三のエーテルコアが発現したこのタイミングで2人揃ってあわやゲンの思惑通りだったんじゃないか。

フィロス

エーテルコアエネルギーの放出により周囲の波動の乱れはしばらく収まるもどういうわけか出口に通じるような「空間の境界」が見当たらないという星の磁場、ここが本当にセイヤの記憶から構成されているのであれば脱出の糸口となるものが近くにあるはずだと光の剣が鬱蒼としたつるを薙ぎ払うと、そこには不時着により機体が破損する以前のロールバック2号が現れる。

もちろんここはロールバック隊の野営地があり宇宙船が待機していた場所なんでこれは出発前の船ってことなんだろうとは思うんやが、例によってセイヤの物語における本編時間軸の地球「42号禁猟区」が「星降の森」に「縁のある場所」だったりするのかな、なんて感じてしまったな。

禁猟区周辺には「電波遮断エリア」やセイヤの移動スピードに影響する「電波塔」なんぞ建っていたような気もするが、これも「伏影」や「謎ロボット」ワンチャン「引力錨」なんかと合わせて概ねEVERに転身したロールバッカーの為業なのだろう。

かつての航行においては「いちばん乱れていた引力の乱流すら突破できた」らしいその船が「星の磁場を抜けられないはずがない」と確信したようにスイッチを押し指示ランプを点灯させていくセイヤ、すると流れてくる「ロールバック2号フィロス1101-PLS」という起動音に主人公は「フィロス」「聞き覚えがある」などと独り言つ。

実は今ストバスケットコートの場面でも彼女は「授業中ちゃんと前を向いていたから後ろを振り向く生徒とよく目が合った」なんぞ思い出話をしながらじっと目を見つめてくるセイヤに「なんだか見覚えがある」と思い至ったりもしているのだけど、個人的にはこれはレイの物語で言う「天地を自在に渡る力」や深空時代「過去現在未来すべての意識エネルギー」みたくたとえば「完全になったエーテルコアが彼女を高次元化させる」ような展開を示唆する描出であって、彼らロールバッカーが「未来から過去へ来た存在」である認識を覆す必要はないんじゃないかな、と、思ってる(弱

仮にそうなら1部8章恐らく「タイムパラドックス」を懸念しているキノア始めロールバッカー本人らや埃の中自分が彼らの「ご先祖様」であることを自負しているホワイトグローブ構成員始めEVERの人間全員が彼らを「未来人であると勘違いしている」ことになるが、だいぶ広範囲に及ぶ盛大な勘違い、いまいち考えにくいんじゃないかと感じるのだよな。

となれば彼女自身がすでに時空を行き来して実は過去に体験しているからこそ「覚えがある」パターンもないわけじゃないが、今ストにおいては恐らくエツジなりの「旧友の歓迎」として講義中に「モリス=ソーン・ブリッジ」なる物理事象についてみんなの前で説明するよう指名されたセイヤが何やら「過去に戻ることができる可能性」さえ秘めている「対称の球が喉で繋がれたワームホール」の構造を解説するその姿をまるで彼が「数億光年先」へ遠ざかったような感覚で眺めていたり、あるいは眩光の軌跡星雲の蜃気楼が再現する「数億光年先」の景色には「いつか彼を失ってしまうような不安」を感じたりもする主人公、ニュアンスとしてはその「数億光年離れた場所」に彼女は本来「届かない位置」に居ることが強調されているような気がしてる。

とは言えセイヤの方は恐らくフィロス製なのだろう引力錨については「見覚えがないか」と尋ねてくるし、今ストでも「あんたが知ってる部分と知らないと『思ってる』部分が今の俺を構成している」だなんてまるで彼女がいつか「未来の記憶を得る」こと前提に話進めてるみたいなとこあるんで、そのうちそうなるのだろうな、なんて思ってみたり、みなかったり(殴

いずれにしろフィロスに聞き覚えがあると言う彼女にはついにそれが「ここからはるか遠くにある俺の故郷」であることを打ち明け、さらに「聞きたいことは他にもあるはずだ」「聞いてくれれば隠さない」と潔く断言するセイヤに対し、1部6章エーテルコアについて探り合った際「俺はあんたの敵じゃない」ことを訴えてくれた「それで充分」だと今根掘り葉掘り聞こうとはしない主人公。

それはぶっちゃけいろいろ怪しかったセイヤにわたし自身「とにかく敵じゃないってことだけは充分伝わった」と感じたタイミングでもあったな、なんて想い馳せていたら、うっかり電源を入れてしまったらしい何かから「私はただの惑星」「眠れる闇の中を漂う」なんぞくぐもったセイヤの声が流れ始めて「わぁぁん」と声上げて泣いてしまったよここ。
いやなんでそんなに感情がたかぶったのか自分でも疑問なんだけど、恐らくここまでに死ぬほど泣かされたせいで涙腺が壊れていたのかと(倒

何も隠さないことをたった今宣言したばかりではあるがこれだけは例外よねぇ。「あんたがこれを見る日が来るかは分からない」なんて言ってたが、出さないつもりで書いたラブレターなのか機が熟したら改めて聴かせてくれるのか、顔を真っ赤にして必死に彼女の耳を押さえるセイヤのいじらしさよ…

出航

一時的に収まっていた磁場の乱れが再び激しく混乱し始めると同時に船は「出航に必要なコアエネルギーが不足している」と警告音を鳴らし出す。
これを補給することなく「強制出航」を決断するセイヤはコックピットに彼女を押し込みながらこの船が緊急時に短時間だけEvolを非常用燃料に転換できる造りになっていること、そうしてこれまでも数のピンチを潜り抜けてきたことを教えてくれたりするんやが、なるほど乱流の中で隕石に衝突しワームホールが崩壊しようと「セイヤが居たから」無事だったのは文字通り彼のEvolが燃料として消費されていたためだったのか。1部8章キノアが言ってた「自分のEvolを過信し過ぎるな」とはそういう意味だったのだな。

すでにEvolを森に吸い取られている彼がそれをするのはあまりに危険だと彼女は制止するが、セイヤは「今のあんたなら共鳴だけじゃなく俺のEvolの効果をより一層発揮させられる」「あんただけが俺たちをこの星の磁場から安全に脱出させられる」「俺を信じてくれ」って頬に触れながら小さく囁いてくるこの顔で。

正直序盤からずーっと泣き通しでこの辺はもう「あんたの力さえあれば俺は大丈夫」って言葉に胸打たれてるのかかつて彼女を残して出発してしまったロールバック2号で今度は一緒に出航できることにグッときてるのかただただ顔面つよ過ぎて涙出てるのか何が何だか分からない。でも、なんかすっごく「もう大丈夫だこの2人」って思えたよ(疲れてる

彼女は五感を失いながらも「温かい力」との繋がりだけを感じ続け最終的に船は無事磁場を突破。途中「何かがセイヤのEvolを抑え込んでいて共鳴し切れない」と違和感を覚えるような描写が入るのは恐らく彼の頸部に巻かれた「Evol制御装置」によるものなのだとは思うんやが、うーんやっぱりセイヤが眼差しこそ優しく穏やかだが「胸を強く抑えて」いたり改めて「良くないもの」ではありそうな雰囲気だったなぁ。
来たる夜明けでも光と共にでもEvolは「際限なく使ってしまうことの方が良くないんじゃないか」と見解してしまったが、どうやら要再吟味である(しろめ

そうして無事に研究室に帰って来た2人、セイヤの首輪は赤く点滅しているが「冗談を言う気力が残っている」ことに安堵する主人公。
前回それを目の当たりにしたときは呼吸も脈も止まり注射器2本もぶち込んでたんで彼の言う通り今回の強制出航は本当に「あんたが思うほど深刻なことじゃない」手段だったのかも分からんが、全体的に見ればリヘイよりもゲンの方が明らかに「手強くなっている」よな?
もちろんリヘイはセイヤとは「初めまして」だったんで加えて「セイヤ対策」が万全であるロールバッカーの計略がより手強いのは当たり前なんだけど、いや改めて散逸した彼女のエーテルコアが元に戻っていて本当に良かったよ(しつこい

ワンダラーに仕込まれていた「緑色」に光るエーテルコアの欠片を回収し集めたデータや座標を報告すると協会は「15分後に警察が到着する」よう手配してくれたみたいで、セイヤはその「誰にも邪魔されない最後の15分間イヤホンで一緒に歌を聴きたい」なぞ「期待に満ちた」表情で言い出すのだけれど、もう泣かせるのはやめてくれぇぇ(嗚咽

クラスメイトの彼女はセイヤがいつもどんな音楽を聴いているのか知りたくて聞けなくてこっそり共鳴してみようとしてもやっぱりそれができないくらいに初しくある日セイヤが片方のイヤホンを貸してくれたときにはただそれだけで嬉しくてたまらなかったけど、ハンターの彼女は「どうしてワイヤレスなの」「女性を誘うなら有線のイヤホンで距離を制限するべき」だなんてよっぽど仲を深めてて、あの純朴な彼女を想うほど臆病になり時を止めて前へ進めなくなってしまうセイヤを「私たちはもうこっちでしょ」って引っ張り上げてくれてるみたいでめちゃくちゃ頼もしく見えちゃったなぁ。涙

次元コア

特別司令任務により回収されたいくつかのコアの欠片は空間に影響を及ぼし「新たな空間を創造することができる」特徴から「次元コア」と名付けられ、協会の分析によれば「引力」によって一所に集まり、さらに「もうひと欠片」あれば「完全なエーテルコア」としてコア周辺に「エネルギー結晶」を形成したような形状になるらしい。

すると2部2章屋上の引力錨にあったエーテルコアが金色の光を注いでのち程なくして砕けたのは「引力」によって彼女の心臓にコアエネルギーが集まり形成されていたコア周辺の結晶が消滅したために「壊れたように見えた」ってことなのかな? いや欠片の状態で結晶が形成されることはないのか。

このタイミングで「携帯式特異エネルギー安定装置」なる新商品をリリースしたEVERは恐らくすべての「後始末」を済ませ協会に更なる手掛かりを掴ませることはないと踏んで動いているはずだとの所見ではあるが、特別司令チームのすべきことは何としてでもその最後の「もうひと欠片」を回収することであると力説するミナミ。
なんかようやく協会がEVERのやばさに気が付いて逆に彼らにとっても協会がやや厄介な存在になっているようで嬉しい。頼りなくとも公的機関が後ろ盾となること以上の安心感ってない。

「別次元の空間が創造される」と言えば、恒星となり爆発を経て死んだフィロス星の「深空トンネルからのパルス信号」が限りなくその「次元コア」に近いもののようにも思えてくるんやが、これはそれぞれの攻略キャラがそれぞれのフィロス星で恋をした別世の彼女の意識エネルギーがトンネルの向こうからやって来て「エーテルコア化」したものが「次元コア」ってことになるのかな?
仮にそうなら「エーテルアイ」を持つシンを除いて「最後のひと欠片」には「新たなプレイアブルキャラクター」が割り当てられたりするんだろうか。
それとも「意識エネルギー=特異エネルギー」「特異エネルギーが凝縮されたもの=コア」の認識をまずさらにすべき? (錯乱

今章ラストはミナミから「あなたの家で起きたあの事故に関する情報」の記載があるという「EVERグループ秘密調査報告」なる書類を預かり、持ち帰って読むつもりでオフィスを出た帰り道空に例の「巨大な目玉」が現れその向こうに「エーテルコアの力」を感じる、なんてシーンで締め括られますが、めちゃくちゃいろんなことが明らかになりそうなのとても楽しみ。

褐色をした新たな深空トンネルだと言われれば見えないこともない。周囲の景色も大きく歪んでいるようでとても怖い(怯