恋と深空のんびり考察プレイ録

恋と深空のんびり考察プレイ録 - 空に堕ちる

恋と深空を宗教思想史オタクがのんびり考察しています。

ネタバレを多分に含むうえ、新しく開放されたストを読むたびに考えが変わるため我ながらお門違いなこともたくさん綴ってあるのですが、プレイ記録も兼ねているため敢えてそういうものも全て残したまま書き進めております(土下座

閑かなる夜の果て

こちらのストーリーは「深空学会の機密資料」という体裁でついに本編世界の大きな構図がざっくり明かされたものと理解してよさそうな。これまでたくさんの宗教的神話的モチーフを随所に散りばめてはきたけれど「あくまでSFとして読んでくださいね」「本作はSF作品です」と念を押されたような気がせんでもないが、それでもわたしは自称宗教思想史オタクとしてこれからもひとり頑なに自分の神学的感性に基づく感想をひっそりとここに書き残していきたいと思ふ(ぇ

本記事には作品に見られる思想構造を神学的思想に当てはめて分析を試みる項が含まれますが、わたしは決して作品の批判対象がある特定の宗教や教派であると意見しているわけではありません。どんな主義宗教思想もその人の心にとってかけがえのない大切なものであり、作品はもっと普遍的な愛や倫理を描いているという前提です。

深空学会

そもそも深空学会とは地球科学や宇宙科学の長期的なデータ解析により生態系や文明の発展に影響を与える「周期的な環境変動」の記録を整理する目的で1960年に設立された研究コミュニティであり、主な取り組みは「観測」や「シミュレーション」を通じて未来の周期変動を予測し生命や文明への影響をモデル化する「理論生態分野」の学術活動であるらしい。

学会はすでに「地球上には人類とは異なる未来文明・海洋文明・高次元文明・制御不能な知能機械の干渉などが存在していること」を把握して「地球文明の最終形が人類ではない」のだろうことを仮説立てており、またこれまでたびたび語られてきた「深空信号」についても「現在まさに滅亡の過程にある」もしくは「すでに滅亡を経験した」文明からの「地球文明が周期更新の時期に差しかかっている」ことを示唆するテキストとして可読化し、それらを記録した資料あれこれを「中核メンバーだけが閲覧できる状態で」厳重管理していると。

世界の深層「砂に沈む遺跡」ではこの学会の「幹部」にあたるとある考古学チームのメンバーが恐らく異文明観測のため潜水艇で海底に潜ったら「自分たちと同じ服を着た骸骨」がその手に「コア武器」を持った状態で遺跡の中に漂っているのをうっかり目撃したことで「EVERに消されてしまった」かのような匂わせもあったんで、少なくとも今時点「深空学会」の立ち位置はEVERのような「介入者」ではなくあくまで学術的な「観測者」に近いのかなって印象。

文明研究部資料

今ストで開示されたその極秘資料の一部を順に要約してみるとたぶんこんな感じ。

ファイル番号:000001
資料整理担当:物理学部 タイム

こちらのファイルは地球外文明・海洋文明・高次元文明3つの異文明観測記録が簡潔にまとめられたもので、それぞれがロールバック隊周辺・リモリア人周辺・フラクタル図書館周辺の主に「目撃情報」となっている。

どうやら「ロールバックⅡ号」を指しているらしい「複雑装置」とやらを「北部山岳地帯コード42-01」にて発見して以来記録者は「数十年にわたる極秘観測を続けてきた」というので恐らく学会は「裂空災変」より少し前から彼らを「観測対象」として追っていたのではないかな? 「数十年間容貌が変化しない複数個体」による古典物理学の原理を無視した「瞬間移動」に近い出現と消失は「42号禁猟区」周辺エリアだけでなく「花屋の注文配送の遅延を防ぐため」にも発現することからその能力が磁場の影響とは無関係の「この集団固有のものであること」まで把握しているもよう。こちらの観測対象が「ロールバッカー」なるものと酷似しているらしいことに気が付いたのは「数年前」だそうなので、ニュアンスとしては「進化を遂げた未来の人類かも知れない生命体」を特に接触を試みることなく物陰からこっそり観察し続けてきたんじゃないかなって雰囲気。

「海洋文明」に関してはいつ頃からどの辺を中心に進められてきた観測なのか詳細が記されていないんであれだけど、本編1部2章時点では2034年臨空市南東遠海で海底に「遺跡」が発見されて以降それまで「リモリア伝説」と呼ばれてきたものが「解読困難な先進科学技術によって繁栄した古代海洋文明」として位置付けられるようになったって話だったんで一旦その理解でいいのかな? 対象が「水生環境に適応した尾部構造を有していること」と「人類をはるかに上回る知覚能力を備えていること」こそ把握しているが「不死化細胞」であったり「歌声殺人」なんかは噛んでないんでこちらもこっそり観察してきたか「身体検査」くらいの記述かなって思うなど。それこそ「病院の診療記録」とかって匿名化された症例データとしてこういう学会に共有されてたりするのでは? アランのおじいちゃんの担当医は「一日20時間お風呂に浸かっているように」と療養指導をしてたみたいやが患者が普通の人間だったらたぶんこんなこと言われないよね? 個人の特定は難しくとも彼らの生活ぶりから存在の認知くらいならあって当然なのかなと思ったり。

「高次元文明」については個体ではなく「幾何学的な純白の半透明建築」の観測と、近日その高次元建築と雪山との間を行き来する「人影」や「蜃気楼」の目撃証言に留まっており特に何も仮説化されていない。でもよく考えたらそりゃそうで、逆に「神言者」という呼称がすんなり出てくるEVERって今思えばめちゃくちゃ不自然なんだよな(怪

ファイル番号:000017
資料整理担当:異常事件研究部 ヴィラシャ

こちらのファイルは臨空市内各研究機関における「実験」や「研究」周りで起きた3つの異常事件を扱うものになるが、流れ的にシンを主軸とした物語における情報開示になるのかなって気する。

ひとつ目の資料は「EVER傘下の研究所」がショウジョウバエの意識を抽出し「生命のデジタル化」を試みる「Openswarm」なるプロジェクトのある過程で「制御不能な知能機械の干渉」が誘発されたため実験は止む無く強制停止された、という記録である。世界の深層「暗点の美学」を読んだばかりなのでどうしても「メフィちゃんが危険な実験を阻止したんでしょう」と思えてならないが、深空学会の視点で見れば「何に干渉されたか分からない」高度未来技術異文明の発現ってことになるのかな? あるいはEVERによる研究がすでに生命を肉体ではなく意識・情報・エネルギーとして扱うものになりつつあることの示唆とも取れる。

ふたつ目の資料は正直今ストいちばんの謎なんだが臨空大学生物研究チームが臨空南部地区の別荘地域の裏手の森で「正体不明の巨大生物のシルエットを目撃した」という記録。移動速度が極めて速く全く音を立てないのだそうだけど、うーん確か2部1章ジェフってワンダラーも改造してたっけ? いずれにしろ学会としてはこれを「異種生命」と仮定して記録しているのだろうと思われる。

最後の資料は市中心部のテクノロジー企業で外壁清掃ドローンが最上階オフィスのガラス窓の向こうに「極めて高温の点熱源を捉えた」という記録。なんだけど、その記録はサーバーに上がる前にセキュリティシステムによって遮断され初期化されてしまったというのよね。しかも資料整理担当者自身に意識異常が起きている旨が付録されており、それも「くしゃみをした後」という妙に日常的なきっかけで記憶が飛んでいることが強調されていたりする。本編6部4章シンが「対処するのは厄介そう」だと思案していたトンネルの彼方にあるらしい「干渉」がこれにあたるのだとすれば、それは単なるハッキングではなく認知・記憶・観測そのものへの干渉が起こるような次元・領域の話ってことだよね。

ファイル番号:000053
資料整理担当:生物学部 ミョウ

こちらのファイルは「異文明研究機関」についての組織構造に関する資料になるが、なるほどこれが「遠空艦隊」周りの複雑な権力構図の答え合わせなら結構すっきりするな。

まず深空学会は「現時点で確認されている中で最も早期に設立された異文明研究機関である初期ガイア」とは協力関係にあったものの、ガイア内部には常に観測できない「ブラックボックス」があったと。そして「ガイアの設立時期あるいはEVERが頭角を現し始めた時期がある謎めいた一族によるEVERへの出資時期と重なっている」ってことなんで、そもそもEVERは単独で巨大化したのではなく背後に謎の出資者一族がいる、そしてガイアはそんなEVERの「傘下」というよりむしろその背後にいる出資者一族の意向や資金によって設立・維持されてきたEVERから見れば半ば独立した実験機関だってことだよね。さらにその謎の出資者一族を追うと今度は「EonCoreテクノロジー」という企業が浮上する。EonCoreテクノロジーは「近年コアエネルギー業界で頭角を現してきた」のだそうだけど、公式責任者は謎に包まれており背景も辿ることができない、ただし「現在もなおEVERと何らかの密接な協力関係を保っている」ようである。

要するに、初期ガイア内部に「ブラックボックス」を設置していた権力、EVERをここまで巨大化させた権力、EonCoreテクノロジーのコアエネルギー研究を支援している権力、これらがみな同じ「謎の出資者一族」だから全員仲良し悪者集団みたいに見えているってこと。で、恐らく「焦土の上」艦隊の旧補給提携先もこの系譜の中にあるって話なんじゃないかと。てかむしろそうでなきゃ遠空艦隊ほど大規模なコア軍事転用って「天行市よりも長い歴史」を持ってなんてできないと思うぞ。後から参入したはずのEVERが艦隊をまるで自分たちの編隊した組織であるかのように言うのも母体が同じだからで辻褄合う気がするし、なんなら初期杉徳医療周りの出資者も同じ一族なんじゃないか?

きっとこの一族が本編地球時間軸で異文明や文明更新に関わるいちばん古い意志になるのだろう。気になるな。まず「一族」ってなんなんだ。なんで全部の関連ファイルが破損してて修復待ちなんだ(怯

ファイル番号:Un-0000
資料整理担当:物理学部 タイム

最後のファイルは普通の番号でなく「Un-0000」のラベリングなので未分類、未整理、あるいは特別扱いの資料なのだろう。内容は信号取得記、発信源は深度57トンネル単位トンネル壁26.35度、媒体はニュートリノフラックス、受信日は2034年7月4日。信号は深空学会七大学部の共同解読によって可読化されたものであり、統合分析では「現在まさに滅亡の過程にある」もしくは「すでに滅亡を経験した」文明から送信された「地球文明が周期更新の時期に差しかかっている」ことを示唆する予言・警告・遺言のようなものである可能性が極めて高いとされている。

可読化テキストはかなり抽象的ではあるが主要点は明確で、まずは前提として宇宙の最終段階は「絶対的な無秩序」であると言っている。これは本編5部4章で語られた「熱的死」と同義だね。そして私たちが「秩序」だと思っているものはある種の「意志」が宇宙の最終段階に抗うための「修正機構」に過ぎないと。つまり宇宙秩序は自然に存在しているものではなくそこにある生命の「意志」による無秩序への抗力がごく一時的にある状態を維持しようとする働き、文明もただ発展しているわけではなく宇宙の終局的な崩壊に抗うための「修正機構」として存在しているって主張だね。

これはわざわざ小難しく述べられているだけの実に単純かつ当然の理屈で、たとえば「洪水が起こること」←これは「宇宙が絶えず無秩序に向かっている状態」です。ただし「堤防を築くこと」←これは「絶えず無秩序に向かっていく宇宙に文明が抗っている状態」です。ただそれだけの話である。

重要なのはこの先で、文明を存続させるための複雑なシステムの進化は必然的に「周期的更新」を引き起こす、宇宙とは情報の余剰分を相殺し資源配分をリセットしようと働くようになっている、そして「観測対象=送信者から見た地球文明」の複雑度はすでに「修正限界値」へ迫っているものと断言されているところ。

先ほどの例で言う「堤防を築くこと」←これは修正機構の許容範囲内です。ところが「雨量や川の水の量をシステムで管理して洪水発生のメカニズムを文明が支配すること」←これは余剰情報であり修正限界値を超えた分が相殺対象になります。あるいは「病気を治療しよう」←これは修正機構の許容範囲内です。ところが「死を克服しよう」←これは相殺対象になります。地球文明の余剰情報がそうして天井を叩きそうなんで間もなくリセットが起こります。一旦そんな理解でいいんじゃないかと思う。

ただ面白いのがさ、あらゆる生命と知性の器は段階的な選別を経た後いずれも特異点へと回帰しなければならない、つまり選ばれた生命や文明がずっと個別に存在し続けるのではなく最終的には全部「特異点」へと集約されるのが必然なんだよって言いながら、その「静寂なる消滅」はエネルギー保存の法則における最終的な「クローズドループ」だって結論付けられているところなんだよね。ここでの「特異点」とは物理学的なブラックホール的特異点とも文明が到達する技術的特異点とも情報が一点に収束する終末地点とも読めるけど、宇宙全体から見ればそれらは「クローズドループ」つまり「閉じた循環」になっているっていう。これは「失われる」のではなく「閉じる」「回収される」ニュアンスで、終わりがどこかで始まりに接続している感じがある。つまりこの法則に基づいて「循環」が滞るか否かが「余剰」か否かのひとつ線引きになっているのではないかな?

極めつけが最後の一文で、信号は「我が目覚めるとき彼らと共にこの果てしない深空を分かち合えることを願っている」なんて言葉で締め括られている。送り手は滅亡中の文明である可能性が高いにも関わらずまるで彼らは彼らの「特異点」で再起動・再顕現できる日を待ち眠っているかのような言いぶりで、さらに地球文明と「深空を分かち合う」未来を願っているというのである。

『恋と深空』の思想軸

今回語られた「深空」という宇宙観は一見するとわたしたち人間にあまり優しくはないですよね。どれだけ抗おうと生命も文明も星も宇宙も絶対に消滅を迎えるし、抗い方が複雑化すればするほどさらに死期が早まる仕組みになっていると言うのだからもはや打つ手がないような気さえする。

本編5部4章ではこれが「創造主の敷いた熱的死の法則」だと語られるため、わたしは長らくこの「熱的死のプログラム」に絶対的な「創造主」がいるものと仮定して本作を読み進めてきました。ところが今回ちょっとだけ受け止め方が変わったのは、創造主うんぬんというよりそもそもこの「一見冷たい宇宙論」というものにわたしたちは向き合わされているのではないか? と率直に感じてしまったのだ。

詳しく調べてないんで間違ってたらごめんけど、たとえば「サイクリック宇宙論」という仮説があったりしますよね? 宇宙はビッグバンに始まりビッグクランチで終わる大きな周期を「繰り返す」「循環する」っていう理論。生命と知性はいずれ特異点へ回帰する、消滅は終わりであると同時に閉じた循環であると言うからにはこの辺りが「深空」の宇宙観にひとつ近かったりするのかな? と素人目で眺めてみるなどした。

これって実はめーちゃくちゃ「正統神学」的な世界観なんですよ。わたしの言う神学とはズバリ「キリスト教」のことです。平たく言えば世界とは絶対に壊れていくもの、人間とは生まれながらにして罪を負っているもの、死もあるし、苦しみもある、それでも世界は神の被造物でありわたしたちは愛し愛されるために生かされたのだ、っていう宗教思想です。ただ、これはわたしの持つ感性が神学に偏っているためそう見えるというだけで、恐らく宗学を学んできた方にとっては宗学的に、教学を学んできた方にとっては教学的に映るのだろうな、とも感じます。

長い神学史の中で、こういう壊れかけた世界を「本来の光から離れた欠陥ある場所」だと定義付けた人たちがいました。過去こちらの記事にて少しだけ語らせていただいたこともあるのですが、それがキリスト教「グノーシス主義」と呼ばれる異端教派です。もちろんグノーシスにもいろいろありますが基本的には同じ「この世界そのものへの不信」に始まる信仰で、物質や肉体が本来の生命を縛る牢獄になっている、人間は不完全であり無知に囚われている、けれど智を得れば本当の世界に辿り着くことができる、みたいな救済思想を持っています。

この観点で見ると本作EVERはかなり現代グノーシスに近い描かれ方をしていると思います。死ぬ身体を受け入れない、命を有限のまま尊重しない、意識を抽出しデジタル保存しようとする、異文明技術を用いて人間を上位段階へ移行させようとする、壊れた世界を生きるのではなく世界の法則そのものを乗り越えようとする。これは角度によっては「救済」にも見えますが本質は脱身体化・脱世界化・脱有限性への欲望でもあります。

一方で「正統神学」というのは壊れかけた世界を捨てません。世界は壊れていく、必ず終わりがある、現実は痛い、義人も苦しんでいる、でもだからこそ「生」は輝いているのかも知れない、だからこそ人は隣人を自分のように愛することができ、死者を悼むことができ、最期まで善くありたいと奮い立てるのかも知れない、これが正統神学です。もう少し深いところまでお話しすると、キリスト教神学には「そうして有限を有意義に善くあろうとする人間を愛するあまり神自身が人間となって罪ある世界へ苦しみや死を引き受けにやってきた」という教義があります。神学用語では「受肉」なんていいますが、うーんちょっとあまりに複雑難解な概念なので、ここでは恋と深空をプレイするノンクリスチャンの方に向けて「人間を超越した永遠なる神が有限性から生まれるわたしたちの愛を愛してしまっている状態を指す言葉」と意訳させていただきます(端折り過ぎw

わたしは超個人的に『恋と深空』の思想軸は限りなく「正統神学」に近い場所にあると初期からずーっと感じていて今も感じています。レイやホムラの物語からはまさに受肉的な感覚を受けますし、セイヤは聖戦を率いる天使軍の長のように見え、シンは世界の罪を暴く告発者のように見え、マヒルは罪ある世界をそれでも愛したいわたしたち罪人の代表者であるかのように見えるからです。

なのでもし仮に作品に「創造主」が明確に登場するのならそれは「正統神学が立ち向かうべきもの」の姿をしてるのではないかと思っていました。言い換えるならグノーシス的な思想の化身、それもEVERの脱有限性から爆誕してしまったような「テクノグノーシス」の産物たる何かがいて、都市や国家や文明や惑星や星系あらゆるフラクタル階層においてどこの値を観測しても「必ず崩壊を迎える」よう実験的に宇宙のプログラムを書き換えた、もしくは深空そのものが始めからそうプログラムされた「実験場」であるという読みも我ながら飛躍しているが完全には否定できないなどと語ってきました。その目的は生命の完全なる脱身体化・脱世界化で、壊れた世界を捨てて「永遠」になろうとするプロジェクトの究極なんじゃないかって綴った記憶もあります。これが「アスタ」なんじゃないかって言ってた時期もありました。

そして物語は「人間的に成就する有限の愛」がその「永遠」を上書きする「例外項」となるような方向で展開していくのではないかと予想立てていました。きっと愛そのものが新しい物理法則となるような究極を彼女はある彼とふたりで達成するのだろう、それこそ愛を伝え続けることで「永遠」を実現する小さなフラクタルパターンが波動関数を「決して宇宙を崩壊させない解の形」へと書き換えてしまうかのようなニュアンスで、たとえば極致の「共鳴」が「崩壊の宇宙」をその特異点たる「ミクロな宇宙」に収束させ、新たな特異点から今度は「愛で循環する決して崩壊することのない宇宙の波動関数」がまるで一滴の雫から広い海を覗き見るかのように「10の-33乗秒」のうちに再編されるような結末を期待している、なんて書き殴っていたのがこの辺りの過去記事になります(恥

今回改めたくなったのは、作品が「必ず熱的死に回帰する深空という宇宙」を決して「本質的に誤った宇宙」だと定義付けているわけではないという点です。むしろ実際に滅亡を経験した文明がこれを「有限な宇宙である以上そういう法則を持っている」という本質の再定義かつ議論の前提としています。そして地球文明が「資源配分」を受け入れ自分たちと「深空を分かち合う」未来を願ってる。ここがグノーシス的宇宙論と「深空」という宇宙観とのもっとも大きな違いになっている気がしました。

深空信号

以上を踏まえたうえで今スト「深空信号」をわたしなりに解釈し直してみるとたぶんこんな感じ。

***

あなたたちの「地球文明」は複雑化し過ぎてしまったようです。情報・エネルギー・資源・技術をあまりに多く抱え込み、システムが「維持限界」に近付いているように見えます。すると宇宙はその余剰分を相殺し、資源配分をリセットする「周期的更新」を地球にもたらすでしょう。あなたたちもわたしたちと同じように「特異点」に回帰し、次は別の世界で「目を覚ます」ことと思います。それはひとつの惑星や文明の「滅亡」に見えるかも知れませんが、宇宙から見れば最後にみんなで「無秩序」に至るまでの「代謝」のひとつなのです。これは宇宙そのものが閉じた循環による「エネルギー保存の法則」を持っているために起こります。

逆を言えば、宇宙のリセットが発動する前に「地球文明」自身が自ら「エネルギー法則を無視して独占・保存・管理している資源や技術や生命」という余剰を手放すことができれば「周期的更新」は避けられるのかも知れません。

もちろんそれでも地球文明は永遠ではありません。人類もいつかは滅び、星もいつか死に、宇宙もいつか沈黙します。でもだからこそ、その「いつか」まで、誰も永遠を盗もうとすることなく、限りある生命と資源を奪い合わず、偏らせず、手渡しながら、終わるものを終わるものとして愛し、この有限な宇宙で限られた時間を最後まで、共に精一杯生きられることを願っています。

***

みたいな? (誰

謎の出資者

そう考えると謎の出資者一族は宇宙に組み込まれた文明更新プログラムを把握したうえでEVERやガイアを使ってそれを起動・加速させている前文明の種・媒介・代理人のような存在と取れなくもないかな? 以前どこかに「果実の種」のような「芋虫」のようなワンダラーが指に引っ付いて一滴の雫から大海のような宇宙のような異空間へ放り出されるみたいに「星の磁場」へ呑み込まれてしまったかも知れない深空学会元教授のサイドストーリーがあったような気がするけども、このワンダラーこそが宇宙更新の種子、変態の媒介、文明周期の幼生の象徴で、深空が生命や文明・星・海・宇宙をフラクタルに接続する巨大な「更新機構」であることを示す伏線だったのかも知れないとちょっと思った。

個人的には少なくとも今時点この出資者一族は「創造主」ではなく宇宙のエネルギー法則を発見し利用しようとしている者たちに見えるかな。宇宙には文明を周期的に更新する仕組みがある、地球文明は修正限界値に近付いている、更新を促せば次の文明段階に移行できる、更新後の世界には自分たちだけが残れる、みたいな思惑で、システムの「創始者」というよりは「不正アクセス者」に近いようなイメージ(全て妄想です

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